こちら満腹堂【BL】
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#257 [ひとり]
なんだ?話が読めない。つまり今の『ごめん』は、三十一日の事を言っているのか?
「俺さ、お前に甘えてたみたいだわ」
「はぁ、そうなんすか」
「うん、だからさ」
いつのどれを言っているんだろう。俺は三田さんに甘えられた覚えなんてない。まぁ、振り回された記憶なら山ほどあるんだけど。
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:09/12/31 00:18 :F01B :VFbZnWIw
#258 [ひとり]
「だから・・あ、その前に聞いときたいんだけど」
「どの前なんすか今」
「いいから答えろよ、お前俺が好きなんだよな」
「何回言わせるんですか」
「・・・・・・・」
訴えるような三田さんの目に根負けした俺は、舌打ちして答えた。
「好きです」
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:09/12/31 00:19 :F01B :VFbZnWIw
#259 [ひとり]
「よし、わかった」
「わかってんなら言わせんな、罰ゲームかなんかですかコレ」
「焦んなよ、こっからが大事なんだから」
そこまで言って三田さんは大きく深呼吸をした。その必死な感じが、子供の頃読んだ北風と太陽の絵本にでてくる、北風の挿し絵を連想させる。吸って、吐いて、二回、三回。
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:09/12/31 00:20 :F01B :VFbZnWIw
#260 [ひとり]
それから決心が着いたらしく、また顔をあげるとこう切り出したんだ。
「根岸は俺で立つの?」
さっき飲み物断ってよかった。もし今何か飲んでたら、確実吹いてたわ。
「なんつーダイレクトな・・・」
「なんだよ男同士なんだから恥ずかしがることねぇだろ」
「そうですけど」
「で、たっちゃうワケ?」
「・・・・・はい」
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:09/12/31 00:22 :F01B :VFbZnWIw
#261 [ひとり]
「てことは、かいちゃうワケ?」
「そこはいいでしょ別に!!」
「先に確認しとかないと大事でしょうがそういう事は!!!!」
「好きでたつんだからその先は言わなくてもわかるでしょ、男なら」
「なるほどな」
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:09/12/31 00:22 :F01B :VFbZnWIw
#262 [ひとり]
何が『なるほど』なのか、腕組みをして俯いたまま動かなくなった三田さん。俺は待つしかない。
深呼吸を繰り返していたさっきよりも長い間。
そしてその沈黙を破ったのもやっぱり三田さんだった。
「考えるよ、根岸」
「え?」
「お前が真剣だってわかったから、俺も真剣に考える」
「それって・・」
「うん、今お前とやるとこ想像してみたけど、別に思ったよか抵抗なかったわ」
「そういう沈黙だったのかよ今のは」
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:09/12/31 00:25 :F01B :VFbZnWIw
#263 [ひとり]
「いや、さわりだけな」
「さわりだけ」
「あ、"触り"じゃなくて、事の流れをサラッとって意味での」
「わかってますよ」
「そっか、よし、まぁつまり、それが言いたかったってことだ」
『考える』。予想もしていなかった言葉に、頭がついていかない。
「テメェ俺がせっかく謝ってその上考えてやるっつってんのに、リアクションが薄すぎなんじゃね?」
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:09/12/31 00:26 :F01B :VFbZnWIw
#264 [ひとり]
「あ、ちょっと今感激してるんでそういうノリいいっすわ」
「え、何それ聞いてないんですけど、感激させてやったのは俺だろコルァ!!もっと感激を表現しろコルァ!!」
「ちょ、マヂで、シッ」
「"シッ"とかうぜぇぇぇぇ!!!!どうしよ相手が冷静だと余計にヒートアップしちゃうじゃん俺!!しちゃうじゃん!!!!」
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:09/12/31 00:27 :F01B :VFbZnWIw
#265 [ひとり]
三田さんが何事か叫んでいたけど、凄く遠くに聞こえていて理解できない。
今はっきりしてる事は、俺が予想していた結末は訪れなかったって事。これから先はわからないが。今はこれで十分過ぎるくらい十分で、いっぱいいっぱい。
今晩家に帰ったら一人で、柄にもなく小躍りしてしまいそうだ。
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:09/12/31 00:29 :F01B :VFbZnWIw
#266 [ひとり]
【休憩】
おはようございます。ひとりです。
第・・・もう何話だかわかんなくなってきました←
三田、ようやく根岸の気持ちに気づけました。遅せぇよ。遅せぇけど、気づけただけではなまるです。
まだまだ続きますので、暇潰しに読んで頂けたらと思います。
てか今日大晦日!!!!
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:09/12/31 08:43 :F01B :VFbZnWIw
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