こちら満腹堂【BL】
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#340 [ひとり]
暫し無言での睨み合いが続いた。その沈黙を破ったのは、弘さん。

「三田ぁーちょっとこっちゃ来ーい」

その気の抜けた声に、張り詰めていた空気は一気に払拭された。これまた気の抜けた声で三田さんは

「なしただぁー五作どーん」

と返しながら、店内へと帰って行った。俺の存在なんてないみたいに、こちらには一瞥もくれずに。

なんだよ・・・・・・

「どういう事だよ」

俺は混乱し、途方に暮れた。

⏰:10/01/05 20:49 📱:F01B 🆔:SDc/X0Lc


#341 [ひとり]
【休憩】

今晩は、ひとりです。

第十九話完結しましたー三田キレました。根岸混乱しました。すれ違いはどこまで続くのか。それはひとりにも不明です←弘のナイスタイミングな一声に救われましたね。グッジョブ弘!!グッジョブ!!!!!

⏰:10/01/05 20:52 📱:F01B 🆔:SDc/X0Lc


#342 [ひとり]
【第二十話/シーザーサラダのドレッシング抜きでございます】


覚えのないいちゃもんをつけられた。テンションは底辺のままで夜の仕事は身が入らなかった。

仕事を回す上で必要な会話を何度か交わしたが、三田さんは至って普通だった。

じゃあベンチでのあの態度は何だったんだろう?

⏰:10/01/06 22:29 📱:F01B 🆔:HDEStJ0Q


#343 [ひとり]
その日の営業終了後、俺は納得がいかなくて、ロッカーで三田さんを待ち伏せた。

「三田さん、話あるんで、ちょっといいですか」

俺の言葉に、また例の冷めた目で三田さんは言った。

「俺は話なんてないんだけど」

なる程、二人の時はこうゆう態度な訳だ。

俺は食い下がった。

⏰:10/01/06 22:29 📱:F01B 🆔:HDEStJ0Q


#344 [ひとり]
「あんたになくても、俺にはあるんですよ」

「知るか」

「「・・・・・・・・」」

"とりつくしまもない"ってこういう事なんだろう。

じゃあ俺は、どうしたらいいんだ。何で急にこんな態度とられなきゃいけないんだよ。

⏰:10/01/06 22:31 📱:F01B 🆔:HDEStJ0Q


#345 [ひとり]
「したらもう俺帰るし」

「ちょ、」


バッ


風を切る音。

出て行こうとする三田さんの手を取った次の瞬間、勢いよく振り払われた。


「触んな」

⏰:10/01/06 22:32 📱:F01B 🆔:HDEStJ0Q


#346 [ひとり]
言って上着だけひっ掴んだ三田さんはノブに手をかけた。

元々ネジが緩くなっているロッカールームの扉。力任せに閉められたそれは、耳障りなでかい音を立てる。

行ってしまった。スタッフウェアのままで。春とは言っても夜はまだ冷えるのに、上着一枚で風邪でも引かなきゃいいけど。

一人取り残された俺、仕方がないので鍵をかけて自分も出ようとメッセンジャーバックを背負った。その時

⏰:10/01/07 09:06 📱:F01B 🆔:UEkoMjr2


#347 [ひとり]
無音のロッカールームに人が入ってくる気配があった。

三田さん、戻って来てくれたのか。

俺は速い動作で扉を開けた。

「うおっ!自動扉かと思った、よう、お疲れ」

「・・・・・お疲れ様です」

「何だよ明からさまなガッカリ顔しやがって」

「そんな事ないですよ」


目の前にっていたのは、弘さんだった。

⏰:10/01/07 09:12 📱:F01B 🆔:UEkoMjr2


#348 [ひとり]
今日の鍵当番は俺とノジコさんで、今日は自分が閉めるから先に帰って下さいと伝えた。鍵持ちでもないし、仕事はいつも手際よくこなす弘さんがこんな時間まで残っているというのはどうした訳か。

俺が考えてる事を察してか、弘さんはこちらが尋ねる前に口を開いた。

「お前待ってた」

「・・俺を、ですか?」

「そ、根岸を」

⏰:10/01/07 20:29 📱:F01B 🆔:UEkoMjr2


#349 [ひとり]
「はぁ・・・」

俺は歯切れ悪く返事をする。

「まぁ、いいからちょっと付き合え」

訳の分からないまま取り敢えず弘さんに従って店を出た。何処へ向かうのやら、目的地を決めているらしい弘さんは淀みない足の運びで先へ向かう。等間隔に街灯の並ぶその下を、微妙な感覚を空けて後に続いた。

⏰:10/01/07 21:10 📱:F01B 🆔:UEkoMjr2


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