こちら満腹堂【BL】
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#586 [ひとり]
安価ミス(゚Д゚;;)スマソ
:10/03/05 09:03 :F01B :ZO9Mc9Sg
#587 [ひとり]
>>583【第二十九話/嗚呼素晴らしき青春の軟骨からあげ】
アキちゃん。なんて呼んでいたこないだまで可愛いニューフェイスだった彼女は、ある一夜を境にして俺のライバルになった。
あの宣誓をたてた次の日から、アキちゃ・・もういっか、アキは何かと根岸や俺の周りをマークするようになった。
てか何で俺んちまで着いてくるかね!?いや、目的はもちろんわかってんだけど。手段を選ばないってよか、場所を選ばないんだねお前は。
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:10/03/05 09:04 :F01B :ZO9Mc9Sg
#588 [ひとり]
満腹堂でも、俺と根岸が二人で仕込みをしていれば割って入り、今は仕込みが先決だからと少し根岸から離れてやれば、何故か根岸そっちのけで俺の横に来て脇を小突いてきたりする。
もちろんやり返すけど。黙ってやられてやる程、俺は大人じゃねんだよ。
「オイコラ、せっかく今だけ根岸の横譲ってやったんだから、あっち行って来いよ」
「どうせんな事だろーと思った、そういうのムカつくから止めてよね」
「俺は今仕込みで忙しいんだよ」
アキの相手より夜の仕込みだ。餃子の種を皮の上に乗せながら言えば、アキはフンッと鼻を鳴らして、同様に種を包みだした。
根岸の血筋は皆そうなのか、アキも手先が器用で容量がいい。実家じゃ碌に料理なんてしなかったと言う割に、綺麗に"ひだ"を作っては、正確に並べていく。
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:10/03/05 09:05 :F01B :ZO9Mc9Sg
#589 [ひとり]
手伝いさえすれば俺もそのほうが捗るので文句は言わない。
「・・・・・・・」
「ねぇ」
「・・・・・・・」
「ねぇっ」
「・・・・・・・」
「ねぇって!」
ただ、脇腹を小突くのを止めてくれたら、尚嬉しいんだけど。
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:10/03/05 09:06 :F01B :ZO9Mc9Sg
#590 [ひとり]
「痛いって、そゆことしてる間に手ぇ動かせお前は!」
「動かしてるじゃん!」
唇を尖らせたアキの顔から視線をスライドさせれば、確かに手元は一定のペースで、それこそ機械みたいに正確なリズムで仕事をこなしていた。ぎゃふん。
「ねぇねぇ、私ゆうちゃんと来月デートに行きたいんだけど、シフト合わせてよのんちゃん」
「バカですか、そんなん言われて誰が『うんわかった』なんて言うんだよ、とんだお人好しだなコラ」
「だってのんちゃんお人好しでしょ?」
コイツ、絶対俺のことナメてるよ。
「でしょくない」
「でしょいよ」
「なんだよ『でしょい』って」
「そっちが先に言ったんじゃん」
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:10/03/05 09:09 :F01B :ZO9Mc9Sg
#591 [ひとり]
「どっちでもいいけどそんなん俺に頼んだって無駄だぞ」
第一、休みが合ったところで根岸がアキの誘いに乗るかはまた別の話しだ。
「私、誕生日なんだけど、来月」
「・・・知るか」
「誕生日、好きな人に祝って欲しいって思うのは自然な事じゃない?」
「俺に聞くなよ」
「22日」
「は?」
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:10/03/06 21:01 :F01B :VOpDoyjQ
#592 [ひとり]
「私の誕生日ね、22日」
「・・・・・・」
相変わらず等間隔にひだを作り続けるアキの細っぽちな指達を凝視した。その一本一本の指先にちょこんとついたオマケのような爪は、うちでバイトを始めたことで、綺麗に短く切りそろえられている。
誰だって、自分の大切に思う相手に生まれた日を祝ってもらえたら嬉しいさ。そりゃそうだろ。根岸とアキはいっても従兄弟で、根岸がまずアキを眼中に入れていない訳だし、今年大学へ入ったばかりの彼女の今の年は18で、すると来月の22で19になる訳で、19ったら十代最後の誕生日ってことになるからつまり・・・
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:10/03/06 21:13 :F01B :VOpDoyjQ
#593 [ひとり]
「三田!アキ!あんた達も夜はべぇやんちだからね!!わかった!!?」
突然、考えに没頭していた背にかけられた声に驚いて振り向くと、アキも同じタイミングで体を反転させていて、アキはどうだか知らないが、俺はノジコの有無を言わせぬ迫力に、気付けば素直に頷いていた。
よくわかんねぇけど、今日はべぇやんちらしい。なんか、久々だな。
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:10/03/06 21:21 :F01B :VOpDoyjQ
#594 [我輩は匿名である]
あげ
:10/03/08 21:57 :SH906i :☆☆☆
#595 [ひとり]
>>594匿名さん
あげありがとございます(`∀´)
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:10/03/11 21:12 :F01B :bk4/GH5o
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