こちら満腹堂【BL】
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#593 [ひとり]
「三田!アキ!あんた達も夜はべぇやんちだからね!!わかった!!?」
突然、考えに没頭していた背にかけられた声に驚いて振り向くと、アキも同じタイミングで体を反転させていて、アキはどうだか知らないが、俺はノジコの有無を言わせぬ迫力に、気付けば素直に頷いていた。
よくわかんねぇけど、今日はべぇやんちらしい。なんか、久々だな。
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:10/03/06 21:21 :F01B :VOpDoyjQ
#594 [我輩は匿名である]
あげ
:10/03/08 21:57 :SH906i :☆☆☆
#595 [ひとり]
>>594匿名さん
あげありがとございます(`∀´)
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:10/03/11 21:12 :F01B :bk4/GH5o
#596 [ひとり]
>>593営業後。やや時間はくるったけど、予定通りべぇやんちに向け俺達は繰り出した。
最近は本当暖ったかくて、嗚呼、春だなぁ〜と。向かう途中の桜の木を見て思う。あ、そいや花見もまだしてねぇよオイ。
花見、してぇな。ワンカップ片手に夜桜。たまらんね。皆でワイワイやろう。あと、二人でも行きたい。夜なら手とか、繋いでもバレないかな。
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:10/03/11 21:13 :F01B :bk4/GH5o
#597 [ひとり]
って、俺ってばとんだ乙女ちゃんだな。
一瞬自分で自分にひいた。
不規則にフラフラとべぇやんちへ向かう道中。俺の両サイドにはノジコとアキ。両手に華・・あはは、言ってて悲しくなる。花ってよりも、食虫植物だろコイツらは。
やたら絡んでくるアキと、滝並に俺をからかうノジコに挟まれながら、俺の神経は背中に集まっている。だって後ろには、根岸がいるから。
何喋ってんだろ。
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:10/03/11 21:13 :F01B :bk4/GH5o
#598 [ひとり]
根岸の隣には、津久井がいる。二人はうちの店で知り合って以来仲がいい。根岸曰わく、今恋人がいるってことも津久井には言ったらしい。でもまさかそれが俺だとは思うまい、津久井よ。
ここのところは喩えではなくリアルに邪魔のされどおしで、二人でゆっくりもできていない。
楽しそうな声が背中にあたる。俺も、そっちに加わりたい。
なんて思っていたら、べぇやんちの青い瓦屋根が見えてきた。
家に上がったら、流石にアキと距離を置きたい。できれば、さり気なく根岸の横も、キープしたい。
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:10/03/11 21:14 :F01B :bk4/GH5o
#599 [ひとり]
靴を脱いで、皆が列を作って一直線に"いつもの部屋"に向かう中、俺は気取られないよう自然に、且つ素早い動きで便所へ向かった。
別に用を足したい訳じゃあない。こうして時間をかせいでアキとは距離をとり、尚且つ先に部屋に腰を落ち着けている根岸の横を、後から行ってさり気なく、ここを強調したい。さり気なく確保するのが目的だった。
根岸本人に『あ、コイツ俺の横に来たかったんだな』なんて悟られるのは癪だから。絶対に"さり気なく"ないといけない。
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:10/03/11 21:27 :F01B :bk4/GH5o
#600 [ひとり]
問題は、アキが根岸の横にピッタリとマークしているんじゃあないかってことなんだけど。この可能性はかなり高い。どんくらい高いかって、フランダースの犬を観てその内何回泣くかってくらいの高確率だ。てことはつまり100パーだ。100パーピッタリだ。
でも、例えば俺がスムーズに部屋に入ったとする。
俺部屋入る
↓
根岸の横座る
↓
アキに気づかれる
↓
間に割り込まれる
・
:10/03/11 21:36 :F01B :bk4/GH5o
#601 [ひとり]
これだけは絶対に嫌だ。
でも後から入れば・・・
俺部屋入る
↓
アキ根岸の横にびったり
↓
でももう片側空いてる
↓
俺そこに座る
うん、完璧だろコレ。
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:10/03/11 21:39 :F01B :bk4/GH5o
#602 [ひとり]
イメトレをした俺は、勇んで便所を出た。
「うんこ、長げぇよ」
出た所に滝が立っていた。習慣で、出る時自然に水を流してしまったので、普通に用を足していたと思われたんだろう。
「うんこじゃねぇよ」
「嘘こけ、小用にんなかかるか」
「最近きれが悪りんだ」
「・・・あそ」
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:10/03/11 21:52 :F01B :bk4/GH5o
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