こちら満腹堂【BL】
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#661 [ひとり]
「強がっちゃって」

目を瞑ったままでも、相手が微笑ったのが気配でわかる。

俺の前を寛げようと、根岸が手をかけたベルト。カチャカチャと響く音はやけにイヤらしい。

脳みそがドロドロに溶けてくみたいだ。もう、何も考えられない。ただ、根岸が欲しかった。根岸を、俺だけのものにしたかった。

「三田さん」

「根ぎ・・し」

「くわえていい?」

「一々聞くな・・・バカ」

するとまた、根岸が微笑った。そしてゆっくりと、自身(オレ)を包んだ。

「ぁ・・ん・・・」

⏰:10/04/19 23:08 📱:F01B 🆔:Szzdx9cw


#662 [ひとり]
まさかコイツとこんなことになるなんて、ちょっと前の俺なら考えられなかっただろう。うん、絶対。

でも人生、何が起こるかわからんもんだ。

まさか根岸が俺を好いてるなんて思いもしなかった。そんな根岸に俺が惚れるなんてのはもっと予想外だ。そんで今、ダチの家の便所に二人籠もってイソイソと"ナニ"に励もうってんだから、これまた予期せぬ事態な訳で。

べぇやん、ごめん。汚さないように、善処します。

それにしたって、根岸の舌使いがヤバい。

「・・・ぎし・・もぅ・・・」

「だしていいよ」

あぁ、チキショー、気持ちいいなコノヤロー。

根岸の肩に、乱暴に爪を立てた。

⏰:10/04/19 23:29 📱:F01B 🆔:Szzdx9cw


#663 [ひとり]
【休憩】

今晩はーひとりです。

第二十九話、完結。です★
振り返ってみると、なんだかてんこ盛りな回でした。ハイ。

おや、最後が中途半端だっておっしゃりたいんですね?いやいや、それがひとりなんですごめんなさいm(_ _)m

あ゙ぁぁぁ〜エロは難いんだよチキショォォォオ(;;´Д`)!!!!
誰かひとりにエロの書き方教えて下さい、三百円あげるから。ちーん

⏰:10/04/19 23:38 📱:F01B 🆔:Szzdx9cw


#664 [ひとり]
【第三十話/ほっけの人気】


点滅しだした信号。
正直謂って、泣きそうだ。

あぁ、わかった、わかったから、そんなにを引っ張らないでくれ。

「ゆうちゃーん、早くぅー」

アキに急かされて小走りに横断歩道を渡りきる。

「セーフ」

審判のように大きくセーフのジェスチャーをするアキは、いい具合に出来上がっている。

今駆けてきた後ろを見やれば、赤信号。でも別に、走る必要なんてないんじゃないかと思う。深夜二時半過ぎ。車なんて、忘れた頃にやってくるくらいのペースだ。

⏰:10/04/19 23:52 📱:F01B 🆔:Szzdx9cw


#665 [ひとり]
【訂正】

>>664

○ そんなに手を
× そんなにを

失礼しました。

⏰:10/04/19 23:54 📱:F01B 🆔:Szzdx9cw


#666 [ひとり]
手に食い込むビニール袋を右から左へ持ち替えて、アキの後を追う。

何してるのかって、見りゃわかるだろう、買い出しだ。

二人トイレに身を寄せ合ってイチャイチャしてたのが、随分と前のように思える。ダメだ、また泣きそう。

────
────────

三田さんが俺の肩に強く指を食い込ませた瞬間、予想外の事態が起きた。

ドンドンドン

「ねぇ、大丈夫ー?」

俺達はハッと顔を見合わせた。その時の三田さんったら、それこそ夢から覚めたような表情(カオ)だった。まぁ、俺もそれは同様だったんだろうが。

無遠慮に、続けて打ちつけられるドア。

ドンドンドン

⏰:10/04/20 00:04 📱:F01B 🆔:X3tyuUEE


#667 [ひとり]
見つめ合ったままで暫く呆けた俺達は、次のノックで我に返った。

ドンドンドン

これは不味い。何が不味いって、誰も来やしないという過信から、鍵をかけていないのが不味い。そして、三田さんの格好が不味い。それは本人も重々承知の事だったようで、三田さんは慌ただしくベルトを締めながら、素早く便座から立ち上がる。すると膝が俺の顔面にクリーンヒット。

「痛っ!!!!」

たまらず立ち上がると、今度は俺の後頭部が三田さんの顎に見事に決まった。

「「痛だッッ!!!!」」

密室の俺達はてんやわんやだ。

「ねぇー何してんのー?」

外の声は、こちらの様子を完全に訝しんでいる。

⏰:10/04/20 00:14 📱:F01B 🆔:X3tyuUEE


#668 [ひとり]
「もー本当に平気ぃ?開けるよ?」

やばい、やばいぞ、これはやばいッッツ!!!!!!

あの時の様子ったら、スローモーションで鮮明に思い返せる。

ガチャリと音を立てて回ったノブ。

素早く便座の蓋を上げしゃがみ込んだ三田さん。

俺もそれに習って瞬時にポージングを決めた。

キィ──・・

弱く鳴った扉が外に向けて開かれるのを背中で感じた。

⏰:10/04/20 00:23 📱:F01B 🆔:X3tyuUEE


#669 [ひとり]
「ゲェェェ・・ウッ・・・・ォ・・ウエェェエ・・ウブッッ・・げほっ、がっ、ぺっ」

「何、まだ吐いてんの?」

扉の先に立っていたのは、予想通りアキ。

「あぁ、うん」

俺は背中をさすりながらアキを見て頷いた。

「皆が心配して様子見て来いって」

三田さんは後ろ姿で、無言で手だけ上げて見せる。

「もう少ししたら戻るからって謂っといてくれ」

「・・・わかった」

了承したアキは、今来た廊下を戻って行った。

あ、危ねぇ・・・・

⏰:10/04/20 00:29 📱:F01B 🆔:X3tyuUEE


#670 [ひとり]
「ウッ・・・ブフッツ・・オゲェェエ!!!!」

三田さんは余念がない。アキの気配が完全に消えるまで、暫く演技を続けた。

「・・・・・行った?」

「はい、ご苦労様です」

「おう」

「どうします?」

「んーお前先戻っといて」

「分かりました」

⏰:10/04/20 08:45 📱:F01B 🆔:X3tyuUEE


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