triangle
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#7 [ロー]
ふいにトンネルが暗くなった。人の気配を感じ、入口のほうに顔を向ける。


「あー!いっけないんだー!」

「げ、みき・・・」

入口から記憶の中の女の子の面影がまだ少し残った、しかめっ面が覗きこんでいた。
慌てて煙草を消そうとし、止めた。もう遅い。開き直ってまた吸う。
「なんだよ?」

煙りを吐き出しながら、めんどくさそうに聞いた。
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⏰:09/12/08 05:24 📱:SH706iw 🆔:QUKbDSK2


#8 [ロー]
「なによ〜その言い方」

みきはわざとらしく膨れてみせ、それから何か思いついた悪戯っ子のような笑顔を俺に向けた。その笑顔がさっきの記憶と微かにシンクロし、眩しい。




「おばちゃんに言いつけてやるっ」
そう言ってみきは逃げるように、駆け出した。
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⏰:09/12/08 05:31 📱:SH706iw 🆔:QUKbDSK2


#9 [ロー]
「ちょっ、待てっ―」


慌てて煙草の火を消し、吸い殻でぱんばんの携帯灰皿に無理矢理捩込んだ。
お袋にバレたら厄介だ。俺を家に連れ戻し兼ねない。いまだに俺の寮暮らしに、お袋は賛成していないのだ。

みきを追いかけようと、勢いよく立ち上がった。

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⏰:09/12/09 03:56 📱:SH706iw 🆔:9KcFFt.g


#10 [ロー]
ゴンッ!


「―っ痛ぇ!」

トンネルの中に大きな音と俺の声が響き渡り、こだまする。
トンネルの穴は直径1mほどしかない。当然立ち上がれる訳はなく、俺は頭をぶつけたのだった。

⏰:09/12/09 16:47 📱:SH706iw 🆔:9KcFFt.g


#11 [ロー]
頭を抑えるとズキッと痛い。

そういえば、昔よくみきがここで頭をぶつけて泣いていたっけ。俺は心配なんだんだけど、餓鬼だから笑うしかできなくて。
「馬鹿だ〜」
俺に笑いながらそう言われたみきは、更に泣いて。だけど優しい兄貴がみきをなだめて、笑わせる。

いつだってみきを泣かせるのは俺で、みきを笑顔にするのは兄貴だった。

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⏰:09/12/09 17:44 📱:SH706iw 🆔:9KcFFt.g


#12 [ロー]
チャプター2:兄貴










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⏰:09/12/10 05:35 📱:SH706iw 🆔:c0SLpP7g


#13 [ロー]
赤ちゃんがするようなはいはいの状態でのろのろとトンネルから出る。まだ頭がズキズキと痛んでいた。
外に出ると辺りは思った以上に暗くなっていた。いったい何時間トンネルの中にいたのだろう?
冷たく強い風が頬を突き刺す。

公園の入口にみきを見つけた。植え込みの段差に軽く腰かけ俺を待っていた。何か口ずさんでいるようだった。口から白い息がもれている。

⏰:09/12/10 10:03 📱:SH706iw 🆔:c0SLpP7g


#14 [ロー]
みきは顔をあげ俺が近づいてきたのが分かると立ち上がり笑った。

「早く帰ろっ!みんな待ってるよ」



どうやら本気で告げ口する気はないらしい。




みきと並んで公園を出て、家に向かう。会話はない。横でみきが楽しそうに口ずさむのを黙って聞いていた。

⏰:09/12/10 10:08 📱:SH706iw 🆔:c0SLpP7g


#15 [ロー]
「あっ、しゅんくん!」

ちょうど家に着きかけた時、向かい側から背がすらっと高いブレザー姿の高校生が歩いてきた。兄貴だ。みきが嬉しそうに駆け寄る。


「りょーすけ捕まえてきたよっ」

「俺は動物かつーの」

みきの表現に思わず突っ込む。

⏰:09/12/10 11:16 📱:SH706iw 🆔:c0SLpP7g


#16 [ロー]
「だってえ」
みきが笑う。

「おまえがちゃんと帰ってこないからだよ」
みきをフォローするように兄貴が言った。
兄貴はもう目の前まで来ていた。

確かに、わざと俺は家に帰る時間を遅くしていた。みきと顔を合わせるのをさけていたのだ。
みきは家がすぐ隣のいわゆる幼なじみで、両親が共働きで家に帰ってくるのが遅いため、小さい時からうちで夕食を食べていた。

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⏰:09/12/10 11:24 📱:SH706iw 🆔:c0SLpP7g


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