triangle
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#1 [ロー]
のんびり更新します。
途中で投げ出すことは
ありえません。
よろしくお願いします。

⏰:09/12/08 03:48 📱:SH706iw 🆔:QUKbDSK2


#2 [ロー]
チャプター1:遠い記憶













「みきね、おっきくなったらしゅんくんのお嫁さんになるのっ」

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⏰:09/12/08 03:49 📱:SH706iw 🆔:QUKbDSK2


#3 [ロー]
そう言って君は笑った。








ポケットから煙草を取り出し火をつける。冷たい空気と一緒に深く煙を吸い、吐き出す。メンソールと苦さが口一杯に広がった。
幼いころよく3人で遊んだあひる公園。そこの大きな滑り台にあるトンネルの中に俺はいた。
久しぶりに来たあひる公園は夕方の少し遅い時間とあって、人影はない。

⏰:09/12/08 03:59 📱:SH706iw 🆔:QUKbDSK2


#4 [ロー]
あの日もそう、確か夕方だった。今みたいに公園に人影はなく、俺たちふたりだった。いつも3人一緒だったのに、何故かその時は兄貴がいなくて。場所はここ。俺がちょうど今座っているこのトンネルの中だった。

また遠い記憶に思いをはせる。









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⏰:09/12/08 05:03 📱:SH706iw 🆔:QUKbDSK2


#5 [ロー]
「しゅんくんには、ないしょねっ?」
そう続けて君はまた笑った。




その笑顔が眩しくて、なんだか悔しかった。そして腹が立った。

今思えばそれが嫉妬だと想像がつく。幼いながら、好きだったのだ、と思う。

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⏰:09/12/08 05:08 📱:SH706iw 🆔:QUKbDSK2


#6 [ロー]
だけどまだ幼い俺は、その苛立ちをそのままぶつけることしかできなかった。
記憶が曖昧で思い出せないが、なにかひどいことでも言ったのだろう。
幼稚園の時の記憶なんて、そう鮮明に覚えてるわけがない。



ただ、あの時の君のあの笑顔だけは鮮明に覚えている。

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⏰:09/12/08 05:16 📱:SH706iw 🆔:QUKbDSK2


#7 [ロー]
ふいにトンネルが暗くなった。人の気配を感じ、入口のほうに顔を向ける。


「あー!いっけないんだー!」

「げ、みき・・・」

入口から記憶の中の女の子の面影がまだ少し残った、しかめっ面が覗きこんでいた。
慌てて煙草を消そうとし、止めた。もう遅い。開き直ってまた吸う。
「なんだよ?」

煙りを吐き出しながら、めんどくさそうに聞いた。
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⏰:09/12/08 05:24 📱:SH706iw 🆔:QUKbDSK2


#8 [ロー]
「なによ〜その言い方」

みきはわざとらしく膨れてみせ、それから何か思いついた悪戯っ子のような笑顔を俺に向けた。その笑顔がさっきの記憶と微かにシンクロし、眩しい。




「おばちゃんに言いつけてやるっ」
そう言ってみきは逃げるように、駆け出した。
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⏰:09/12/08 05:31 📱:SH706iw 🆔:QUKbDSK2


#9 [ロー]
「ちょっ、待てっ―」


慌てて煙草の火を消し、吸い殻でぱんばんの携帯灰皿に無理矢理捩込んだ。
お袋にバレたら厄介だ。俺を家に連れ戻し兼ねない。いまだに俺の寮暮らしに、お袋は賛成していないのだ。

みきを追いかけようと、勢いよく立ち上がった。

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⏰:09/12/09 03:56 📱:SH706iw 🆔:9KcFFt.g


#10 [ロー]
ゴンッ!


「―っ痛ぇ!」

トンネルの中に大きな音と俺の声が響き渡り、こだまする。
トンネルの穴は直径1mほどしかない。当然立ち上がれる訳はなく、俺は頭をぶつけたのだった。

⏰:09/12/09 16:47 📱:SH706iw 🆔:9KcFFt.g


#11 [ロー]
頭を抑えるとズキッと痛い。

そういえば、昔よくみきがここで頭をぶつけて泣いていたっけ。俺は心配なんだんだけど、餓鬼だから笑うしかできなくて。
「馬鹿だ〜」
俺に笑いながらそう言われたみきは、更に泣いて。だけど優しい兄貴がみきをなだめて、笑わせる。

いつだってみきを泣かせるのは俺で、みきを笑顔にするのは兄貴だった。

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⏰:09/12/09 17:44 📱:SH706iw 🆔:9KcFFt.g


#12 [ロー]
チャプター2:兄貴










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⏰:09/12/10 05:35 📱:SH706iw 🆔:c0SLpP7g


#13 [ロー]
赤ちゃんがするようなはいはいの状態でのろのろとトンネルから出る。まだ頭がズキズキと痛んでいた。
外に出ると辺りは思った以上に暗くなっていた。いったい何時間トンネルの中にいたのだろう?
冷たく強い風が頬を突き刺す。

公園の入口にみきを見つけた。植え込みの段差に軽く腰かけ俺を待っていた。何か口ずさんでいるようだった。口から白い息がもれている。

⏰:09/12/10 10:03 📱:SH706iw 🆔:c0SLpP7g


#14 [ロー]
みきは顔をあげ俺が近づいてきたのが分かると立ち上がり笑った。

「早く帰ろっ!みんな待ってるよ」



どうやら本気で告げ口する気はないらしい。




みきと並んで公園を出て、家に向かう。会話はない。横でみきが楽しそうに口ずさむのを黙って聞いていた。

⏰:09/12/10 10:08 📱:SH706iw 🆔:c0SLpP7g


#15 [ロー]
「あっ、しゅんくん!」

ちょうど家に着きかけた時、向かい側から背がすらっと高いブレザー姿の高校生が歩いてきた。兄貴だ。みきが嬉しそうに駆け寄る。


「りょーすけ捕まえてきたよっ」

「俺は動物かつーの」

みきの表現に思わず突っ込む。

⏰:09/12/10 11:16 📱:SH706iw 🆔:c0SLpP7g


#16 [ロー]
「だってえ」
みきが笑う。

「おまえがちゃんと帰ってこないからだよ」
みきをフォローするように兄貴が言った。
兄貴はもう目の前まで来ていた。

確かに、わざと俺は家に帰る時間を遅くしていた。みきと顔を合わせるのをさけていたのだ。
みきは家がすぐ隣のいわゆる幼なじみで、両親が共働きで家に帰ってくるのが遅いため、小さい時からうちで夕食を食べていた。

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⏰:09/12/10 11:24 📱:SH706iw 🆔:c0SLpP7g


#17 [ロー]
「よっ、りょーすけ。おかえり」

兄貴改めて、という感じで俺に向かって言った。

「おぅ」

俺は小さく頷き俯いた。


「早く中入ろー。寒い!」
みきが言った。

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⏰:09/12/10 11:35 📱:SH706iw 🆔:c0SLpP7g


#18 [ロー]
兄貴の視線が俺からみきの方に向かったのを感じ、顔を上げた。

久しぶりに見た兄貴は少し茶色がかった髪が伸び、パーマをかけていた。ふわふわとした猫っ毛から、左耳の小さめの丸くて黒いピアスが覗いている。
すらっと伸びた長身に、今流行りの細マッチョ。
顔も綺麗に整っていて、切れ長の目はどこか優しげに、みきを映していた。


弟の俺から見ても、兄貴はかっこいい。

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⏰:09/12/10 11:40 📱:SH706iw 🆔:c0SLpP7g


#19 [ロー]
「ただいま」

玄関を開けると懐かしい匂いがした。俺が最初に中に入り、リビングに向かって声をかけた。兄貴と、その後ろからみきも当たり前のように続いた。



「りょーすけ?おかえり〜でもあんた帰ってくるならもっと早く−」

母さんがパタパタとスリッパの音をたて、中から出てきた。

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⏰:09/12/10 11:49 📱:SH706iw 🆔:c0SLpP7g


#20 [ロー]
母さんは、一緒に帰ってきた兄貴とみきを見つけ言葉を切った。

「あら、しゅんすけ、みきちゃん。おかえり。すぐご飯だから」

「おぅ」
「は〜い」

兄貴とみきが同時に答え一直線にリビングに入っていった。
俺はひとり自分の部屋に向かうため、階段を上がろうとした。

「ちょっと、りょーすけ」

母さんが俺を呼び止めた。

⏰:09/12/10 11:53 📱:SH706iw 🆔:c0SLpP7g


#21 [ロー]
「ご飯は?」


「食べてきた」


俺はそう言うと階段を上りはじめた。
「もう、せっかくりょーすけの好きなお寿司取ったのに・・・」

階段の下から母さんがぶつぶつ言いながらリビングに入っていく音が聞こえた。


部屋に入ると電気もつけず、布団に潜り込んだ。
部屋は毎日母さんが掃除してくれているらしく、綺麗に片付いていた。

⏰:09/12/11 16:09 📱:SH706iw 🆔:FOLbtINk


#22 [ロー]
寝ようとしたが、空腹で目が覚めている。食卓にならぶ寿司を想像して、さっき食べてきたと嘘をついたことを後悔した。
しかし、空腹感は下から聞こえてきたみきと兄貴の大きな笑い声のおかげで、萎んで消えた。




二人が一緒にいる空間に居合わせるのが何より嫌だった。

⏰:09/12/11 16:09 📱:SH706iw 🆔:FOLbtINk


#23 [ロー]
チャプター:歪んだ三角形









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⏰:09/12/11 21:46 📱:SH706iw 🆔:FOLbtINk


#24 [ロー]
物心つく前から、まるで兄妹のように育った3人。
いつも何をするにも3人一緒だった。
いつまでも当たり前に変わらないと思っていた―。




しかし俺たちの関係は小学校の高学年に上がったころ、少し歪みはじめた。

⏰:09/12/12 03:28 📱:SH706iw 🆔:L39.a5d6


#25 [ロー]
たとえ兄妹のように育ったとしても、本当に血が繋がってたいるわけではない。れっきとした男と女だ。むしろそうなることはすごく自然なことだった。
少しずつ、3人一緒ではなくみき独占したいと思う自分に気づいてしまった。
好きになっていた。

そう自覚するようになってから、兄貴のみきを見る目も俺と同じことに気づいてしまった。

⏰:09/12/12 03:29 📱:SH706iw 🆔:L39.a5d6


#26 [ロー]
そしてみきの気持ちにも。

みきは昔から兄貴が好きだと言っていて、だけど歳があがるにつれ言わなくなった。

子供の憧れがちゃんとした恋愛感情変わったのを自覚したのだろう。

いつも3人一緒だからこそ感じてしまった些細な変化に俺は堪えきれなかった。

そして逃げた。

⏰:09/12/12 03:37 📱:SH706iw 🆔:L39.a5d6


#27 [ロー]
みきと一緒に入学するはずだった兄貴のいる公立の中学には入学せず、遠く離れた県外の全寮制の中学に入学した。その中学はサッカーの全国大会に、毎年名を連ねる強豪校で、幸い俺は小さいころからしていたサッカーが口実となった。

⏰:09/12/12 03:39 📱:SH706iw 🆔:L39.a5d6


#28 [ロー]
ガチャ。


ドアの開く音がして目が覚めた。
俺はいつの間にか眠っていた。

⏰:09/12/12 03:41 📱:SH706iw 🆔:L39.a5d6


#29 [ロー]
ドアは少し開けられていて、その隙間から誰かがこっちを見ている。
部屋が暗いので影になっているが、長いくるくるした髪で、それがみきだとわかる。

「みき?」



俺は体だこ起こし、ベッドの脇のテーブルにおいてあったリモコンで電気をつけた。

⏰:09/12/12 03:50 📱:SH706iw 🆔:L39.a5d6


#30 [ロー]
「ごめん、起こしちゃった?」

みきは部屋には入らず、ドア隙間から体を半分だけ出して聞いた。


「いや、寝るつもりなかったし」

「そう。あ、私そろそろ帰るね」

時計を見ると、もう12時を回っていた。
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⏰:09/12/12 03:54 📱:SH706iw 🆔:L39.a5d6


#31 [ロー]
「送っ―」

―送るよ。
そう言おうとして、やめた。
ドアの隙間からみきの頭越しに、上着を着ている兄貴が見えた。




「じゃあ、また明日ね。おやすみ」
「・・・おぅ」



バタン。
ドアが閉まり、去って行く足音が聞こえた。みきと兄貴の二人分の足音が・・・。
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⏰:09/12/12 03:59 📱:SH706iw 🆔:L39.a5d6


#32 [ロー]
急に虚しさが襲った。
何も考えないように、また寝ようとしたが、目が覚めている。空腹感もさっきより増し、蘇ってきた。

俺は飛び起き、一階に降りた。





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⏰:09/12/12 04:08 📱:SH706iw 🆔:L39.a5d6


#33 [ロー]
リビングには誰もいなかった。時間を考えれば当たり前のことだった。

何か食べる物はないかとしばらく探してみたが、何もない。寿司が残ってるのでは、と期待したが甘かった。

「―ちっ」

寒いから気が進まないが、空腹を我慢するよりはましだと考え直し、コンビニまで行くことにした。
リビングを出て玄関に向かう。


ガチャ。

「あ」

⏰:09/12/14 02:35 📱:SH706iw 🆔:KGTJhD/I


#34 [ロー]
俺が靴を履いているどちょうど、兄貴が帰ってきた。

「あれ、出かけんの?」

「ああ、腹減ったから飯買ってくる」
俺はすぐ頭を下げ視線を靴に戻し、兄貴を見ずに答えた。

―今帰ってきたのかよ。
と、言いかけてやめた。

みきの家はすぐ隣にある。田舎なので100メートルほど離れてはいるが、往復でも5分はかからない。
しか二人が出て行ってからすでに、30分は経過していた。

⏰:09/12/14 02:44 📱:SH706iw 🆔:KGTJhD/I


#35 [ロー]
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「俺も行く」
一瞬間を空き、兄貴が言った。

⏰:09/12/14 02:48 📱:SH706iw 🆔:KGTJhD/I


#36 [ロー]
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チャプター4:兄弟





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⏰:09/12/14 03:42 📱:SH706iw 🆔:KGTJhD/I


#37 [ロー]
「寒っ」

コンビニまでの道を二人並んで歩きながら、兄貴が呟いた。

家からコンビニまでは自転車で10分、歩いたら30分くらいはかかる。
俺たちは何となく歩いくことにした。



「おまえさー」
寒そうにポケットに両手をつっこみ、目を細めて俺の足から頭のてっぺんまで眺めるようにして見て、兄貴が言った。
「背、伸びたよね」
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⏰:09/12/14 03:52 📱:SH706iw 🆔:KGTJhD/I


#38 [ロー]
「そうか?」

「今何センチあんの?」

「176」

「まぢ?去年は172って言ったぜ」

「そーだっけ?」

「うん。・・・そういえば、一年ぶりだよな!おまえ帰って来なさすぎだから!」

「部活あったしな・・・中々帰ってこれねえんだよ」

―これは嘘だ。

確かに部活は厳しくて毎日練習だ。だけど春休みや夏休みには3日くらいの休みはあった。帰って来よう思えば帰ってこれた。
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⏰:09/12/14 04:50 📱:SH706iw 🆔:KGTJhD/I


#39 [ロー]
「でもおまえ、もう引退しただろ?」

「したよ。だけど受験ないし、上あがるだけだから、高校もサッカー部入る奴は、練習強制なんだよね」


俺の学校は中学、高校、大学とエスカレーター式に、試験なしで進める。勿論、よっぽど成績が悪くなければの話だけど、そんな奴はまずいない。

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⏰:09/12/14 05:00 📱:SH706iw 🆔:KGTJhD/I


#40 [ロー]
少し間を空け、兄貴が聞いた。
「じゃあ、今回もすぐあっち帰るの?」

「ああ。3日から練習始まるし、年が明けたらすぐ帰るよ」

「まじかー」




また沈黙。
辺りは真っ暗で10メートルごとに、均一に並ぶ街灯の灯かりだけを頼りに歩いていた。
もう半分くらいは来ていた。

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⏰:09/12/16 03:13 📱:SH706iw 🆔:qdFCa2uY


#41 [ロー]
「おまえさー」
沈黙を破るように、兄貴がまた話しはじめた。
「やっぱりそのまま高校上がるの?」

「うん。受験めんどーだしな」

「おまえも南高校来たらいいじゃん」


南高校は兄貴が通っている高校だ。地元で1番頭のいい進学校だった。
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⏰:09/12/16 03:18 📱:SH706iw 🆔:qdFCa2uY


#42 [ロー]
「やだよ。南高サッカー部超弱いじゃん」

「確かに。この弱さはヤバイ」

そう言って兄貴が笑った。兄貴もサッカー部だ。
南高は進学校なので、部活にはあまり力を入れていない。
入学したての兄貴が、よく愚痴っていたのを思い出した。

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⏰:09/12/16 03:25 📱:SH706iw 🆔:qdFCa2uY


#43 [ロー]
−おまえも南高来たらいいじゃん。

ふと、さっき兄貴が言った『おまえも』という表現が気になった。

「おまえもって?」


一応聞きいてみるが、だいたい想像はつく。

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⏰:09/12/16 03:29 📱:SH706iw 🆔:qdFCa2uY


#44 [ロー]
「うーん・・・」
兄貴はこっちを見ずに言った。
「みきも来るんだ」





「へえ」

想像通りの答えに、少し戸惑いながらも、さも関心がないという風に言った。
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⏰:09/12/16 03:32 📱:SH706iw 🆔:qdFCa2uY


#45 [ロー]
そこでふいに、あることを思い出して聞いた。
「みきって南高行けるの?」

みきは決して、頭がいいとは言えない。どちらかと言えば、悪い方に入ると思う。みきが進学校の南高を受けることは、無謀な挑戦にしか思えなかった。

「はは。確かにに厳しいよ?だけど頑張ってる」

兄貴はそう答えながら、目を細め優しい顔をした。
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⏰:09/12/16 03:39 📱:SH706iw 🆔:qdFCa2uY


#46 [ロー]
この顔だ、と思う。この兄貴がみきを見る時、みきを思う時に見せる、この目を細めて優しい顔、この顔が俺は大嫌いだった。

「塾とか行ってんの?」

「いや、俺が勉強見てる。家庭教師ってやつ」
そう言って、兄貴がまた目を細めた。
「絶対、受からせるよ」


醜く汚いドロドロとした感情が、自分の中に流れるのを感じた。

⏰:09/12/16 04:57 📱:SH706iw 🆔:qdFCa2uY


#47 [ロー]
そう言い切る、兄貴が憎いと思った。
俺が黙っていると、兄貴がまた話し始また。

「おまえがまたあっちの高校行くって聞いたら、みき淋しがるだろ―」
「そんなわけないじゃん」
兄貴が言い終える前に、俺は兄貴を見ず、冷めた声できっぱりと言い切った。
兄貴はもうそれ以上は、何も言わなかった。

そうだ、そんなはずはない。
俺は自分に言い聞かすように、また心の中で繰り返した。

みきは俺がいなくても、兄貴がいれば淋しいはずがない。


―――いつまでも3人一緒じゃいられない。
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⏰:09/12/16 05:02 📱:SH706iw 🆔:qdFCa2uY


#48 [ロー]
再び沈黙の時間が流れる。
もう遠くの方に、無駄に明るいコンビニの明かりが見えていた。


「おまえさー」
再び沈黙を破るように、兄貴が口を開いた。
三度目だ、とぼんやり思いながら煙草に火をつけ、続く言葉を待った。
今回は今まで以上に間を空け、兄貴が続けた。





「―――みきのこと好きだろ?」
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⏰:09/12/16 05:03 📱:SH706iw 🆔:qdFCa2uY


#49 [ロー]
「え?」

びっくりして煙草を落としかけた。急いで兄貴を見る。兄貴はまっすぐ前を向き、こっちを見ていない。
何となく、最初から兄貴は俺にこれが聞きたかったのだ、という気がした。

「そんなわけないだろ?」

俺は何とか冷静さを保ち、笑いながら答えた――つもりだったが、自分でも笑えていないのがわかった。
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⏰:09/12/16 05:05 📱:SH706iw 🆔:qdFCa2uY


#50 [ロー]
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「俺も好きだよ」

そんな俺を無視し、兄貴がこっちをまっすぐ見て言った。

――そんなことは知っている。兄貴がみきを好きなこと、そして俺に遠慮して告白しないでいることを、俺は知っている。







「――俺、彼女いるし」

俺をまっすぐに見つめる、兄貴の目に全てを見透かされているような気がして、俺は思わず呟いていた。
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⏰:09/12/16 05:07 📱:SH706iw 🆔:qdFCa2uY


#51 [ロー]
「え?」

兄貴の目が大きく見開いた。


「だから!彼女いんの!みきのことなんか、女として見てねーし!」
見透かされている気がして、思わずいっきに嘘を並べていた。次から次へと本心と掛け離れた言葉が飛び出し、止まらない。
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⏰:09/12/16 05:08 📱:SH706iw 🆔:qdFCa2uY


#52 [ロー]
「・・・嘘――だよな?」

兄貴が顔を歪ませ、確認するように呟いた。自分のせいで弟が虚しい嘘をついている、そんな顔に見えた。
気づくと俺はまた嘘をついていた。

「あっ、今度紹介するわ!うん。春休み家連れてく!」



言ってしまってから、誰を紹介するんだ?と後悔した。もちろん彼女なんていないし、そんなことを頼める女友達もいない。
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⏰:09/12/16 05:11 📱:SH706iw 🆔:qdFCa2uY


#53 [ロー]
「そうだったんだ」
兄貴が呟くように言った。

「そーいや、言ってなかったよな!超可愛いゼ。楽しみにしてて!」
もう俺は開き直り、やけくそになって言った。



気づくともうコンビニが、目の前に来ていた。
兄貴が急に立ち止まったので、俺も立ち止まり兄貴を見た。
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⏰:09/12/16 05:14 📱:SH706iw 🆔:qdFCa2uY


#54 [ロー]
「俺さ、みきが南高合格したら、告白するつもりだから」

「え?」

兄貴の言葉に頭が真っ白になった。もう嘘は出てこなかった。

それだけ言うと、兄貴は俺の方は見ず、コンビニの扉を開け、中に入っていった。

俺は呆然とその場に立ちつくした。


―――いつまでも3人一緒じゃいられない・・・・。

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⏰:09/12/16 05:16 📱:SH706iw 🆔:qdFCa2uY


#55 [ロー]
▼休憩

こんばんわ。ローです。
チャプター4も終わったところで、感想板を作ってみました。
こちらの本編は読みやすいようにオーダーしていて、書き込めないようにさせてもらっています。
なので、もし読んで下さっている方がいましたら、感想板の方に遊びに来ていただけると、嬉しいです(^^*)

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/4641/

よろしくお願いします

⏰:09/12/16 05:23 📱:SH706iw 🆔:qdFCa2uY


#56 [ロー]





チャプター5:合コン









⏰:09/12/16 06:59 📱:SH706iw 🆔:qdFCa2uY


#57 [ロー]
兄貴の衝撃的な告白と宣言から実家での4日間、俺はますますふたりを避けるようになった。
兄貴はまるで何も言わなかったかのようにしたので、俺も何も聞かなかったことにした。





そして1月3日、俺は寮に戻ってきた。
_

⏰:09/12/19 17:48 📱:SH706iw 🆔:fYq7rvpg


#58 [ロー]
「で、どーだった?」

年明け一発目の練習で、俺を見つけた田中大輔が真っ先に聞いてきた。

「何が?」

普通あけおめとか言うんじゃねーの?っていうありきたりのツッコミを引っ込め、あえて無関心に答えてみた。
大輔のやたらと気に障る満面の笑みで、こいつが何を聞きたいのかは、十分すぎるほど予測はできた。だけど無視する。単にむかつくから。

⏰:10/01/16 21:56 📱:SH01B 🆔:cWI1.GME


#59 [ロー]
「もお!わかってるくせに〜」

わざと頬をふくらませてみせる大輔を殴りたい衝動を押さえつつ、やっぱりスルー。

それにしてもよく喋れるなと思う。今、俺と大輔は二人一組でペアになってストッチ中だ。

俺の背中合わせで上になり、背中を伸ばしながら大輔は続けた。


「みきちゃんだよ!何か進展あった?」

⏰:10/01/21 00:06 📱:SH01B 🆔:OLdjix/w


#60 [ロー]
やっぱり予感的中。
大輔は俺が実家に帰る度にこの質問をしてくる。
大輔とは1年の時からずっと同じクラスで、寮でも同じ部屋だ。性格は全く似ていないが、何となく気が合って、みきのことも兄貴のことも、大輔にだけは話していた。
大輔はみきと兄貴を知らないから、話しやすいというのもあった。

一瞬兄貴の告白のことを言うか言わまいか悩んだか、止めた。なんとなく。
「・・・・別に」

⏰:10/01/21 00:08 📱:SH01B 🆔:OLdjix/w


#61 [ロー]
「あ!なんだよその間?」

今度は俺が上になる番だったのに、急に大輔は振り向いて興味深々に目を輝かせた。


「なんもねーよ」


ぶっきらぼうに答えると、また大輔は頬をふくらませてみせた。
今度もやっぱりスルーで。

⏰:10/01/21 00:10 📱:SH01B 🆔:OLdjix/w


#62 [ロー]
「ストレッチ終わったか〜?」

ちょうどその時、練習開始時間から30分も遅れて湯川コーチがグランドに現れた。

「湯川ちゃん、おせーよ!」

大輔は俺のスルーにもめげず、頬を膨らませ続けていたが、湯川コーチの方を振りかえって文句をたれた。

「あ、悪りぃ」

全く悪いとは思っていないであろう笑顔で、湯川コーチは軽く答えた。腹が立つほどの爽やかさで。

⏰:10/01/21 00:12 📱:SH01B 🆔:OLdjix/w


#63 [ロー]
「ぢゃあ監督まだ来ないし、とりあえず外周でもするか。そーだな・・・」

湯川コーチはそこで言葉を切り、わざとらしく考えるような素振りをしてみせた。

「20週とか挑戦してみるか!」

1、2年生の集団のあちこちから小さなブーイングがもれる。

⏰:10/01/22 21:34 📱:SH01B 🆔:ZBvTVIA.


#64 [ロー]
「え、足りないって?」

湯川コーチが笑顔で続けた。
「おまえらチャレンジャー!ぢゃあ30週!」


今度はみんな声を失った。俺たちの通常の練習メニューでは外周10週だ。それだけでも十分きついのにその3倍。
湯川コーチは楽しくて仕方がない、といった顔だ。その顔を見て、俺は絶対初めからこのつもりだったのだと確信した。

⏰:10/01/22 21:36 📱:SH01B 🆔:ZBvTVIA.


#65 [ロー]
「湯川ちゃん、休み明けにそらねーよ!」

ほとんど諦めながらも大輔が一応の反発をしてみせた。
みんながほんの僅かな期待を込めて、湯川コーチの方を一斉に見た。


「休み明けだからこそ、だよ。」

問答無用といった感じで湯川コーチが答えた。最高の笑顔で。

⏰:10/01/22 23:35 📱:SH01B 🆔:ZBvTVIA.


#66 [ロー]
「出た、ドS・・・」
隣で大輔が呟いた。おそらく、このグランドにいる全員が同じことを、頭の中で呟いているのは間違いない。


湯川コーチはいつもこんな感じだ。俺らを扱くことが生きがいとでもいうかのようで、一度言ったことは決して曲げることはない。
高校生の時に、海外の大学の、サッカーをやってるやつなら誰もが憧れるようなクラブチームから、オファーを受けていたというくらいだから、コーチとしては最高なんだけど。
練習以外でもいろんな相談にものってくれるし、みんなの頼れる兄貴って感じで、なんだかんだ言いながらみんな湯川コーチを慕ってるし、尊敬している。

⏰:10/01/22 23:37 📱:SH01B 🆔:ZBvTVIA.


#67 [ロー]
「つかりた〜」

練習終了後、部室に入るや否や大輔が叫びドアの前に倒れこんだ。
結局あの後、俺たちは外周30週という未知なる世界に挑まされ、みんなが立派に走り終えてみると、それをさせた張本人の湯川コーチからは「え、まぢで走ったんだ。やっぱ人間に限界はねぇーな!」と爽やかに言われ、みんな人間には我慢の限界というものがあることを確信し、しかしその後も繰り返される湯川コーチのむちゃ振りに堪え続けた後は、やっぱり人間には限界というものはないのかもな、と悟った。

⏰:10/01/22 23:40 📱:SH01B 🆔:ZBvTVIA.


#68 [ロー]
「おい邪魔だから」

「つめてー!部長に向かってなんてこと言うんだよ?」

「元だろ?元」

俺がそう言うと大輔はしぶしぶ立ち上がり、着替えを始めた。

大輔はこんな性格だけど、意外としっかりしてて、面倒見もよくて、明るくみんなを引っ張るのが上手い。だから部長に選ばれた。正直サッカーは俺の方が上手いけど、俺はそういうのが苦手だから副部長。まあ、面倒だし、なりたくもなかったけど。

⏰:10/01/22 23:44 📱:SH01B 🆔:ZBvTVIA.


#69 [ロー]
「まじ疲れたよな〜」

「ああ」

練習後、大輔とふたりでラーメンを食べに行った寮への帰り道、大輔が呟いた。というか、さっきからこの会話しかしていない気がする。このやり取りの後、無言の時間が流れ、しばらくするとまた大輔が疲れたと言い、俺が同意を示す。

♪〜ネコとアヒルが力を合わせて〜♪♪♪♪♪


急に、パターン化された流れを奇妙な歌がぶち壊した。最近テレビでよく耳にする、某保健会社CMソングだ。

⏰:10/01/27 07:16 📱:SH01B 🆔:fMdzdzIs


#70 [ロー]
「・・・はあ?なんだよ!その着信音!?」

間抜けな歌詞に、ふいをつかれ声が大きくなる。

「いーだろ?これ。超女ウケいいから!いわゆる掴みね。掴み!」

大輔は満面の笑みで得意げに答えた。

・・・くだらない。

俺は呆れながら言った。
「早く出たら?」

⏰:10/02/02 19:25 📱:SH01B 🆔:XoyvE7Nk


#71 [ロー]
音楽はまだ鳴りつづけていた。

「あ、電話、剛志だ。たぶん明日の合コンのことだな。・・・はい、もしもし?」

柴田剛志は俺たちと同じクラスだ。この剛志とあともう一人、細川彰と俺と大輔の4人はよく一緒につるんでいた。

⏰:10/02/02 19:33 📱:SH01B 🆔:XoyvE7Nk


#72 [ロー]
ちなみに俺以外の3人は、最近合コンというやつに嵌まっている。さっき大輔が言っていた"掴み"っていうやつも、合コンのときの話。
"はじめの掴みが大事"
よく大輔が言っている。その割に、みんないまだ1度も彼女を見つけれてないみたいだけど。

俺から言わせれば、知らねえ奴と一緒に飯食って何が楽しいんだか。めんどくせぇ。

⏰:10/02/02 19:40 📱:SH01B 🆔:XoyvE7Nk


#73 [ロー]
俺はみき以外興味がない。だから合コンとか関係ない。
そりゃ俺だって一応年頃の男の子だし、彼女が欲しくないと言えば嘘になるよ?だけどみき以外ならいらない・・・・はずだった。



「は?まじで?・・・おう。じゃ誰か探しとくわ・・・。おう、じゃーな!


「どーしたん?」

⏰:10/02/02 19:42 📱:SH01B 🆔:XoyvE7Nk


#74 [ロー]
電話を切った大輔のあまりにも焦っている様子が気になって聞いた。

「明日の合コン、彰が無理になったらしけてさーひとり足りねえんだ!」

「へー」

何よりも合コンを優先する彰の用事が何だろう?そんなことを考えていると、大輔がまだこっちを見ていた。

「りょーすけ・・・いや、やっぱ無理だよなあ〜。誰か探さねえと!」

大輔は言いかけて、止め、携帯を開き、電話帳を見つめしきりにブツブツ言いはじめた。
大輔が言いかけて止めたのは、俺が合コンとか興味ないのをわかりきっているからだ。というのも、何度か数合わせを頼まれては、その度に俺は即答で断り続けていたからだ。

⏰:10/02/02 19:47 📱:SH01B 🆔:XoyvE7Nk


#75 [ロー]
大輔はまだ携帯と睨めっこをしている。


「俺行こーか?」

いつもなら絶対行かないし、正直気がのらないけど・・春休みに彼女をつれて帰ると大見えをきってしまっていた俺は、結構やけくそになっていた。


「え?」

大輔が携帯から俺に視線を移し、目を見開いた。

「行ってやってもいいよ」

大輔があまりにも信じられないという目で見つめるので、仕方がないからというように俺は言った。

⏰:10/02/02 19:49 📱:SH01B 🆔:XoyvE7Nk


#76 [ロー]
「でも・・お前・・みきちゃん・・合コン・・」

大輔はまだ信じられないといったようにブツブツ言っている。

「いやさ、俺もそろそろ視野広げねーとと思ってさ。・・・やっぱ彼女欲しいし?」

まさか彼女をつれて帰ると大見え切ったとは言えず、俺は適当に言い訳をした。


「まじか!ありがとう!てかよかったあ〜」

大輔は心底安心したように呟いた。

「なに、そんなに数合わせの当てなかったの?」

⏰:10/02/02 19:50 📱:SH01B 🆔:XoyvE7Nk


#77 [ロー]
「そうじゃなくて!」
大輔は俺の質問に大きく首を振り、いっきにまくし立てた。

「お前がいつまでも未練たらしくぐだぐだみきちゃん引きづってるから、心配してたんだよ!いや〜他を見る気になってくれてよかった〜!そうだよ!女なんて星の数よ?俺らまだまだ若いんだから、いろんな女見とかないと!若いうちに一人に絞っちゃって、どーすんのよ?このままだとお前一生童貞よ?童貞!」

大輔はどさくさに紛れて、言いたい放題だ。

⏰:10/02/02 19:52 📱:SH01B 🆔:XoyvE7Nk


#78 [ロー]
・・・そんなこと思ってたのかよ。悪かったな、ぐだぐだ未練たらしくて。だいたいお前も童貞だろ。
とは、言わない。"心配したんだよ!"と言うのが、大輔の本音だとわかったし、ちょっと嬉しかったから。

「・・ありがとな。」
心配してくれて。

言いたいことを言い終え、剛志に俺が行くことを伝える電話をかけている大輔に向かって、小さく呟いた。
聞こえていないのを、わかっていながら。だって面と向かって言うのは照れ臭いから。

⏰:10/02/02 19:57 📱:SH01B 🆔:XoyvE7Nk


#79 [ロー]
こうして俺は人生初合コンに挑むことになった。
適当に女見つけて、適当に話をつけて、彼女の振りでもしてもらい、春休みに家に連れて帰る。そうして兄貴とみきは心起きなくハッピーエンド。
この時の俺は、そうやって軽く考えていた。








.

⏰:10/02/02 19:59 📱:SH01B 🆔:XoyvE7Nk


#80 [ロー]
▼休憩

久しぶりチャプター4.合コン終わりです。まだ合コンのお話にいっていませんが、思ったより長くなってしまったのでここで一旦切らせていただきました。

久しぶりの更新になってしまったので、書き留めていたものをいっきに更新しちゃいました(´ω`)

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/4641/
感想板です。よろしくお願いします(^^*)

⏰:10/02/02 20:06 📱:SH01B 🆔:XoyvE7Nk


#81 [ロー]
なんとなく・・・みきに似ていて、気になったんだ。



チャプター5:合コン当日






.

⏰:10/02/02 20:09 📱:SH01B 🆔:XoyvE7Nk


#82 [ロー]
「剛志です!はじめましてー」

「大輔です!大ちゃんて呼んでね!」

「ども」

人生初合コン。
何がなんだか分からないけど、剛志、大輔に続いて自己紹介とやらをしてみた。途端、剛志、大輔からするどい視線。

「そらねーだろ!りょーすけ!」
「なんかごめんねー。こいつ亮介ね。りょーすけ人見知りだから気にしないで!」

剛志が意味不明に突っ込みを入れ、大輔が意味不明なフォローをいれた。俺、別に人見知りじゃないけどね。

⏰:10/02/18 22:33 📱:SH01B 🆔:/Qz.VmEs


#83 [ロー]
「えー亮介君、緊張してるんだ。かわいい!」

俺の右斜め向かいに座る、やたらケバい女がくすくす笑いながら言った。
明るい茶色の髪をぐるぐるに巻いて、トップは不自然なほど盛り上がっている。

「かっこいいんだから、自信持ちなよー。」

一番遠くに座っている、ちょうど剛志の向かい側のこれまたケバい女が続けた。
汚らしい金髪で、ショートカットだ。やっぱりトップは盛り上がっている。不自然なほどに。

⏰:10/02/28 21:30 📱:SH01B 🆔:wWPD.Ppw


#84 [ロー]
どうしても頭に目がいってしまいそうなのを我慢し、適当に愛想笑いを返す。

今度は女の子のほうが、自己紹介をはじめた。
茶髪がリカで、金髪がゆかり。
それから・・・、ようやくここでもうひとりいたことに気づく。

「あ、・・・香奈です」

香奈は一番端に居心地悪そうに座り、下を向きながら、やっと聞きとれるくらいの声で言った。

⏰:10/02/28 21:31 📱:SH01B 🆔:wWPD.Ppw


#85 [ロー]
どうみても、合コンに来るようなタイプには見えない。数合わせで無理矢理連れてこられたのだろう。
それ以前に、ゆかりとリカの友達にはとても見えなかった。

黒髪のストレートで、もちろんトップは盛り上がってはいない。
前髪を横分けにしている以外、何も手を加えていません、といった感じだ。

「よろしくお願いしま・・・」
「ねえねえ、りょうすけ君てさあ〜」
香奈が最後まで言い終わらないうちに、リカが遮ぎった。
やたらと前のめりになり、リカに話しかけるタイミングを見計らう剛史を無視して。

⏰:10/02/28 21:36 📱:SH01B 🆔:wWPD.Ppw


#86 [ロー]
「彼女とかいないの?」
「え、うん。いてたら、来ないよ。」
「そっか。でも絶対いそうだよね〜」
「そんなことないっしょ」
「彼女つくらない主義とか?」
「・・・まさか」


―どんな主義だよ。

⏰:10/02/28 21:42 📱:SH01B 🆔:wWPD.Ppw


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