太陽と夏の空
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#15 [ラビ]
【俺の過去】
「また上手くなったなぁ〜お前!」
父さんが頭をなでる。
達矢「ボクね、大きくなったらプロ野球選手になるんだ!そして日本一のピッチャーになって…大リーグでも有名な選手になる!」
「そうかぁ、頑張れよ!でもその前に、甲子園があるな☆」
達矢「こうしえん?」
「甲子園はな、日本中の球児の夢の舞台なんだ。父さんも行ったんだぞ!」
:06/08/22 17:21
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#16 [ラビ]
達矢「すごーい!ボクも父さんみたくなれる?」
「なれるさ!お前はすごくいいピッチャーだ!頑張れよ」…
…昨日のことのように思い出される光景。
父さんはいつも優しく俺をなでてくれた。
父さんは愛川高校の出身で、ピッチャーだった。
“強豪 愛川”と騒がれていた時代のエースだ。
もちろん、父さんは甲子園のマウンドにあがったことがある。
:06/08/22 17:28
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#17 [ラビ]
俺はそんな父さんに憧れて野球を始めた。
いつも父さんの後ろにくっついて、ヒマさえあればキャッチボールの相手になってもらっていた。
「よし!今の球はいい球だ!」
俺は父さんに誉めてもらえるのが嬉しくて、夢中になってボールを投げた。
:06/08/22 21:51
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#18 [ラビ]
小学3年になった頃、俺は小学校の野球少年団に入った。
小さい時から野球をしていた俺は、ひときわ目立った存在だった。
…スパーン!!
「ストライク!!バッターアウト!」
わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
「あの子スゴいよ、もうこれで三振10コ目…」
「こんないいピッチャーがいたなんてな…小学生にしては速すぎだろ」
:06/08/22 21:58
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#19 [ラビ]
「なんだっけ、あの子の名前…。あっ坂本達矢クンだって!」
…小学生にしては速すぎる速球に完璧なコントロール。
俺は入団してすぐにエースになった。
「いゃぁ〜達矢!お前はスゴいピッチャーだ!!こんなピッチャー今まで見たことないぞ!ウチの学校の名物だな!」
いつも監督にはそう言われ、父さんも俺も誇らしげに笑ってた。
:06/08/22 22:05
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#20 [ラビ]
“天才”
そう呼ばれていた。
“坂本達矢”
もはや地元で俺を知らないやつはいないと言って良かった。
俺も父さんに近づいているようで嬉しかった。
『早く“こうしえん”に行きたい』
毎日のように思ってたある日のこと。
それは、小学6年生になってからのことだった。
:06/08/22 22:14
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#21 [ラビ]
スパーン!!
「ストライク!!!」
さっきから審判はこの言葉しか叫んでない。
入団してから更に3年が経ち、成長した俺はいつも観客の注目のマトだった。
ざわざわざわ…
「やっぱ坂本クンすごいやぁ!!」
「天才は違うなぁ〜」
そんな言葉を小耳にはさむ。
大会の日なんて特にだ。
だが俺は決して満足なんかしなかった。
贅沢だと思うかもしれないが、違うんだ。
俺が目指しているのは…甲子園。
日本一のピッチャーだ。
:06/08/22 22:27
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#22 [ラビ]
そんな時…。
俺の噂にまじって、気になる話を聞いた。
「いやぁ〜坂本ってスゴいなぁ。天才としか言いようがねぇよ。」
「この辺では坂本が一番なんじゃね?」
ここまではいつもの話。
問題はここからだ。
「あっ!なんかさ、この辺の小学校にスゲェ選手が転校してきたらしぃじゃん??」
…スゲェ選手?
「あ〜知ってる!!なんだっけ名前…えーと…」
:06/08/22 22:39
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#23 [ラビ]
「えーと…オレも忘れたわ(笑)」
…なんだ。名前も知られてないヤツか。
「でもスゴいらしいよな。坂本と張るんでないか?」
…名前も知られてないヤツと一緒にすんなよ。
「いやぁ〜坂本抜かすヤツいんのか?(笑)」
…俺を抜けるワケないだろう。
「確か転校した学校って佐倉小学校だよな?それがさ、その学校の関係者によると…」
:06/08/22 22:47
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#24 [ラビ]
ここから先は覚えてない。
というか、聞いてない。
名前もわからないヤツと俺が張る?
夢がデカい俺だけにそれだけは許せなかった。
天才のプライドは負けを許さない。
いい加減にしろ。
そう思ってその場を後にしたから、話は全部聞かなかった。
:06/08/22 22:53
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