無題【BL】
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#1 [我輩は人間である]
:09/12/21 01:31
:S001
:☆☆☆
#2 [我輩は人間である]
【短編】
季節ピッタリラブレター
:09/12/21 10:50
:S001
:☆☆☆
#3 [我輩は人間である]
12月25日、今日はとくに寒い。
いつもの学校からの帰り道に所々霜がかかっている風景が、もう冬かと感じさせられる。
俺は首に緩く巻いてあるマフラーを口元を覆うように一部上げて歩き出した。
「寒っ」
天気予報のお姉ちゃんは午後は雪が降るとかなんとか言っていたから帰りはそうとう冷え込むとか今年のケーキはブッシュ・ド・ノエルかなとか思いながら誠の家へと歩くスピードを少し上げた。
:09/12/21 11:02
:S001
:☆☆☆
#4 [我輩は人間である]
インターホンを押してしばらくすると鍵が開く音が聞こえたので中に入った。
「お邪魔します」
「おっせーよ」
「うっせーな、部活が長引いたんだよ」
「コウ帰宅部でしょ」
「……………。先に行ってる」
「おう」
誠の部屋がある二階。
漫画がズラーッとある本棚に今日は布がかけてあり少し汚い男文字で『メリークリスマス!』と書かれてるのに少し笑った。
『マ』が『ア』に見えるのは俺の眼が悪いだろうか?
座布団の置かれたところに尻を付けあぐらをかいて座るも落ち着かなかった。
この匂い、部屋中に香る匂いは誠自身の香り。
:09/12/21 11:16
:S001
:☆☆☆
#5 [我輩は人間である]
俺はそっと通学カバンの中にあるプレゼントとカードを意味もなくチェックする。
今日こそ、その時だ。一ヶ月前の返事の時――――。
「おまたせ」
後ろからチョコレートケーキをワンホールの半分だけ持ってきて誠は上機嫌に入ってきた。
「なんで切ってんの」
「んだその目は。食えねぇだろ普通に」
ケーキの上にはお菓子のサンタやトナカイやチョコレートのプレートがぎゅうぎゅう詰めに乗っている。
「観賞用」
机を挟んで俺の正面に座った誠はなんだソレと少し笑いながらケーキを置いた。
:09/12/21 11:28
:S001
:☆☆☆
#6 [我輩は人間である]
ケーキ食べたさに早く食べようと渡されたフォークでふわふわのスポンジに刃を入れると
「あ、ストップストップ!」
「なんだよ………」
「挨拶くらい交わしてから食べようぜ?」
握られてる右手首が熱を帯びて熱くなった。ここらで俺はやっぱり今日言うことは自分自身に背いてない、間違えてない答えだと確信した。
ハッピーメリークリスマスとにこやかに優しい笑顔を俺に向け、俺が言うまで一向に放す気はなさそうなのでメリクリと省略して言ってやったら、よしと言って手首が解放された。
:09/12/21 20:58
:S001
:☆☆☆
#7 [我輩は人間である]
そういう対象として見てない時はよかったが今となればその笑顔も胸を高鳴らせる一つの表情だ。
まだ秋の気配が残っていた。
ちょうど俺たちが掃除当番で、黒板消し綺麗にしたらマックでも行こうって話をしてた。
窓を閉めようと窓に手をかければ肌寒い風が俺を通り抜けるように吹く。
そういえば…
「…今日奢れ」
「え?何いきなり命令口調」
「金がない」
「でも誘うんだ」
財布に小銭三つ四つ位しか入ってない事に気付いて金を無理に要求。誘った時はまだ千円一枚入ってると思ってたけど、昼に購買でパンを大量に買った記憶がすっぽり抜けていた。
「うっさいな、死ね」
「奢ります、奢ります。つかさ……………、」
誠は最終的には俺の我が侭に付き合ってくれる。俺も性格上素直になれないからそこは自覚してもっと柔らかく接しようと思ってたけど、我が侭言おうと悪態つこうと誠はそんな俺を甘やかす。そうなってくると俺もいつしかそんな誠に甘えてしまう。
:09/12/21 22:24
:S001
:☆☆☆
#8 [我輩は人間である]
なかなか聞こえてこない話の続きに俺は顔を向けた。
「つかさ…?」
続きを催促すると机を直しながら何やら躊躇いがちな表情をして誠も俺の方に顔を向けた。
その顔はどこか真剣そうでいつもとは違う雰囲気が俺たちの間に流れた気がした。
「………コウが好きだ」
「……………」
この空気はなんだろう。
躊躇った表情や少し頬が赤くなっているところが、友達としての告白ではないと悟らせた。
「バカな事言ってないで行くぞ」
「……………あはっ、ごめんごめん」
:09/12/21 23:13
:S001
:☆☆☆
#9 [我輩は人間である]
こうしてまた一つ、甘えて逃げた。誠から。
でも誠はやはり何も言わなくて、次の朝には今までと変わらず話したりした。昼も食べて、授業中もなんやかんや喋ったり普段と変わらない。次の日もそのまた次の日も。
俺はそれに混乱した。
逃げたのは自分なのに追いかけて欲しいなんていう我が侭が生まれて、マジな告白だった気がして、意識して……――――。
そうしていつの間にか恋をしていた。
後から出てきたフライドチキンやシチューに夢中になってケーキは余程食べてない。着く前まではケーキで頭がいっぱいだったがやはり次々に目を引くものが出てくるとついついそっちに手がいってしまう。
「ケーキ食わねえの?」
「食う。お腹休ませてるだけ。食うなよ、俺のなんだから」
:09/12/23 02:16
:S001
:☆☆☆
#10 [我輩は人間である]
「食べたら殺されるの知ってるから食べねえよ」
そう言いながら立ち上がり机の引き出しから洒落た袋を手にして俺に差し出す。
「今回は期待していいぞ!」
何故か自慢気な表情にハテナマークを浮かばせながら受け取った。
袋から出して丁寧にラッピングされた紙も我ながら無惨に破り取ると中から出てきたのはシルバープレートのキーホルダー。
「これだけ?」
「ヒドッ!まあまあこっち側見てみ」
俺の隣に座ってチェーンに繋がれたプレートをひっくり返すとローマ字で俺の名前が刻まれていた。
「世界に一つしかないって思えば少し感動しない?」
:09/12/23 02:40
:S001
:☆☆☆
#11 [我輩は人間である]
「んー…なんかお前らしいって感じ」
「答えになってないし。じゃ、次コウ」
唇を少し尖らせ拗ねたような表情を見せた。なんか可愛い。
ってかそんな事よりどうしよう。
余裕が全くない。プレゼントとかすぐそこに届く位置にあるけど渡したそのあとが怖くてなかなか手が出せなかった。
「いただきっ」
鞄に視線を送っているばかりの俺にしびれを切らした誠はヒョイと取ってファスナーを開ける。
「あっ、ちょっと待てよっ!ダメまだっ」
俺の声を無視してプレゼントとカードを取り出した。
「わざわざクリスマスカードも書いてくれたの?なんか嬉し……………」
「それはっ………………」
:09/12/23 02:55
:S001
:☆☆☆
#12 [我輩は人間である]
取り返そうと手を伸ばしたが誠の大きな手に掴まれ阻止されたままだ。
そのまま。俺の右手首を掴んだままカードだけを見つめて誠はゆっくり俺に顔を向けた。
握られてる右手首が熱を帯びて熱くなった。体も顔も、そこから回ってきたかのように熱い。
「コウ、俺コウが好きだ」
「俺も」
俺の唇に触れた誠の唇も、少し熱を持っている気がした。
END
:09/12/23 03:09
:S001
:☆☆☆
#13 [我輩は人間である]
【短編】※18
初めてのプレゼント
:09/12/24 15:55
:S001
:☆☆☆
#14 [我輩は人間である]
とりあえずベットに向かい合って座ってみる。付き合って四ヶ月と二日、やっとこの日が来た。何故かお互い正座して白々しい雰囲気がなんだかムズムズして初々しくていいなんて感じる。
前屈みになると怯えたようにきゅっと目を瞑る静樹をゆっくりベットへ押し倒した。
「一也………ちょっと怖い………」
「ん…大丈夫。俺に、任せて」
「痛くすんなよ」
クリスマス。恋人達の大イベント。
プレゼント交換とかイルミネーション街で手ぇ繋いでうようよしてるカップルが山ほどいるし、はたまたラブホで熱々、家で熱々なんてもんもいる。
俺たちは一応俺の家で熱々しようという事になった。
本当は手とか繋いで寄り添って歩きたいとかそんな考えも浮かんだ。が、いわゆる俺と静樹は男同士だから。…だからっていうのは少し嫌だけど。
:09/12/24 16:54
:S001
:☆☆☆
#15 [我輩は人間である]
静樹はツンデレだ。
「静樹可愛い」
「…………死ね」
「無理無理」
いつもこんな調子。可愛くフワフワした妖精みたいな外見なのに喋ると見事にイメージを裏切る。そんな愛しの恋人が見せたデレの姿にキスもし始めてないのに表情だけでメロメロだ。
サラサラしたミルクティー色した髪に指を絡めながら、ピンクのいい形した唇にキスを落とす。
チュッ、チュ、と音をたてながらフレンチを繰り返して半開きになったその唇の隙間に舌を入れて、静樹のと絡ませた。
:09/12/28 01:56
:S001
:☆☆☆
#16 [我輩は人間である]
「んっふ、…ふ…ッ…」
まるで口内を逃げ惑うように臆病な舌を俺はゆっくり吸い上げた。それから頬の内肉を探ったり下唇を噛んでまた角度を変えてキスを繰り返す。
ぴちゃ、と交わすたびに卑猥な音が俺たちの間から鳴り俺はその音に欲情した。
「…ん、っは…ストッ、ん…!…ストップっつってんだろッ」
口端から垂れた唾液を舐めとると俺の顔は静樹から離れた。
静樹の顔は頬を赤らめながらもムスッとしている。
「ごめっ。あまりにも久しぶりのチューだったから」
「息が続かないこっちの身にもな…」
静樹の言葉は右から左へと流れていった。そんな事よりもう…吸い付きたい。
「あっ!」
:09/12/28 02:31
:S001
:☆☆☆
#17 [ぉとは]
続きすごく見たい

:09/12/28 06:32
:PC
:QRCz7FxA
#18 [我輩は人間である]
白シャツのボタンを外しながら首筋に数ヶ所マークを残していく。手早く全部外せば可愛らしい二つの突起がある。親指の腹で軽く押せばコロッと左右に転がった。もう取れちゃいそうだ。
「なあ」
「やっ…ぁっ…かず、ああっ」
静樹も同じく顔を左右に振りながら声をあげる。
「感じてる?」
「〜〜〜!ひっ…ッあ、んっいたっ!」
「痛い?じゃあ舐めてやろっか」
摘まんだりそのまま引っ張ってつねったり、俺の問いかけに答えない静樹を尻目にコロコロとしたソレを口に含みながら指の代わりに舌で転がすように弄ってやれば甘い声が上から聞こえてくる。
:09/12/30 05:26
:S001
:☆☆☆
#19 [我輩は人間である]
上を解放して急いで下を脱がせた。
静樹の分身は小さいながらも腹に付くほど反り勃っていて握って上下に動かすととくちゅりと音をたてていく。
カウパーをたらたらと垂らし、竿の根元まで濡らした。
腰が浮いて静樹の目からは涙が零れ落ちていった。手の動かす速度を速めていくと、
「すっげ。さっきの感じてたんだ」
「いやあ…んっ…や…あっなんか…出ちゃっ、あっ!!」
静樹は甘ったるい声を出して射精した。
力が抜けてだらんとしている体をうつ伏せにさせてから大丈夫と言葉をかけると静樹はゆっくり頷いた。
「ちょっと尻上げて」
俺の言葉に従って静樹は小ぶりの、それこそ桃みたいな尻を俺に向けて上げた。
初めて使う穴は赤くぷっくりとしている。つつくとヒクヒクと蕾が動く。
:09/12/30 05:49
:S001
:☆☆☆
#20 [我輩は人間である]
「………、静樹…」
「…あ……あ…………」
尻を軽く掴んで両方の親指で穴を開いてから狭間に顔を埋めた。舌を穴にゆっくりといれて唾液で少々濡れている中をほぐすようにもっと濡らしていく。
問題は奥だ。
「指入れてくよ」
初めての感覚に怯えるように体を震わせる。可哀想に。全部俺のせいだけど。
蕾の中に指をゆっくり入れてやって指先だけを動かす。熱を持って蜜を溢れさせる肉壁に俺はゴクリと喉を鳴らした。
:09/12/30 07:19
:S001
:☆☆☆
#21 [我輩は人間である]
指をきゅうっと締め付けられながら俺は第一関節から一気に指を押し入れた。
痛くなさそうな様子に胸を撫で下ろしながら指を曲げたりしてほぐしていく。ピストンさせる度、愛液でシーツが汚れていく。
「ぁっ、ぁっ、…はあっ、そこ、きもちっ」
「…ここ?」
「ひあっっ!!ひゃ…っ、イイっ…きもひいよぅ!」
前立腺の位置を再確認すると静樹は腰をしならせて色っぽい声を発する。
何度も何度も、もうそこしか集中的に攻めてない。前立腺の部分をピストンさせながら強く擦りあげると中が麻痺したかのようにヒクついて指を強く締め付けた。
:09/12/30 07:36
:S001
:☆☆☆
#22 [我輩は人間である]
静樹のペニスの先端を確認するとトロリとまだ白濁を出している。痙攣している体にキスを落として仰向けに戻した。
限界にまで達した俺のモノはパンツから出すときにはわざわざ濡らす必要もなく、ヌレヌレで硬くなっている。
息が上がって顔は真っ赤になっていて半開きの口からは涎、目からは涙、下も分身も濡らして全体を見てみると凄く厭らしい光景だ。
脈を打つ俺のを後ろの孔にあてがいゆっくり中へ押し進めた。
「っ…、力抜いて」
「ひッ、ムリぃ……あッ…」
ぐちゅっと音をたてながら亀頭を呑み込む。カリの部分で少しつっかかったが少し無理に押し込むとあとは滑らかに蕾は俺のを呑み込んでいった。
:09/12/30 07:53
:S001
:☆☆☆
#23 [我輩は人間である]
「あッ、あ〜〜…、ヒ…っ…」
「っ、んっ…動くよ」
ずちゅ、ずちゅ、とゆっくり腰を動かして行く。小さな悲鳴とも捉えられる声が静樹の口から零れ出て行く。
そんな静樹の表情とまた既に雄を主張している静樹の分身に煽られ腰を一気に静樹へ打ち付けた。
「ひぁぁっ!カズぅ、ぁんッ、いいよっ…アンッ」
指とはとんだ感覚違いだ。
ほどけるような、絡み合って、気を緩めればすぐに欲を吐き出してしまいそうな程。
:10/01/04 15:50
:S001
:☆☆☆
#24 [我輩は人間である]
一発目で早漏なんて言われちゃこっちも頭が上がらない。だがそんな俺の思いも呆気ない程に射精感が高まっていく。
何より静樹の中がそうしてくるわけであって、普通の女ならまだまだ俺はイケる自信がある。
体に覆い被さって名前を呼ぶと凄い勢いできゅうきゅうと追い込みをかけた。
「ぁっ、ぁっ、もっと!しゅごいよッ」
「どこが?どこをどうしたいの」
「ヤッ……ッ、…ぁ…やぁ動き…ッなんで…」
「言わないと動けないよ?」
:10/01/04 16:33
:S001
:☆☆☆
#25 [我輩は人間である]
少し悪戯心に花が咲いて腰の動きを止めてみたら、恍惚な顔で絶頂を向かおうとしていた静樹の顔がくしゃっと泣きそうな、欲望が顔にそのまま出ていた。
「…ァッ…や……」
「腰振って気持ちい?」
「あっ…イイッ、一也、突いてっ」
「だからどこをど…」
「僕の中ッ…深く、っぁ」
「中出すよ。…っ…」
「あんッ、一也好きっ、…アアッ…………」
:10/01/04 17:05
:S001
:☆☆☆
#26 [我輩は匿名である]
続きが気になる
:10/01/07 03:36
:W53H
:ClZbaUg6
#27 [我輩は人間である]
――――「ぉ…、…い…おい!!!」
静樹の声がボリュームを少しずつ上げて上から降りかかってきた。目を開けると俺の顔の真正面、一気に覚める程の顔のドアップ。
怒ってる感丸出しだ。眉を寄せ八重歯がキラッと白く光って犬が威嚇しているように静樹は顔をしかめている。
「お前マジふざけんなっ。白いカピカピしたやつが……」
白いカピカピ…?
「あ……………やべ」
後処理忘れた。というか疲れてそんなの出来ずに倒れ込んでその後正直全く記憶もない。
:10/01/07 23:46
:S001
:☆☆☆
#28 [我輩は人間である]
「なぁ〜にがやべぇだ。気持ち悪いしなんか…なんか…」
俺の言葉により口調を強めたがだんだんと声が薄れていく。
「なんか?」
「………………、…ケツからなんか……あっ…」
静樹の言葉に手をお尻へと伸ばすと俺の子種たちが静樹の中に残っていた。人差し指を突っ込んでかき出して行けばくちゅくちゅ音をたてながら、子種は出ていった。
「や…ぁ……一也、止めろっ…?! あ?」
「じゃあカピカピ落とそっか。中もちゃんと綺麗にしないとね」
裸のままの静樹を抱えて風呂場へ向かった。拗ね気味の顔へキスを落としていく。こりゃ朝からゴングが鳴りそうだ。
END
:10/01/07 23:56
:S001
:☆☆☆
#29 [我輩は人間である]
※
ぉとはさん、我輩は匿名であるさん、読んでいただきありがとうございます。
これからもスローペースながら書きたいと思いますので宜しくお願いします。
是非
>>1にもお越し下さい。
:10/01/08 00:00
:S001
:☆☆☆
#30 [我輩は人間である]
【中編】アンバランスがいつの日か
1
:10/01/21 23:41
:S001
:☆☆☆
#31 [我輩は人間である]
補習で遅れた。補習で遅れた。補習で遅れた。
「だから補習で遅れたんだって…」
四回目。
一向に信じてくれない日向源治郎に山中悟は本日五回目の台詞をはいた。
「さっきからわかったって言ってるだろう」
「いや腑に落ちない顔してるじゃん」
端正な顔の眉間に皺が少しできてるのは気のせいでも何でもない。
信じてるんだか信じてないんだかの曖昧な顔に悟は溜め息を漏らした。
かれこれ二人ここで一時間はこのやりとりだった。いい加減どっかのファミレスに寄るとか、でなくてもそこのベンチに座るとか、とにかく一時間立ちっぱはキツイ。
:10/01/22 00:00
:S001
:☆☆☆
#32 [我輩は人間である]
しかも高校三年生男子二人で一時間。女子ならわからない気もしないが駅のホームで……いや、ないだろう。悟は今まで自分達がしでかした恥にじわじわと気付いた。
「とにかくどっか座れるとこ行こ。脚パンパンだから」
「俺は大丈夫だけど」
「お前はいいけど俺はダメなの。それに遅れたお詫びもしたいし」
源治郎は間をあけてわかったと単調な返事を返した後行き先も決めてないのに歩き出す。その後を追って悟も歩き出した。
どうせ同じ方面だし、つかお隣だしと取り付けた約束。学校違えど仲良し同士仲良く帰ろうと昨日悟は軽く取り付けた。
ただ一度目の大遅刻で信用を失ったのは確かだった。だから気を付けようと思ってた後の、コレ。
:10/01/22 00:52
:S001
:☆☆☆
#33 [我輩は人間である]
源治郎をチラッと横目で見てもまだ許しきってもらってないのはよくわかった。
「………本当に補習なんだけどなあー」
「…………」
「本当に本当に補習…」
「わかったって」
やや強めの口調で源治郎は言葉を遮った。ビクッと肩を揺らす悟を尻目に歩くスピードを早める。
「四時間も待たされるよりはマシだ」
「それ嫌味?だから本当にあれは悪かったって言ってんじゃん」
「正直言って引きずってる」
「だから今日も引きずんの?」
:10/01/22 01:05
:S001
:☆☆☆
#34 [我輩は人間である]
源治郎の中で悟の発言信憑性は五分五分位だ。
前にも帰る約束して駅で待っていた事があった。約束の時間から四時間経っても悟の姿が見えず、五時間が経とうとしていた時悟がやっと駆け足で駅に来た。理由は友達とゲームセンター。
この時ばかりは全面に怒りが出た。
今日も同じ事が起こるのかと思ったが悟は少し遅れただけ。ほんの数十分。
「別に」
嫌味言われても仕方ないだろと源治郎は呟くように言った。
:10/01/22 01:17
:S001
:☆☆☆
#35 [我輩は人間である]
悟は少し黙り込んだ。自分がやった事をもし友達にされたらと思うと何発懐にパンチするかわからない。
だけどまさかここまで根に持たれると困ったもんだ。
……だいたい今日は、
「携帯持ってない源治郎も悪い」
「はあ?」
「携帯持ってりゃ補習で少し遅れるよ、とかすぐに知らせられたのに」
「何を言うかと思えば……。ちなみにここまで一回も謝罪の言葉を聞いていない。そんなあがきを言う前に素直にごめんと言えないのか、お前は」
「はあっ!?ごめんて言いました〜!」
「言ってないな、間違いない」
「オイッ、嘘っぱちこくなっ。言いました、確かに言いましたあー」
:10/01/22 13:31
:S001
:☆☆☆
#36 [我輩は人間である]
見慣れた住宅街。帰り道に男二人の口喧嘩が勃発した。
「第一、携帯がどうのこうのと重箱の隅をつつくような…」
「重箱か小箱かわからないけど今時の高校生が携帯持ってないなんておかしいだろ」
源治郎は父和菓子職人、母着物の着付けとなんとも古風な家に産まれいわゆる源治郎もその古風なニュアンスに包まれて育ってきた。
父親はよく漫画に出てきそうな頑固者でその遺伝子も源治郎にちゃんと伝わっている。だから言った事は曲げないし、何よりルーズな事が大嫌いだった。
:10/01/22 18:01
:S001
:☆☆☆
#37 [我輩は人間である]
「携帯なんか持たなくとも生きていける」
「機械音痴なだけでしょ。よく言う」
だから今回だって少しイラつく部分だってある。たかが十分、されど十分。
しかし源治郎はそんな事では怒らない。例え頑固でも機械音痴と言われようと今は論外としても滅多に表情を崩さない。
穏和な性格で人を思いやったりするのが源治郎であって争いはあまり好まないのだ。
まぁ今は論外なんだけど。
「うるさい。少しは減らず口直さないのか?周りにいいイメージを与えない」
「へっ!ちょっと顔が良くて頭良くて運動できるからって調子に乗んなよっ!頑固!機械音痴!天才!もういいっ!」
悟は小学生の決まり文句みたいに悪口をつらつらと並べるとフンと鼻を鳴らし家に早足で入って行った。
「はあ……………」
深い深い溜め息を吐く。
やってしまった。悟を怒らせてしまった。
:10/01/22 18:16
:S001
:☆☆☆
#38 [ゅぃ]
sageて書いてくれません?BL不快に思う人もいるんで
:10/01/22 18:28
:PC
:☆☆☆
#39 [我輩は人間である]
源治郎は入っていった隣人の玄関を見て立っている事しか出来なかった。
仕方なく自分も家へと戻る。
「ただいま帰りました」
ギシッ、ギィッ、と木製の我が家は悲鳴をあげるように音が鳴る。
いくらただいまと言っても返事がないので茶会か何かに行っているのだろうと玄関廊下の奥の襖を開けた。
「あ、お帰り」
「…なんで勝手に入って…」
「悟君と居たでしょ?声おっきいんだもん。ケンカ?」
襖を開けてすぐ目に入った源治郎の兄、荘二郎は椅子に座り源治郎に先程の事を尋ねる。足を組み直しながらラッキーと何かを思わせるような口ぶりで挑発的に微笑した。
:10/01/22 18:30
:S001
:☆☆☆
#40 [我輩は人間である]
:10/01/22 18:41
:S001
:☆☆☆
#41 [我輩は人間である]
「関係ないだろ。さっさと出ていってくれ」
「謝りに行かないの?悟君、今ならガード薄いかな?」
源治郎は黙り込んだまま荘二郎の言葉を無視しもう一度部屋から出ていって欲しいと告げる。
それに対し荘二郎は顔を上げ源治郎を見つめた。
「また勉強?疲れるな、お前。いいの?悟貰っても」
「貰うも何も興味ない、それに…」
「嘘」
:10/01/30 22:10
:S001
:☆☆☆
#42 [我輩は人間である]
あまりにも即答すぎて驚いた反面、どこか自分自身納得しているような気がして苛ついたその言葉を無視するように源治郎はいい加減にしろよと口調を早めた。
嘘呼ばわりは今日で二回目だ。俺は一回だって嘘をついたことはないのに。
「………………」
部屋を出ていった兄を尻目にやっと腰を下ろした。
さっきまでキャンキャンと小生意気な事を言う奴もいないし相性の悪い兄もいない。なのに落ち着かないのは―――…?
「全く…………やめだやめ」
源治郎はポソリと呟き鞄から数学の参考書を出した。
:10/01/31 04:21
:S001
:☆☆☆
#43 [我輩は人間である]
2
:10/01/31 04:23
:S001
:☆☆☆
#44 [我輩は人間である]
あの日から一切言葉を交わしていないのが二人の現状だった。朝は自然と駅まで一緒に歩いてた二人の風景も、もう一週間は見られていなかった。
当然お互い行き帰りの道は途中から同じ。家から出るタイミングが一緒な時も度々あった。もちろん帰るタイミングも。
悟は今日もかよと思いながら源治郎の後ろ姿を見て歩くスピードを遅めた。
いつまでこの気まずさが続くのだろう。本当は今すぐにでも駆け寄って肩に手を回して何でもいいから話がしたいのに。今じゃ早足で追い越す事も躊躇いがちだ。
:10/01/31 04:43
:S001
:☆☆☆
#45 [我輩は人間である]
話したい事は山ほどあるのに、そう出来ない状況に悟は退屈気味だった。
元は自分が悪いとわかっていてもそんな素直さ持ち合わせてない。
だから今だって声をかけられない。
少しでも気をまぎらわすように、すれ違う親子や宅配便、外の景色へと悟は視線を向けた。
それでも視界に入ってくる源治郎の背中をまぎらわすように。
「悟君」
源治郎とは少しトーンが上がった声で名前を呼ばれパッとその方向へと顔を向けた。
:10/01/31 23:23
:S001
:☆☆☆
#46 [我輩は人間である]
気が付けばもう源治郎の家の前まで歩いていたのかと思いハッとした。
目の前に源治郎がいて二人の間には少しぎこちなさを漂わせている。もう少しでぶつかるところを免れ悟は胸を撫で下ろした。
荘二郎はどっしりと建てられた渋みのある木製の門下から呑気な様子で歩み寄った。
「いつも源治郎がお世話になって。俺は相手に出来ないから助かるよ」
「あっ、ああ…いえ」
暗めの茶髪を風になびかせたプレイボーイを思わせる出で立ち。この兄弟の容姿は罪な事ではなかろうかと悟は後頭に手をやりながら久々に感じる。
:10/01/31 23:38
:S001
:☆☆☆
#47 [我輩は人間である]
気にくわなそうな顔をした弟を少し押し退けた。源治郎は道の真ん中に体を押されそのまま兄の姿を無表情に見つめた。そしてそんな二人を悟は見つめた。
どうしたんですか?と聞けるわけもなくただ黙って二人の様子を観察する事しか出来ない。
その視線に気まずさといたたまれなさで足を進めた。木戸に手をかけたところで何を今更と思ったが源治郎は自分部屋へと向かった。
兄弟の仲の悪さなんて悟は知ってるはずだ。小さい頃から俺たちの嫌悪感が抜けない間柄を見てきたのだから、別に一言嫌味を返してやってもいいのだけど。だけど視線が辛かった。
:10/01/31 23:58
:S001
:☆☆☆
#48 [我輩は人間である]
なんだか自分が負けているような気がしていたたまれない気持ちに思えてきたのかもしれない。
渋みの出た畳へ柄にもなく鞄を投げてコップの中の水を一気に喉へ流し込む。冷静さが戻ってきて、さっきの悟の顔が頭に浮かんだ。
さっきから一向に荘二郎が帰ってこないのが心配になって、何より悟が何かされてるんじゃないかと玄関戸を少し開けたが門下に二人の姿はもうなかった。
「……………」
脳裏に嫌な予感が浮かぶ。もしかしたら荘二郎が………いやいや兄でもそれは……。
:10/02/03 02:24
:S001
:☆☆☆
#49 [我輩は人間である]
夏の暑さから、胸騒ぎが更に膨張してきて今にも破裂しそうである。
もしかして…と二人がいるであろう家をじっと見つめた。今行くべきだと直感が伝えているにも関わらず、なかなか踏み出せない自分と闘いながら。
:10/03/11 20:49
:S001
:☆☆☆
#50 [我輩は人間である]
半ば強制的に家へ入ってきた荘二郎を少し怪訝に思いながらもリビングに招き入れた。
ソファーに座ってもらって二人分の麦茶を入れる。机に置く。
「………」
「どうぞ」
「ありがとう」
「いえ、暑いッスね〜…」
「そうだけど、なんで立ちっぱなし? こっち座りなよ」
クスクスと笑われて苦笑いで返しながら、ポンと一回叩かれた荘二郎の隣へと悟は腰を降ろした。
「源治郎んとこ行かないんですか? きっとアイツ荘二郎さんに構って欲しいと思いますよ…?」
「いいんだよ。ほっとけば。それより悟君に話があってね」
話?と悟は首を傾けた。
カランと麦茶の中で小さくなった氷が音を立てた。荘二郎はコップを手に、うんと軽く頷く。
:10/03/11 21:03
:S001
:☆☆☆
#51 [我輩は人間である]
「源治郎の事どう思う?」
「源治郎?」
あっけらかんな質問に疑問符を頭に浮かべた。源治郎?
「大切な友達……、っていうか俺にとっては親友的な存在っていうか」
他に何があるのだろうと言う瞳で荘二郎を見た。
クイッとコップを傾けて麦茶を一口飲むと、荘二郎はどこか満足そうに笑みをこぼしてコップを机に戻した。
「それならいいや。じゃあさ、俺たち付き合おう」
:10/03/11 21:11
:S001
:☆☆☆
#52 [我輩は人間である]
一瞬相手の言ってる意味がわからず理解するまでに時間がかかった。
だが、理解した後にはもう遅かった。
男子高校生の中では比較的小柄な体はすっぽりとソファーに埋め込まれて、二つの華奢な手首は荘二郎の手によってソファーに縫い付けられている。
悟は数秒で自分自身にどんな事が起きたのか分かってハッと我に返った。
「そ、荘二郎さん?は、は…離してください」
荘二郎は悟の上に覆い被さるようにして動かない。
:10/03/11 21:34
:S001
:☆☆☆
#53 [我輩は人間である]
更に恐怖感を与えるように荘二郎は顔を近付ける。悟はそれに逃げるように首を左へと逸らして暴れる事もなく冷や汗を額からソファーへ垂らした。
「悟君がアイツの事そーゆー対象として見てないならいいじゃん。俺は悟君の事好きだし」
なんとも理不尽な事を言う。さっきまで優しいお兄さん位置にいた荘二郎の面影はない。
「今は悟君に嫌われそうだけど…。だんだん、ね?」
指先が首筋をかすめた。汗で濡れてワイシャツの下のTシャツが見える。チラリと見え隠れする鎖骨に荘二郎は生唾を飲んだ。
:10/03/11 22:15
:S001
:☆☆☆
#54 [我輩は人間である]
「…そっ、ッ…」
悟の開きかけた唇は荘二郎の唇に塞がれて、目を瞑ってただ受ける事しかできない悟は頭の隅で源治郎を思い出していた。
口の中に躊躇いもなく入ってくる荘二郎の舌に気持ち悪さを覚えながら源治郎の事ばかりが頭にちらついて。
ちらついてちらついて、離れなくなった。
されるがままの悟に荘二郎の手はシャツのボタンへと伸びていった。
「…………」
一個、二個とボタンを外していく手が急に止まる。
二回目の規則正しいインターホンがリビングに鳴り響いた。
:10/03/11 23:00
:S001
:☆☆☆
#55 [我輩は人間である]
源治郎だ。
「………?」
もう一度鳴らしてみるがやはり反応はない。
ドアに手をかけるとドラマのワンシーンのようにカチャッと簡単に開いた。
玄関に並んだ靴の中に兄がいつも履いている茶色の革靴が目に入って、
「おい荘二郎?悟?」
と声をかけるが二人の名前を呼んでも返事がない。その代わりにドン!と何の音がした。
どうやらリビングから音がするようだった。何回も同じような音が途切れて聞こえてくる。
「悟、いるのか?」
リビングのドアを開けると
「……チッ」
「………」
目の前には見たくない光景が広がっていた。
:10/03/12 21:05
:S001
:☆☆☆
#56 [我輩は人間である]
「悟」
「げんじろ……」
力のない声がより現実さを増させる。
目尻からはまた新しく水滴が溜まってしばらくすると肌を伝う。
最悪だ。一番見られたくない姿を見せてしまった事に悟は深く胸をえぐられた気分になった。
そんな気持ちとはおかまいなしに荘二郎は優越感たっぷりな表情で弟を見つめ
「お楽しみ中邪魔すんなよ。何?」
わざとらしく怪訝そうな顔で言った。
源治郎は暫く黙ってから二人のもとへ歩み寄って荘二郎を無理矢理引き剥がし床へと投げ倒した後、悟の腕を掴んだ。
:10/03/12 21:15
:S001
:☆☆☆
#57 [我輩は人間である]
「げんじろ、ッ」
「行くぞ」
「おいちょっと、待てよ!」
かけられている声を無視して震えている腕を起こすように引っ張って、悟をそのまま外に連れ出した。
手に力が入り掴まれたところがジンジンする。
源治郎は自分の部屋に連れていくなり壁に悟を押し付けた。
「、ッ……」
「どこまで行った」
「え…」
「どこまで行ったんだ。荘二郎と」
源治郎の何もかもを見透かされるような黒目はじっと悟を捉えて離さない。嫌がおうにも吸い込まれてしまいそうになるその瞳に目が離せなくなる。
:10/03/12 23:43
:S001
:☆☆☆
#58 [我輩は人間である]
「あ…源治郎…、」
胸が高まる。鼓動が早くなってドキドキする。
…なんでキスなんて……。
「しちゃったんだろ…」
袖で自分の口をゴシゴシと拭くとまた涙が出てきた。何度も何度も拭くもんだから少し痛くなって唇は赤くなってしまった。
「ひっく…うぇっ…う……」
その唇に親指をそっと添えて、顔をゆっくり近付けながら源治郎は名前を呼んだ。
「悟」
「うっ…ッ源治郎…!」
…キスして。
:10/03/12 23:59
:S001
:☆☆☆
#59 [我輩は人間である]
END
:10/03/13 00:01
:S001
:☆☆☆
#60 [我輩は人間である]
:10/03/13 11:17
:S001
:☆☆☆
#61 [我輩は人間である]
【短編】
ハートは繋がって
:10/03/14 00:56
:S001
:☆☆☆
#62 [我輩は人間である]
それはバイトの帰りだった。
今日はレジもうまくいって僕を担当してくれてる品川さんも珍しく誉めてくれた。
晴れ晴れとした昼下がり、僕の心も晴れ晴れとしていてとても気分がよかった。
帰り道のルートにやや敷地が広い公園の前を通る。
そこは昼過ぎには近くの団地に住んでいる子供たちがよく遊びに来る場所なのだが、ふと見ると、わいわいと楽しそうに遊んでいる子供たちの風景に紛れて見慣れない一人の男の人がブランコに座っていた。
赤いパーカーにダボダボなデニム、黒髪に金のメッシュが入っている。端から見るとよく駅前にたむろしている不良みたいな人だった。
:10/03/14 01:31
:S001
:☆☆☆
#63 [我輩は人間である]
ブランコに座ったままボーッとどこか一点を見つめて動かない様子で、出来心か少し観察してみることにした。
ブランコから少し離れたベンチに座って携帯をいじるフリをして見ていると、
「ぁ………」
小さな女の子がその人の隣に座って話しかけているみたい。
そのまま二人の様子を見続けていると彼は笑いながらポケットから何かを出した。
握られたままの手をじっと女の子は見つめて僕も遠くから見つめる。
すると彼は手を数回軽く左右に振って、小さな花束を出して見せたのだ。
そしてその花束を女の子に差し出して、女の子は嬉しそうにそれを受け取った。
僕の他にも二人を見ていた子供たちは次々に彼に寄ってきた。
:10/03/14 01:45
:S001
:☆☆☆
#64 [我輩は人間である]
そこからは彼の一人舞台。
コインマジックや砂場にあった玩具の小さいバケツを使って中からまた花束を出したり。
彼の周りはいつの間にか公園で遊んでいた子供たち、そしてお母さんたち全員囲まれていた。
わあっ…という歓声やスゴーイ!という声に彼はだろ?と人当たり良く笑顔で答えてまたマジックで引き付ける。
柄の悪そうなイメージから一変、きっと優しい人なんだなあ、と思った。
目付きの悪そうな切れ長な目も、笑うと少し垂れて優しい表情へ変わる彼の笑顔に少し見とれてしまった。
:10/03/14 02:12
:S001
:☆☆☆
#65 [我輩は人間である]
それが彼との出会いだ。
それから次の日、またその次の日も彼は公園で子供たちにマジックを披露していた。
それは僕が春休みに入ってからも変わらなかった。
周りからもいつしかそれが“変わらぬ風景”となっていて、そして僕も彼のマジックを見に行く事が日課となっていた。
公園に入ってすぐ左にある低い鉄棒と高い鉄棒の斜め後ろにあるベンチ。そこが僕の特等席になりつつある。
二週間は経つのだろうか。あの日から僕は毎日この公園に足を運んでいる。
:10/03/14 02:54
:S001
:☆☆☆
#66 [我輩は人間である]
今日は何のマジックをするのかなとワクワクしながら腰を降ろす。
木陰のおかげで暑くもなく寒くもなく丁度いい気温だ。小春日和を思わせる暖かい風が僕の体をすり抜けるように吹いていく。
「早く来すぎたかな?」
鞄から携帯を出して時間を確認すると針は12時ちょい過ぎを指していた。彼の姿はおろか子供たちの姿も見当たらない。
何もする事がなさすぎて仕方なく鞄から一番中側にあった教科書を手に取って開いた。
化学式が書いてある。電子がどうだとかイオンがこうだとか……読んでて全然意味がわからない。
それでも待っている間だけだしと読みながら待っていると上からから
「勉強熱心なんだな」
聞き覚えのある声が降ってきた。
:10/03/14 03:54
:S001
:☆☆☆
#67 [我輩は人間である]
上からから…×
上から …○
:10/03/14 03:56
:S001
:☆☆☆
#68 [我輩は人間である]
「隣座ってもいい?」
「あ、はいっ、どうぞ」
慌てて横にずれて教科書を閉じる。
「あ。勉強中ごめん。俺に構わず続けていいから」
少し掠れた声。遠くからしか聞こえなかったから間近で聞く彼の声はとても新鮮だ。
笑い声以外はあまり聞こえなかったので嬉しい。僕は静かに教科書を閉じた。
「いえ…た、たまたま読んでただけです」
「そっか。最近ずっといるよね?ココ」
「はい」
顔を見たいけど、見れない。緊張して話すのもぎこちないのに顔を向けるなんて滅相もない。
頑張ってチラッと横目で見てみると、少し猫背になって座っていた。初めて見た日と同じ格好だった。
:10/03/14 04:25
:S001
:☆☆☆
#69 [我輩は人間である]
服装から目線を上げていくと彼もこっちを見ていたらしく目が合って、その瞬間胸がドキッと高鳴って、思わず目を逸らしてしまった。
なんだか失礼かなと思って今度は顔を少し向けると。彼は口を開いた。
「名前は?高校生だよな?」
「うん、宮内優って言います」
「ミヤウチって普通に書いて…、」
「そう。それで優しいって書いて“すぐる”って読むんだ」
へぇ、と相づちを打ってから
「優しいで優か。なんかぽい」
「…そうかな?」
微笑んだ彼の目に笑い皺が出来る。柔らかい表情で笑う彼に、優しそうな人だと僕は改めて思った。
:10/03/14 04:57
:S001
:☆☆☆
#70 [我輩は人間である]
「俺は上木栄治。上の木に栄養の栄でさんずいの方の治る」
「上木さん…」
「上木さんてなんかムズムズすんなあ。高一…?」
「もうすぐ二年になります」
「んじゃ17?あれっ、16?」
「今年で17になります」
「そっか。俺19」
お互いの名前と年齢を教え合って、そこから色々話をした。
上木さんはマジックが大好きで将来はマジシャンになりたい事。
一人暮らし。今はバイトで生計を立ててるらしく、駅前のレンタルビデオ屋とファミレスの掛け持ちでアルバイトをしている事。(上木さん曰くボロアパートに住んでいるらしい)
:10/03/14 05:22
:S001
:☆☆☆
#71 [我輩は人間である]
話している間もドキドキは治まらなかった。それどころかどんどん鼓動が早くなってる気がして上木さんに聞こえてないかとハラハラしっぱなしだ。
「…そういえば子供たち、遅いですね」
「今日は遠足だから今頃お昼終わってゾウとか見てんじゃねーかな」
「そうだったんだ……。動物園かあ…」
そこで僕はハッとした。
「じゃあ今日はマジックやらないんですか…?」
少し残念ながらも尋ねると、上木さんは何を思ったのか僕の顔を見てからハハハッと軽く笑って、パーカーのポケットからトランプケースを出して今度は無邪気にニィッと笑った。
:10/03/14 05:55
:S001
:☆☆☆
#72 [我輩は人間である]
「あんたが俺のマジック見てたの知ってたし、今日も来るんじゃねぇかと思って」
束ねられたトランプをシャッフルする姿はやっぱりマジシャンを目指すだけの事はあるのか手際がいい。
二つの山を作ってパラパラと一枚交互に重ねてシャッフルするやつ。あれ…なんて言うんだっけ?
「ブリッジみたいな…」
「ブリッジ…?」
考えてるうちに心の声が勝手に出ていて上木さんは不思議そうに僕を見た。
「そのトランプのきり方、なんて言うのかなって…」
「ああ。リフトシャッフルっつーんだ」
ブリッジ…と呟きもう一度リフトシャッフルをし始めた上木さんは、パラパラと落ちてまとまっていくトランプを見る。
:10/03/15 01:16
:S001
:☆☆☆
#73 [下ネタの勇者]
「あー、橋にも見えっかも」
多分僕に合わせて言ってくれたんだと思うと申し訳なさ半分恥ずかしい。
束になったトランプを扇形に広げて自分に向けてくるのでよくわからず上木さんを見ると顎でクイッと広がったトランプを指した。どうやら引いてと言っているらしい。
「………」
引いたカードはハートの2。
「俺に見えないようによく覚えてからここに乗せて。んで気が済むまできっちゃって」
言われた通り一番上にカードを乗せたあと。受け取ってシャッフル。それを渡した。
「俺さぁ、魔法の目持ってっから一発で引いたカードわかるんだ」
:10/03/15 06:35
:S001
:☆☆☆
#74 [我輩は人間である]
上木さんはどれかな〜…と呟きながら一枚のカードを引いた。僕には裏面しか見えないので、どのカードを選んだのかよくわからない。
ワクワクしてじーっとカードを見つめた。
「引いたのは………コレだ!」
「…わ……、すごい!!当たってるっ」
ひっくり返されたカードに描いてあったのは二つの赤いハートと2の文字だった。
「これ記念にやるよ」
「え?…いいの?」
ほい、とカードを差し出されて遠慮しつつも受け取る。
「ありがとう…ございます」
僕が微笑んで、そしたら上木さんも微笑んだ。その瞬間、時間が止まった気がして息もうまく呼吸ができなくなった。
なんだろう。この感じ。
「こ、これからバイトなので!!」
居たたまれなくなって僕は鞄を手にお辞儀してから素早く公園を出た。
:10/03/15 06:59
:S001
:☆☆☆
#75 [我輩は人間である]
歩いてクールダウンを図ったはずなのに上木さんの事が頭に離れなくて落ち着くばかりか身体中が火照るように熱くなった。
ずっと持っていたハートの2を見ると上木さんの笑顔が頭に浮かんで離れない。
まだこの胸の高鳴りが何なのかはわからないし、明日も多分うまく話すことは出来ないだろう。
……っていうかまずは話しかけられるかが心配だ。
だけど明日も公園に行こう。
昨日はすいませんって謝ってマジックを見て、出来ることならもっと彼の笑顔を見たい。
出来ることならもっと上木さんの事を知りたい。
僕はもう一度ハートの2を見た。
:10/03/15 07:16
:S001
:☆☆☆
#76 [我輩は人間である]
END
:10/03/15 07:17
:S001
:☆☆☆
#77 [我輩は人間である]
【短編】※18
ギャップ
:10/03/15 07:32
:S001
:☆☆☆
#78 [我輩は人間である]
「蓮っ、ヤダ待ってっ、んっ」
玄関に押し込むようにして強引にキスをしながら雪人の体を壁に押し付けた。
甘ったるい声は毎度の事、キスだけでビクビクと体を少しだけ振動させる。
もしかしたら廊下に声が漏れたかもしれないと思ったが、今はこの行為に集中することにした。
「ね、ぁ、…ッ蓮…あ!そこはヤぁ…」
ワイシャツの下から手を滑り込ませて腹から胸へと移動させると案の定小さな粒は浮き出ていて、摘まんでコリコリと転がして、雪人は声を荒げた。
その唇にもう一度吸い付いて厭らしい音を響かせながら舌を絡めていく。それに応えるように雪人も必死に絡めてくれるのが感じとれる。本当に自分が幸せ者なんだと思える。
パンツの上へもう片方の手を滑り込ませると丁度性器の先端部、そこに重なっている布が湿っていた。
:10/03/15 07:36
:S001
:☆☆☆
#79 [我輩は人間である]
「すんげーよ。ヌレヌレじゃん」
「蓮のせいでしょ。バカッ…」
こうやって少し意地悪い言葉をかけてやるといつも決まって頬を赤くする。
まぁ赤くしないやつはいないだろうが雪人のこの表情が大好きだ。
いつも口が達者なコイツがこうやって黙り込む姿。
潤みがちな目が居場所がないように左右に揺れている。その目を追いながら顔を近付けた。
余裕綽々な顔が今は俺の行動一つで思い通り。
「下向いてんなよ」
「………、…なんで」
「なんでって。ディーキスできないでしょ」
「!っんなっ」
そうやってどんどん余裕なくしていく。焦ってくのがすんごい面白いんだよね。
:10/03/15 07:41
:S001
:☆☆☆
#80 [我輩は人間である]
そろそろ。
上から擦ってズボンと一緒にパンツも脱がせた。とろとろ先走りが出てくる口に親指を当てて動かせば安易な程に淫音が響いた。
「ぁ、っ、んうっ」
竿を握ってゆっくりと上下に移動させる。
少し息を荒くさせながら、いつの間にか首に回された腕がもう少しでほどけそうだと思って腰にしっかりと腕を回して支えてやったら、途端、一気に雪人の体重が腕にのしかかってきた。
雪人の分身はカウパーを次々と溢れさせて、それをまだあまり色付いていないペニスに包み込むように扱って時折親指で先端をくにくにと弄る。
:10/03/15 07:43
:S001
:☆☆☆
#81 [我輩は人間である]
「やっ、あッ、ッ…も…出るっ」
擦るスピードを早めてやると小さく「んっ」と言いながら雪人は達した。
ぴゅくっと白濁が手の中に放出されそれをまたあくまでも丁寧に塗り込んでやる。
「やめて…、ぁっ…今日は休ませて…」
俺は雪人を抱き抱えてベットまで運んだ。
目をうるうるとさせ頼んでくるもんだから聞いてやりたいところだが、そんなの無理な話だ。
俺の息子はもう戦闘体勢バッチリで早く挿れたがっている。
:10/03/15 07:46
:S001
:☆☆☆
#82 [我輩は人間である]
脚をM字に開脚させ二つの丸い尻肉を分けさせて、周りがぷっくりと赤く膨らんでいる孔に指をあてがう。
腰を持ち上げて多分雪人からは自分の分身も俺がケツの穴に指を入れようとしてる風景もバッチリ見えているのだろう。
いやいやと首を左右に振りながらもう一度、やめてぇ…と呟くように言うがそれはやめちゃダメな風にしか聞こえない。
ふうーっと息を吹きかけるとヒクヒクと穴が動いて開いたり閉じたりしながら愛液が穴から垂れてきた。
舐めてもいないのに垂れてくるなんて。
どこまで俺を煽れば気がすむのか。声といい反応といい…。
自分の指をよく舐めてその蜜壺へと指を侵入させた。軽くピストンさせるとちゅくちゅくと音をたてる。
:10/03/15 07:50
:S001
:☆☆☆
#83 [我輩は人間である]
「あ…あ、ん〜っ。指っ…蓮の指気持ちいっ!…」
「………」
「………うん…スゴッ…、あっ、はぅ…」
解れて簡単に指が三本呑み込まれる。
日々俺に開発されてきた体は指の二、三本どうってことない。
前立腺をくにくにと指の腹で転がしたり、はたまたわきで摘まんでこりこりと動かす。
イイところを集中的に攻められて雪人は涎をたらしながら喘いだ。
「ぁッ…ヤダッまた…」
「出る?」
首をコクコクと縦に振る。
わかったと声をかけて、それから中を思いっきりかき混ぜる。
:10/03/30 03:08
:S001
:☆☆☆
#84 [我輩は人間である]
前立腺の部分も思いっきり擦りあげて、雪人の体はイク寸前なのかブルッと震度して掴んでいるシーツに波を作った。
途端、腰をクイッとあげ弓のように仰け反る。雪人の分身から愛液と混じった精液が、腹の上から雪人自身へ放たれた。
「あーーっ!…蓮、ダメ、」
「まだ出んの?やらしー」
「はっ、やらァ…やらしくなんかっ」
まだ反抗できる力が残っているらしい。
言葉を無視してすでに我慢の限界になった俺の息子を取り出した。
先端を孔にあてがって、ゆっくり指と同じく解すように挿れる。キツイ……。
:10/03/30 03:11
:S001
:☆☆☆
#85 [我輩は人間である]
奥に進む度に肉壁が絡み付くように締め上げてくる。
「くッ……」
「やっ、中に…大き!ぁっ、ぁっ、アアッ!」
雪人の体に覆い被さりながら一気に深いとこまで挿入して呻き声にも似た声と共に雪人は息を漏らした。
ゆさゆさと軽く腰を動かして反応を楽しむ。早く突いてと言わんばかりの顔で俺を見てくる。腰に合わせて一緒に振ってくるところでもうすでに雪人は淫魔とかしていた。
「ほら。ちょっと動かしただけで、聞こえるか?んっ、やらしい音たてて俺を呑み込んでる。見てみろよ、」
:10/04/11 02:11
:S001
:☆☆☆
#86 [我輩は人間である]
太ももに手を添えて上へとあげて見せつけるとそれと同時、根本を締め上げてきた。
耐えきれず腰を引いて一気にまた中へと挿れ込む。肉芽を押しやりながら絡み付く粘膜と一緒に奥へ奥へと貫いた。
もう止めようにも止められない。ぱちゅっぱちゅっと俺の先走りとが混ざって腰を打ち付ける度に水音が結合部から奏でられる。
「ァアンッ、いっ!イイッ…れ、蓮。…ハァ…もっと、」
「……も、出るかも」
「うん、あ、中来て、んぅっ」
:10/04/11 02:14
:S001
:☆☆☆
#87 [我輩は人間である]
熱くなって蕩けるような感覚にそろそろ射精感が高まってピストンを一層激しくした。この甘い高い声に煽られて俺自身が大きくなるのを感じる。
野生に戻ったかのように本能のまま欲望に突き動かされ腰を小さい体に打ち込んだ。
その度淫らに揺れ動く小さな体はとても気持ち良さげに揺れていて俺を求めている気がして嬉しい。
きゅうきゅうと圧迫されてもう雪人の中も限界という合図だ。
「あ、……ンッ………」
「!、ッ………」
「深い……凄い熱いっ……」
:10/04/11 02:17
:S001
:☆☆☆
#88 [我輩は人間である]
抱き締めて首元に顔を埋めて蕩けるような中に灼熱を注ぎ込んでいく。いつの間にか首に回された腕にも力が入って俺を引き寄せた。
お互い息が荒い。熱い。でもこれでいい。
ずくずくと俺を呑み込んで搾り取られて行くようだ。
何回目だろうとふと考えた
。
雪人の体に溺れ、隣で俺に寄り添って寝息をたててるコイツを愛しいと思ったことは何回あるのだろうか。
ただ抱き合って何もしなくても居心地よく居られるなんてそうそう現れないものだし、何よりそれが今までの交際の中で雪人以外いなかったからこれまた驚きものだ。
:10/04/11 02:26
:S001
:☆☆☆
#89 [我輩は人間である]
男同士なんて俺からしたら夢のまた夢の化学変化だと思ったがまさか自分自身に降りかかるなんて。
しかも身近にいるお友達からなんて。
俺はもう一度雪人の寝顔をチラ見じゃなくしっかりと見た。そしたら小さな笑いが込み上げてきた。
「………どうしたの気持ち悪い…」
笑う俺を腕の中でうつ伏せになりながら怪訝そうな視線を送ってきた雪人は小さく欠伸をして、また枕に顔を埋めた。
「今日はダメって言ったのに…なんで無視するかなあ」
「それ本気の言葉だったの?興奮させようとして言ったのかと思っ、ぃたっ」
「もういい」
ふくらはぎに蹴りが飛んできて渋々黙った。明日は体育あるのに…とぶつぶつ言っている。
:10/04/11 02:46
:S001
:☆☆☆
#90 [我輩は人間である]
「もうホントにヤだ…ここ」
「……、あ…」
指の先には首元のキスマークが白い肌の中でより存在を示していた。
「体育着でカバーできないし」
「唾液で…」
「ちょっと!」
「………ですよね〜〜」
存在感を益々増したようにくっきりと残った紅い痕を見て雪人は唇を尖らす。
冗談が通じない今、俺たちの間に気まずい空気しか流れない。
雪人は俺の腕から起き上がりベットと玄関に散らばったシャツとジャージを履いて戻ってくる。
その様子をじっと見つめるだけしかない俺に何も言わず目もくれず冷蔵庫からミネラルウォーターを出して投げ渡してきた。
「絆創膏で隠すからいいよ」
:10/04/11 03:49
:S001
:☆☆☆
#91 [我輩は人間である]
決して許した表情ではないが口元が緩んでしまう。こうなったらもう止められないのだ。
周りからはクールだとか言われるけど今の自分を周りに見せたらただの変態にしか見れないだろう。
怒った表情も笑った表情も何を考えてるかわからない表情も結局は全部好きなんだ。つまりベタ惚れってやつ。
「体育何時間目?」
「五時間」
「サボれよ。俺もサボるから」
「え〜…嫌。だってその前の週、三時間もサボって津久井に睨まれたもん」
「五は現国だし俺サボれるから大丈夫だぞ。うん」
「蓮の心配じゃなくて俺の心配してよっ!……もう、…このせいだからね。よく覚えておいて」
1時間前のマークを残した俺に、そして体育に感謝した日だった。
:10/04/11 04:46
:S001
:☆☆☆
#92 [我輩は人間である]
END
:10/04/11 04:47
:S001
:☆☆☆
#93 [我輩は人間である]
:10/04/11 04:49
:S001
:☆☆☆
#94 [我輩は匿名である]
:10/04/11 20:52
:N08A3
:ba38UlAU
#95 [我輩は人間である]
【中編(予定)】
居場所は何処
W62S我輩は匿名である 様
リクエストThank You.
:10/04/13 19:14
:S001
:☆☆☆
#96 [我輩は人間である]
千鶴は部屋に響くインターホンに溜め息を漏らした。
今が午後7時半だということを携帯で確認してもう一度、今度はハッキリと深い溜め息を吐いた。
もう画面チェックする必要もなく誰が来たかは予想が着いている。親が雇った家庭教師、
「よっ!水野」
柯伽大政だ。
千鶴の父親は貿易会社の社長でお金には困らない生活を送っている。
おかげで高校に上がると共に一人暮らしもさせてもらっているし、県内でも金持ち組しか通えない有名私立校に入学した。
:10/04/13 20:18
:S001
:☆☆☆
#97 [我輩は人間である]
…そんな順風満帆とでも言える千鶴の生活に二つ程問題がある。
それは千鶴が勉強ができないこと、そして巷でも有名な不良だということ。
要するにバカなヤンキーなのだ。
「ふざけんな帰れ!来んなっつたろ!」
ドア向かいに千鶴は叫んだ。
大政は週3のペースで現れる。最初は友達が遊びに来たのかと思ってドアを開けたら笑顔の大政がスーツ姿で立っていた。
そのまま大政から話を聞けば自分の家庭教師で雇われたと言うではないか。
:10/04/13 20:52
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#98 [我輩は人間である]
父親が冗談や嘘を吐く性格ではないし自分も勉強が得意ではない、寧ろ不得意だと自覚していた千鶴は目の前の男が言っている事が本当か嘘かすぐにわかった。
とにかく―――――
「そんな事言うなよ水野〜。前はすぐに開けてくれたじゃないか」
「てめえが誰だかわからなかったからだろーが!」
「まずはあがらせてくれよ。な?」
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#99 [我輩は人間である]
ドアに付いてある丸い覗き穴に目を近付けてみると、スーツ姿に革のカバンを持っている大政が見えた。
これじゃあどっかのサラリーマンみたいだ。
「気持ち悪ぃんだよ。何がよっ、だよ。なんで来たことわかんだよ」
「いやだってお前玄関まで来るとき足音半端ないぞ」
ドアの向こう側のリーマン風家庭教師は少し肩を揺らしながら笑っている。その姿に千鶴はカッとなってドアを勢い良く開けて胸ぐらに掴みかかった。
:10/04/14 00:10
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#100 [我輩は人間である]
「ってめえ!さっきからイラつくんだよっ!お前が毎日毎日しつこく来るからだろ、あ゛?」
「ほらほら落ち着けって。んじゃ、始めるか」
「……………」
残念ながら身長差で負けている千鶴は胸ぐらを掴んでも、上にあげることはできない。
イコール、余程大政にダメージがないのだ。
大政は先ほどと変わらない柔らかな表情で千鶴に話しかけた。
掴まれたネクタイを手から解放させ、中に入って行く。
:10/04/14 00:25
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#101 [我輩は人間である]
「………おいっ、勝手にあがんな!」
千鶴は少しポカンとした顔をしていたが、我に返って急いで大政の後を追った。
何故だか千鶴の叩きかけるような口調も今にも飛びかかってきそうな態度も、大政には全く効かない。
それどころか見事にかわされて千鶴はもう一つ頭に怒りのマークを浮かべた。
高校生の一人暮らしにしては少々広い2LDKの室内を見回しながら大政は声をあげた。
先ほどからちょこまかと中を見られて千鶴はその度飛びかかるが何も通じない。
天然なのかなんなのか。子供を相手にするかように接されてもう居てもたってもいられない気分だ。
:10/04/14 00:32
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