無題【BL】
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#115 [我輩は人間である]

さっきまでとは一変して様子が違う千鶴に大政は目を丸くした。
出ていけと言われ出ていくのもなんだか気にかかる。しかし都合上出なくてはならない。

考えているうちに千鶴は自ら出ていってしまった。

一人部屋に残された大政は携帯を開いた。

⏰:10/04/26 01:17 📱:S001 🆔:☆☆☆


#116 [我輩は人間である]




勢いよく階段を下り路地へ出た。
イライラが足に出て早歩きになっている事に気付いて歩みを遅めた。
コンビニで甘い物でも買ってこのどうしようもないイライラを落ち着かせようと千鶴はコンビニへ足を進めた。



「おーー。千鶴じゃねぇか」

コンビニの入り口周辺でたむろってたのが遠くからでもわかった。出来れば顔を合わせたくないので引き返そうと今来た道に戻ろうとした瞬間、目が合った。
千鶴は苦虫を噛んだような面持ちで昔の仲間をもう一度視界に入れた。

⏰:10/04/26 01:36 📱:S001 🆔:☆☆☆


#117 [我輩は人間である]
<font size=-3>
無視してそのまま歩くこともすぐに数人が千鶴を囲む。あの時大切だと思った仲間。今じゃ思い出したくもない他人。無理にでも肩を組んで千鶴を離さない。

「離せよ」
「うわ。友達になんて言いぐさだよ、千鶴ぅ〜」

リーダー格のわざとらしい言葉に周りの奴らは怪しく笑う。千鶴は眉を寄せた。もう一生顔を合わせたくない奴らとご対面なんて最悪だとしか言いようがない。このタチ悪い空気、相変わらずだ。

「ぱったり連絡なくなっちゃって寂しかったぜ?また一緒に青春しようよ」
「青春?笑っちまう。ま、確かに俺いい金ヅルだったし、お前らにはいい青春だったな」
「おい。口の聞き方に気を付けろよ」
「俺のおかげでいい思いできたわけだし。あん時はまさかこんな低レベルな青春ごっこに…っ」
付き合わされてるとはな。
</font>

⏰:10/07/20 02:14 📱:S001 🆔:cszaspo.


#118 [匿名]
>>1-50
>>51-100
>>101-150
>>150-200

⏰:10/07/21 08:18 📱:K002 🆔:.vhdimZo


#119 [我輩は人間である]

鈍い音とほぼ同時に頬に痛みが走る。ここまでいって殴られるとは想定したことで、案の定軽く構えててよかった。体勢が少し横に向いただけで倒れなくて済んだ。

「あ、ごめん。手がね」
ギリギリと左拳を固める。やられてそのまま大人しくなんてまだそれほど大人ではない。見下すような眼差しに刃向かうように千鶴は拳を振りかざした。


気付けば手は誰のだかわからない血がべっとり手の甲に付いていた。息が上がるのを落ち着かせて整え終わる頃にはパトカーに乗った警察官が二台、コンビニの駐車場にサイレンを鳴らしながら停まり千鶴とコンクリートにうずくまっている男たちに近付く。

⏰:10/07/24 00:08 📱:S001 🆔:☆☆☆


#120 [我輩は人間である]

ケンカを見たコンビニの店員が通報したらしい。警察官の一人は細身のメガネの男性に事情聴取をとっている。
逃げる理由もなかったのであっさり警察官に取り押さえられながら、その店員と目が合った。肩がすぼまって伏せ目がちにそらされて千鶴はどこか寂しさを覚えた。

学校の奴らと同じ。そんなに怖い存在じゃないのに皆が皆、目をそらして壁を作る。関わりたくないと雰囲気で言われているようで千鶴は正直ショックだった。

確かにケンカは強いけど、あれは裏切られた後ちょっとやんちゃしたら意外に自分自身ケンカが強いことがわかってしまって図に乗ってしまっただけ。
ケンカは好きな方ではないし手を出されたりしない限りしようとも思わない。目が合っただけでつっかかる程、血の気だって多くはない。

⏰:10/07/24 00:22 📱:S001 🆔:☆☆☆


#121 [我が輩は人間である]

隣の牢屋には千鶴と同じような年頃の子がいて入る時に睨まれた顔が千鶴には何故か忘れられなかった。
あんな風に自分も睨んでいたのだろうか。だから誰も寄り付かないのか。考えてみれば思い当たる節もあるかもしれない。

牢屋に入るのは何回かあったので大体はすぐに金で片付く。今頃父親に連絡がいっている頃だろう。
それにしてもさっきは少し短気すぎたかなと反省した。柯伽大政に会いたい。
怒ってるんだろうな。突然キレだして。
今まで出会ったことのない類だったから尚更だ。

「水野」

項垂れた顔を上げると思いに答えるように大政が立っていた。

⏰:10/09/03 01:00 📱:S001 🆔:☆☆☆


#122 [我が輩は人間である]

「なんで」
「なんでってこっちのセリフだよ。親父さんから連絡きたからむかえに来た」

大政は至って普通な態度だった。
警察を出てから二人っきり。
何と言っていいかわからず千鶴は顔を俯かせて歩く。そんな様子を見て、大政は大きな溜め息を吐いた。

「反省してんのか?」
「…………」
「聞いてんの?」
「…………」
「おい」
コクンと力なく頷く。
また溜め息が聞こえた。さっきよりも大袈裟と思えるくらいの溜め息で、肩が重い。

⏰:10/09/03 01:18 📱:S001 🆔:☆☆☆


#123 [我が輩は人間である]

「ならいいんだけど。たっく、もうテストどころじゃねえな」
「停学だろ…多分」
「参ったな、お前には」
「…用事あんだろ。もう行けよ…あんたも俺に用なくなったわけだし」
「行けよって、お前のおかげで行っても意味なくなったよ」

街灯に蛾が当たって時折バチバチと鳴りながら帰路を照らす。
並んだ二つの影には千鶴にしか見えない差があった。


階段の前で千鶴は足を止めた。立ち止まった千鶴に大政も階段を登りかけて千鶴の方に顔を向ける。

「ここでいい」
「いや上まで…」
「いいからマジで。さっさと帰れよ…もうこれでさようなら。今までありがと、センセー」

⏰:10/09/03 01:46 📱:S001 🆔:☆☆☆


#124 [我が輩は人間である]

別れの言葉なんて言うはずはなかった。会いたいと思って会えたのに、さようならとか。今日はとことん素直になれないらしい。
千鶴はどよめいた気分のまま階段を上がった。もしかしたら引き止めて、なんて期待していた自分が馬鹿馬鹿しい。
ベットに身を任せてすぐ。正体がわからない感情に胸がきゅうっと縛られた。

⏰:10/09/03 23:30 📱:S001 🆔:☆☆☆


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