無題【BL】
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#58 [我輩は人間である]
「あ…源治郎…、」
胸が高まる。鼓動が早くなってドキドキする。
…なんでキスなんて……。
「しちゃったんだろ…」
袖で自分の口をゴシゴシと拭くとまた涙が出てきた。何度も何度も拭くもんだから少し痛くなって唇は赤くなってしまった。
「ひっく…うぇっ…う……」
その唇に親指をそっと添えて、顔をゆっくり近付けながら源治郎は名前を呼んだ。
「悟」
「うっ…ッ源治郎…!」
…キスして。
:10/03/12 23:59
:S001
:☆☆☆
#59 [我輩は人間である]
END
:10/03/13 00:01
:S001
:☆☆☆
#60 [我輩は人間である]
:10/03/13 11:17
:S001
:☆☆☆
#61 [我輩は人間である]
【短編】
ハートは繋がって
:10/03/14 00:56
:S001
:☆☆☆
#62 [我輩は人間である]
それはバイトの帰りだった。
今日はレジもうまくいって僕を担当してくれてる品川さんも珍しく誉めてくれた。
晴れ晴れとした昼下がり、僕の心も晴れ晴れとしていてとても気分がよかった。
帰り道のルートにやや敷地が広い公園の前を通る。
そこは昼過ぎには近くの団地に住んでいる子供たちがよく遊びに来る場所なのだが、ふと見ると、わいわいと楽しそうに遊んでいる子供たちの風景に紛れて見慣れない一人の男の人がブランコに座っていた。
赤いパーカーにダボダボなデニム、黒髪に金のメッシュが入っている。端から見るとよく駅前にたむろしている不良みたいな人だった。
:10/03/14 01:31
:S001
:☆☆☆
#63 [我輩は人間である]
ブランコに座ったままボーッとどこか一点を見つめて動かない様子で、出来心か少し観察してみることにした。
ブランコから少し離れたベンチに座って携帯をいじるフリをして見ていると、
「ぁ………」
小さな女の子がその人の隣に座って話しかけているみたい。
そのまま二人の様子を見続けていると彼は笑いながらポケットから何かを出した。
握られたままの手をじっと女の子は見つめて僕も遠くから見つめる。
すると彼は手を数回軽く左右に振って、小さな花束を出して見せたのだ。
そしてその花束を女の子に差し出して、女の子は嬉しそうにそれを受け取った。
僕の他にも二人を見ていた子供たちは次々に彼に寄ってきた。
:10/03/14 01:45
:S001
:☆☆☆
#64 [我輩は人間である]
そこからは彼の一人舞台。
コインマジックや砂場にあった玩具の小さいバケツを使って中からまた花束を出したり。
彼の周りはいつの間にか公園で遊んでいた子供たち、そしてお母さんたち全員囲まれていた。
わあっ…という歓声やスゴーイ!という声に彼はだろ?と人当たり良く笑顔で答えてまたマジックで引き付ける。
柄の悪そうなイメージから一変、きっと優しい人なんだなあ、と思った。
目付きの悪そうな切れ長な目も、笑うと少し垂れて優しい表情へ変わる彼の笑顔に少し見とれてしまった。
:10/03/14 02:12
:S001
:☆☆☆
#65 [我輩は人間である]
それが彼との出会いだ。
それから次の日、またその次の日も彼は公園で子供たちにマジックを披露していた。
それは僕が春休みに入ってからも変わらなかった。
周りからもいつしかそれが“変わらぬ風景”となっていて、そして僕も彼のマジックを見に行く事が日課となっていた。
公園に入ってすぐ左にある低い鉄棒と高い鉄棒の斜め後ろにあるベンチ。そこが僕の特等席になりつつある。
二週間は経つのだろうか。あの日から僕は毎日この公園に足を運んでいる。
:10/03/14 02:54
:S001
:☆☆☆
#66 [我輩は人間である]
今日は何のマジックをするのかなとワクワクしながら腰を降ろす。
木陰のおかげで暑くもなく寒くもなく丁度いい気温だ。小春日和を思わせる暖かい風が僕の体をすり抜けるように吹いていく。
「早く来すぎたかな?」
鞄から携帯を出して時間を確認すると針は12時ちょい過ぎを指していた。彼の姿はおろか子供たちの姿も見当たらない。
何もする事がなさすぎて仕方なく鞄から一番中側にあった教科書を手に取って開いた。
化学式が書いてある。電子がどうだとかイオンがこうだとか……読んでて全然意味がわからない。
それでも待っている間だけだしと読みながら待っていると上からから
「勉強熱心なんだな」
聞き覚えのある声が降ってきた。
:10/03/14 03:54
:S001
:☆☆☆
#67 [我輩は人間である]
上からから…×
上から …○
:10/03/14 03:56
:S001
:☆☆☆
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