浮 き 世 の 諸 事 情 。
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#182 []
 
「終わりました、よ」

一呼吸置いて体の向きを返る
いちいちドキドキして
あたし馬鹿みたいだなぁ‥


おいおい壱助さん
時が止まってるじゃあ
ありませんか。

「ちゃんと腕通してくださいぃ!!」

⏰:10/01/29 16:54 📱:D905i 🆔:XWctwuXA


#183 []
 
また半裸状態
露出狂ですかあなた‥もう

「はい、はい」

くつくつと笑いながら袖を通す


着物が畳を擦る音に
壱助さんの呼吸が答える

「花街が‥どうかしやした、か」

⏰:10/01/29 16:55 📱:D905i 🆔:XWctwuXA


#184 []
 
目の前に正座して
長い睫を柔らかく揺らす

調子狂いますよ‥本当に


「壱助さん‥
いつもいつも野暮用って、
本当は、花街に
行ってるんじゃないですか?」

軽く唇を噛んで頬を膨らます

⏰:10/01/29 16:55 📱:D905i 🆔:XWctwuXA


#185 []
 
「そうだったら‥何、か」

動揺する様子もない
掴み所がない人ね


「やっぱり‥そうなんですか?」

語尾が弱くなる
聞かなきゃよかったって
これまた後悔先に立たず。

⏰:10/01/29 16:56 📱:D905i 🆔:XWctwuXA


#186 []
 
「さぁ‥ね」

妖しい笑みを浮かべた時は
あたしをからかってるのだ


「行くな、と?」

「当たり前です‥!
何か‥嫌なんですよぉ」

「ほぉう」

⏰:10/01/29 16:57 📱:D905i 🆔:XWctwuXA


#187 []
 
すると
壱助さんがぬっと身を乗り出し
じっと見つめてきたもんで
不意を付かれて倒れ込んだ



「それなら‥香夜さんが
お相手を、していただけるんで?」

⏰:10/01/29 16:57 📱:D905i 🆔:XWctwuXA


#188 []
 
急に体が重くなる
あたしを見下ろすその目が憎い
壱助さんは、ずるいよ

「‥嫌です」

「おや、この前は‥
色めいて抱けと言ったのに」

「‥あ、あれは」

自分でもよくわかりません
何て言えるはずもなく

⏰:10/01/29 16:58 📱:D905i 🆔:XWctwuXA


#189 []
 
「色んな遊女を抱いてる人に
‥抱かれたくはありません」

目を伏せて
のしかかる体を押し上げる


「こいつぁ‥手厳しい」

雪みたいな手が頬を撫でた

‥また喰らおうとするの?

⏰:10/01/29 16:59 📱:D905i 🆔:XWctwuXA


#190 []
 
「中の下では‥」

雪がするする首筋を流れ
胸元をするりと抜けた



「"目覚めない"もんで、ね」

胸にひんやりとした感覚
睨みつけるように
鋭い目であたしを突き刺す

⏰:10/01/29 16:59 📱:D905i 🆔:XWctwuXA


#191 []
 

「きゃああぁああぁあっ」



いざと言うときに
力は発揮されるようで

どんと壱助さんの体を突き飛ばし
目をむき出しにした

⏰:10/01/29 17:00 📱:D905i 🆔:XWctwuXA


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