浮 き 世 の 諸 事 情 。
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#206 [笹]
自然と眉間にしわが寄った
だけど当の本人は
ぴくりともしない
普段から持て余されてる色男は
もう馴れているのだろう
‥憎たらしい。
:10/01/30 19:56 :D905i :weUwJGLs
#207 [笹]
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「あらぁああ!!壱助さんっ
紹介しに?」
うわ‥綺麗な人‥。
団子屋から出てきたその人は
壱助さんを見るやいなや
顔に花を咲かせた
:10/01/30 19:57 :D905i :weUwJGLs
#208 [笹]
「今日はちょいと、別件でして」
「あら‥そうなのかい
ちょいと時間があるならさぁ
紹介しておくれよぉっ!」
その人と壱助さんが話す姿は
何故かしっくりきて
‥お似合いだった
:10/01/30 19:58 :D905i :weUwJGLs
#209 [笹]
"では‥"と言うと
壱助さんはあたしに
横目で合図をする
「あ‥香夜です!!はじめまして」
ぺこりとぎこちなくお辞儀をした
:10/01/30 19:58 :D905i :weUwJGLs
#210 [笹]
「香夜ちゃん?
可愛いじゃないかぁーっ
やっぱり壱助さん、
お目が高いよぉーあんた!!」
ぽんっとあたしの肩を叩いく
その美しい手が
初めてとは思えないくらい
優しくて暖かかった
:10/01/30 19:59 :D905i :weUwJGLs
#211 [笹]
「伊代さんにゃあ、劣りますぜ」
あたしなんかと扱いが違う
優しい目で見つめてた
この色男め‥
そんな言葉がぽんと出るなんて
確かに綺麗だし、いい人そう
‥だけど、ちょいと悔しい
:10/01/30 20:00 :D905i :weUwJGLs
#212 [笹]
「馬鹿言うんじゃないよぉ!全く」
壱助さんを叩くのも
何となく馴れてる気がして‥
やっぱりあたしなんかは
まだ付き合いが浅いんだって
思い知らされるのだ。
:10/01/30 20:01 :D905i :weUwJGLs
#213 [笹]
"団子屋の女将の伊代です"と
笑顔で言われて
ついついつられて笑顔になる
大人の女と言えば
"あの母親"しか印象にないから
なんだか不思議な感じがするの
:10/01/30 20:02 :D905i :weUwJGLs
#214 [笹]
「‥では、これで」
息つく間もなく
またぐいっと手を引かれ
伊代さんに軽くお辞儀して
団子屋を後にした
「あれは‥仲いいのね、きっと」
クスっと笑いながら
伊代は二人の背中を眺めた
:10/01/30 20:04 :D905i :weUwJGLs
#215 [笹]
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「‥此処ですか?」
壱助さんが足を止めたのは
怪しい雰囲気の
お店‥のような建物の前
手を引かれて入ってみると
これまた怪しいお婆さん
こ‥怖いじゃあありませんか
:10/01/30 20:04 :D905i :weUwJGLs
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