浮 き 世 の 諸 事 情 。
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#218 []
 
お婆さんは物差し片手に
あたしを睨み付ける

それはもう‥殺されそうなくらい


「あんた‥年は?」

しゃがれ声が沈黙を破る

「じゅ‥十八‥です」

⏰:10/01/30 20:06 📱:D905i 🆔:weUwJGLs


#219 []
 
"へぇ"と無関心な声を出し
日焼けした黒い手が
こちらに物差しをあてがう

こっちが喋ろうもんなら
キッと睨み付けられる




一体何なんですか?

⏰:10/01/30 20:06 📱:D905i 🆔:weUwJGLs


#220 []
 
「きゃっ‥何するんですか?!」

突然胸を鷲掴みにする
小さな骨張った手

「‥中の下だね」

壱助さんと同じ捨て台詞。

反論する間もなく
お婆さんは何か書き留め
算盤をはじき出した

⏰:10/01/30 20:07 📱:D905i 🆔:weUwJGLs


#221 []
 
"こんなもんかねぇ"と呟くと

「壱助!!ちょっと来な!!」


壱助さんを呼び捨て‥
どんな関係‥?

すると壱助さんが
襖の向こうから現れ
あたしに目もくれずに
お婆さんの元へ

⏰:10/01/30 20:08 📱:D905i 🆔:weUwJGLs


#222 []
 
「こんなもんでどうかねぇ?」

さっきの紙を壱助さんに渡す
少し顔をしかめて
こしょこしょと耳打ち

「まぁ、色男の言うことにゃあ
聞かない訳には‥」


こしょこしょ

こしょこしょ

⏰:10/01/30 20:08 📱:D905i 🆔:weUwJGLs


#223 []
 
「これは、有り難い」

「2、3日したらまた来な」


話は終わったのか
あたしは一切事情を知ることなく


また手を引かれる

⏰:10/01/30 20:09 📱:D905i 🆔:weUwJGLs


#224 []
 
顔色一つ変えない壱助さんに
あたしは事情を聞かなかった





そうじゃない。

‥聞けなかったんだ

⏰:10/01/30 20:10 📱:D905i 🆔:weUwJGLs


#225 []
 

あの耳打ちから漏れた言葉
確かに聞こえたのは





"お金"のやり取り

⏰:10/01/30 20:11 📱:D905i 🆔:weUwJGLs


#226 []
 


ねぇ‥壱助さん




あたしを売るんでしょう?


_

⏰:10/01/30 20:11 📱:D905i 🆔:weUwJGLs


#227 [笹]
第八章 【捨てられて】

*。*。*。*。*
壱助が自分を助けた理由を
考え出した香夜ちゃん
そして何故か
色んな人に嫉妬してしまう

相変わらずな壱助さん

香夜ちゃんを拾った理由は
"売る為"なのか‥否や
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/4676/

⏰:10/01/30 20:15 📱:D905i 🆔:weUwJGLs


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