浮 き 世 の 諸 事 情 。
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#460 []
 
背を向けて目を瞑る
乱れた鼓動を整えて
深く溜め息を吐く

調子が狂います、ぜ


「寝ちゃう‥んれすかぁ?」

「‥」

背中に問う声が
情けないほどに弱まった

⏰:10/02/07 18:31 📱:D905i 🆔:zJfCkqns


#461 []
 
「んう‥」

しなびた声が耳にかかる
こちらに現れた小さな白い手


生娘が男を‥襲う気ですかい?


後ろから抱きついた貴女は
何を思ってるのか‥

いつもなら頬を染めて
嫌だと喚くと言うのに

⏰:10/02/07 18:31 📱:D905i 🆔:zJfCkqns


#462 []
 
全く、酒は人を変えます故‥
そのせいで虚しくなるのも
また‥然り


「‥壱助さん」

背中に響く声が
こんなにも、こんなにも‥

「何、か」

色めいて聞こえるのも

⏰:10/02/07 18:32 📱:D905i 🆔:zJfCkqns


#463 []
 
「‥寂しかった」


‥酒の力ですか、ね

小さく震える体を
抱き締めてやりたいのに
どうしてこうも、躊躇うか


‥情けないもんです

⏰:10/02/07 18:32 📱:D905i 🆔:zJfCkqns


#464 []



「‥馬鹿です、ねぇ」


答えるような幼い寝息
月明かりに照らされた肌に
そっと触れる

呆れるほどに無防備で
着物を掴んだ柔らかな手が
ぴくりと呼吸した

⏰:10/02/07 18:33 📱:D905i 🆔:zJfCkqns


#465 []
 
「‥放って、置けやしない」


他の輩の前で
酒など飲ませてたまるかと
仕様もない独占欲に駆られ


‥小さな体を思い切り抱き寄せた

⏰:10/02/07 18:33 📱:D905i 🆔:zJfCkqns


#466 []



久しぶりに眠りに付いた
目を覚ますと
長い睫を伏せた"猫"

昨晩の艶やかさは何処へやら
‥何時ものあどけなさを残す姿


はだけた浴衣から
美しい鎖骨が見え
小さく微笑み遠慮がちに触れた

⏰:10/02/07 18:34 📱:D905i 🆔:zJfCkqns


#467 []
 
「ん‥う」

眩しそうに目を細めた酔っ払い


ちょいと間を置いて目を見開き
どうやら我に返った様子


「あ‥え?そそ‥添い寝?!」

⏰:10/02/07 18:34 📱:D905i 🆔:zJfCkqns


#468 []
 
色気のない声を出し
あたふたする姿を見て
何故か安堵を覚えたもので‥


「壱助さん‥え?やだぁっ」

頬を紅くして
布団に顔をうずめた

何を考えたんですか、ね


そんな簡単に
手なんか出しやしない‥ですぜ

⏰:10/02/07 18:35 📱:D905i 🆔:zJfCkqns


#469 []
 
「あたし‥何かしました?」

しかし覚えてないとなると


「昨夜は‥
楽しませていただきました、よ」


ちょいと悔しい物があるもんで

⏰:10/02/07 18:36 📱:D905i 🆔:zJfCkqns


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