浮 き 世 の 諸 事 情 。
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#510 [笹]
「‥危なっかしいです、ね」
目を細めて、呆れた様子
今‥この体勢は‥
この頭に触れるのは‥
「ひざ‥膝枕」
思わず上擦った声に
ごくりと唾を飲んだ
:10/02/09 18:54 :D905i :rBP2/YbM
#511 [笹]
壱助さんに
膝枕をしてもらうなんて
壱助さんの
お膝様をお借りするなんて
‥なんて命知らずなんだ
「わわっ
ごっごめんなさいこんなっ」
慌てふためくあたしの顔は
きっと真っ赤に染まってる
火がでるほど熱かった
:10/02/09 18:55 :D905i :rBP2/YbM
#512 [笹]
下から見る壱助さんの姿は
彫刻みたいに鼻が高くて
また睫長くなってる気がして
たった一度だけ触れた唇が
あの優しい感覚を蘇らせた
‥同じ世界の人間か疑うほど
親の顔が見てみたい
「そんなに‥
か弱かったんですかい?」
「へ?」
:10/02/09 18:55 :D905i :rBP2/YbM
#513 [笹]
すると見る見る内に
いい匂いと共に近づく
あの美しい顔
「ちょっちょっ壱助さんっ?!」
また消毒ですか?!
待ってよ心の準備ってもんが‥
:10/02/09 18:56 :D905i :rBP2/YbM
#514 [笹]
‥コツン
え?
恐る恐る目を開けると
近すぎてぼやけて見えるが
やっぱり美しい壱助さんの顔
:10/02/09 18:56 :D905i :rBP2/YbM
#515 [笹]
「な‥えぇ‥?」
触れていたのは
唇と唇ではなく額と額
残念ながら‥
いや、べ別に残念じゃないけど‥
消毒ではありませんでした
:10/02/09 18:57 :D905i :rBP2/YbM
#516 [笹]
しばらくの間壱助さんは
寝てるのかと疑うほどに
ぴくりともしなかった
火照った頬を
くすぐる規則正しい呼吸
こっちは緊張しすぎて
息苦しいと言うのに‥
壱助さん
いろいろと手慣れすぎです
:10/02/09 18:57 :D905i :rBP2/YbM
#517 [笹]
「壱‥助さぁん?」
すると
一時の眠りから覚めたように
目を開けてすっと顔を離した
それと同時にあたしは
その間呼吸できなかった分を
部屋の空気を全部吸い取るくらい
思いっきり体に取り込んだ
:10/02/09 18:58 :D905i :rBP2/YbM
#518 [笹]
「‥全く、」
いやいや
いきなりそんなことされた
こっちが全くですよ
「たったあれ如きで‥
熱を出すとは、ね」
「熱?」
:10/02/09 18:58 :D905i :rBP2/YbM
#519 [笹]
そう言われてみれば
朝からちょっと体が重かったかも
昨日の雨にやられたかな?
「情けない‥ですね」
はぁっとため息を吐くと
:10/02/09 18:58 :D905i :rBP2/YbM
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