浮 き 世 の 諸 事 情 。
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#574 []
 
枕元に置き手紙

『最後の挨拶くらい
しっかりしたかったのですが
壱助さんの顔を見たら
辛くなると思ったので‥

どうか、お許し下さい。
本当にお世話になりました』


綺麗に整った文字が
一カ所滲んでいた

⏰:10/02/14 01:41 📱:D905i 🆔:AHFqEp8k


#575 []
 
「もうだいぶ
連れ添ったと言うのに‥
淡泊な別れです、ね‥香夜さん」



目を細めて
ぼやけた文字を撫でた

⏰:10/02/14 01:42 📱:D905i 🆔:AHFqEp8k


#576 []
 

本当に意地っ張りな人だ



最後の最後まで
香夜さん‥

貴女は貴女でした、ね

_

⏰:10/02/14 01:43 📱:D905i 🆔:AHFqEp8k


#577 [笹]
第十五章 【温もり、消えて】

*。*。*。*。*。*
バレンタインなのに
えぇえーっな展開w

香夜ちゃんどーしたのっ?
ねぇどーしたのっ?!
壱助さん止めなさいよっ
抱きしめちゃいなさいよっ
あんたいつから
奥手になったのよw

不安定な、お2人様です
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/4676/

⏰:10/02/14 01:46 📱:D905i 🆔:AHFqEp8k


#578 []
 
自分で腹を括ったって

後悔は
情が籠もれば籠もるほど
溢れかえってくるもので

何度泣いても泣き足りない

でも、泣くことしか
あたしにはできないのだから‥

"声涙、倶に下る"

⏰:10/02/14 22:37 📱:D905i 🆔:AHFqEp8k


#579 []



理由は簡単で

これ以上
迷惑をかけたくなかった

あの日あたしの居場所は
壱助さんの隣しかないって
そう思った

だけど‥だけど違う
今までとは確実に何かが違う

⏰:10/02/14 22:38 📱:D905i 🆔:AHFqEp8k


#580 []
 
いけないことに
気がついてしまった気がして


もう一緒に居られないって
‥そう思ったの



できるならこんなこと
したくなかった‥
離れたくなかった

⏰:10/02/14 22:38 📱:D905i 🆔:AHFqEp8k


#581 []
 
意地悪だけど根は優しいし

あたしを認めてくれたから
あたしを助けてくれたから


「はぁ‥」

もう泣きそうだ
家出てから
泣かないって決めたのに‥

壱助さんといたら
すぐ泣いちゃう
‥居心地いいんだよね、それだけ

⏰:10/02/14 22:39 📱:D905i 🆔:AHFqEp8k


#582 []
 
「猫ぉ‥
これからどうしよう」

野良猫がすり寄ってきた
そんなに可哀想に見えたかな

「‥行くあてがないや」

飢え死にするかも‥
んう‥壱助さぁん

「ミャァウ」

真っ黒な瞳が
こちらを覗き込む

⏰:10/02/14 22:40 📱:D905i 🆔:AHFqEp8k


#583 []
 
「お前も‥独りかぁ」


思いっきり撫でてやる

毛の下から伝わる暖かさに
何故か胸が苦しくなった



‥また遊女屋かなぁ

⏰:10/02/14 22:40 📱:D905i 🆔:AHFqEp8k


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