浮 き 世 の 諸 事 情 。
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#875 [笹]
恋仲でもないのに
妬いてしまってる‥
だけどあたしが求めてたのは
‥お父さんの、
幸太郎さんの温もり
:10/03/14 20:09 :D905i :ZQnjeNcY
#876 [笹]
:
:
目を魚のように泳がせて
落ち着きを無くし‥
元から落ち着きがないと言えば
否めませんが、ね
あの男に抱かれちまったか
翻弄された‥と
:10/03/14 20:09 :D905i :ZQnjeNcY
#877 [笹]
「あの娘さんは‥?」
「もう、帰りましたぜ」
「そうじゃなくて‥」
言いたい事など
最初からわかっている
「"抱いた"」
そう呟けば聞く耳も持たず
体をびくつかせ着物を握りしめた
:10/03/14 20:10 :D905i :ZQnjeNcY
#878 [笹]
「‥と言えば、
どう‥されるんで?」
結局信じたら負けで
無意識のうちに貴女に‥
身を委ねてたのかもしれない
「‥あたし、えっと」
その戸惑いが唇の微妙な動きに
こんなにも‥
惑わされてしまう、とは
:10/03/14 20:10 :D905i :ZQnjeNcY
#879 [笹]
私は何時からこれほど
弱っちまったのか‥ねぇ
「抱いちゃ‥居ませんが、ね」
指に絡みついた粘液
耳にへばりついた水音
どんなに強請られても
どうにもならなかった
最早‥末期、ですかね
:10/03/14 20:11 :D905i :ZQnjeNcY
#880 [笹]
「え‥」
ただ貴女を困らせたかった
素直になれやしないもんで
こう意地悪くすることが
私にとっては貴女を引き止める
最高の手段、でしたから
ばつが悪そうに眉を下げた
:10/03/14 20:11 :D905i :ZQnjeNcY
#881 [笹]
離れると言うなら
‥止める気はない
しかし、どうも其れでは‥
「壱助さん‥ごめんなさい」
潤んだ目を無理やり拭い
急に立ち去ろうとした
:10/03/14 20:12 :D905i :ZQnjeNcY
#882 [笹]
「逃げるな‥!!」
何時もより張り上げた自らの声が
部屋中を駆け回り
貴女の背中を仕留めて‥
小さな背中が打ち抜かれた
:10/03/14 20:12 :D905i :ZQnjeNcY
#883 [笹]
向き合ってほしいんです、よ
どうせ離れてしまうなら‥
惨めなままに、してしまうな
:10/03/14 20:13 :D905i :ZQnjeNcY
#884 [笹]
:10/03/14 20:18 :D905i :ZQnjeNcY
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