浮 き 世 の 諸 事 情 。
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#978 [笹]
‥って
「ち‥近いんですけど」
吐息が頬をかすめる
思わず息を潜めてしまうほど
美しすぎて‥
体が熱を帯びていく
「まぁ、まぁ」
まぁまぁって貴方‥
:10/03/26 17:02 :D905i :1zJ6QS4Y
#979 [笹]
「さぁ‥早くしないと
日が暮れてちまいます、よ」
そう余裕たっぷりに囁き
あたしの手を取る
もの凄く近いはず
それなのに貴方の背中は
遠く遠く離れて見える
:10/03/26 17:02 :D905i :1zJ6QS4Y
#980 [笹]
いつまでもいつまでも
追っていくのだろうか
結局は追いつかずに‥
気付いているのです
ほんとはね、気付いてる
この気持ちが何なのか
:10/03/26 17:02 :D905i :1zJ6QS4Y
#981 [笹]
:
:
温泉どっぷり浸かって
いろいろ考えた
‥いろいろ
廊下に浴衣が擦れる音
ぼんやり映る自分の顔
なんて情けないんだ
:10/03/26 17:03 :D905i :1zJ6QS4Y
#982 [笹]
考えたって無駄なんだけど
考えてしまう
あぁ‥もう嫌
襖をゆっくり開ければ
浴衣を着た壱助さんの後ろ姿
首に手拭い巻いてるけど
この人は汗をかくのだろうか
:10/03/26 17:03 :D905i :1zJ6QS4Y
#983 [笹]
「早いですね」
「まぁ‥男、ですから」
胡座をかいた横には
お猪口とお酒の瓶
‥酒豪
男の一人酒‥
邪魔しちゃ悪いかな?
:10/03/26 17:04 :D905i :1zJ6QS4Y
#984 [笹]
じゃあ、そろそろ時間だし‥
「‥香夜さん」
少し甘ったるい声が
立ち去ろうとしたあたしを
呼び止めた
「何処、へ」
「あぁ‥えっと
ちょっと‥外に」
:10/03/26 17:04 :D905i :1zJ6QS4Y
#985 [笹]
何となく言葉を濁らせて
倫次のとこへ行くとは
言えなかった
これがいけないのか
‥やましいわけじゃないの
「幼、なじみ」
いつの間にかその声は
耳元で囁いて
風呂上がりの貴方の体は
少しまだ暖かかった
:10/03/26 17:05 :D905i :1zJ6QS4Y
#986 [笹]
「壱助さん‥?」
腰を抱かれて
そのまま身を委ねてしまった
「‥倫次、待ってます」
「私の‥
知ったこっちゃ、ないのですが」
知ったこっちゃあってほしい‥
:10/03/26 17:05 :D905i :1zJ6QS4Y
#987 [笹]
首にかかる吐息が
少しお酒を漂わせて
酔ってんのかな?
「すぐ、戻りますから」
「それなら‥行かなくても
いいじゃあ、ないですか」
「‥んん」
:10/03/26 17:06 :D905i :1zJ6QS4Y
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