浮 き 世 の 諸 事 情 。
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#12 []
 
「あのまま‥置き去りにしても
よかったんですけど、ね」

クスっと鼻で笑い
これまた綺麗な手であたしの顔を撫でた

「助けて‥くれたんですか?
こんなあたしを?」

こんなボロボロの着物着て
髪もボサボサで化粧もしてない
こんな汚らしいあたしを‥

⏰:10/01/24 18:28 📱:D905i 🆔:ZJpO7xz6


#13 []
 
「拾っただけ、ですよ」

あぁ‥なんて優しい人なんだ
神様だ神様だ!!!

嬉しさのあまり涙を浮かべた
‥のもつかの間




神様はやっぱり存在しないのだ

⏰:10/01/24 18:29 📱:D905i 🆔:ZJpO7xz6


#14 []
 




「で?貴女、名前‥は?」

独特の語り口調の神様は
何とも落ち着いた様子で
お茶を入れている

あ‥睫毛すごい長い。
いーなー‥羨ましい
この人‥何才くらいなんだろう

⏰:10/01/24 18:35 📱:D905i 🆔:ZJpO7xz6


#15 []
 
「‥名前は、と聞いているんです
聞こえませんか?この耳、は」

ギュッ

「いぃいっっ!!!!
ちょっと何するんですかっ!!
は‥離してくださいっ」

神様はあたしの耳を右手で
それはもう思いっきり引っ張り
左手は全く別物かのように
湯呑みを口元に運んでいた

⏰:10/01/24 18:36 📱:D905i 🆔:ZJpO7xz6


#16 []
 
 
 
嫌な‥
   予感‥
      がします‥。

⏰:10/01/24 18:37 📱:D905i 🆔:ZJpO7xz6


#17 []
 
「うぅ‥っかや!!‥かやです!!」

涙をいっぱいに溜めて叫んだ


途端に神様のお仕置きは終わった

い‥痛い‥痛すぎる

⏰:10/01/24 18:38 📱:D905i 🆔:ZJpO7xz6


#18 []
 

「ほう、"かや"とは‥
どんな字を‥あてるのですか?」

ズズズーっと茶をすする音が
部屋中に響き渡った



「‥"香"る"夜"です」

⏰:10/01/24 18:39 📱:D905i 🆔:ZJpO7xz6


#19 []
 
「‥」

「‥香る‥よ‥」

「何とも‥、夜が期待できそうです、ね」


顔をゆっくりこちらに向けて
意味ありげに怪しく笑った

⏰:10/01/24 18:39 📱:D905i 🆔:ZJpO7xz6


#20 []
 
「な‥//
べべ‥別にそういう‥
ヤらしい名前じゃ‥」

「誰が‥
"ヤらしい"と言いました?」


あたし‥からかわれてる?
てか‥何なのこの人 !!

この余裕綽々なかんじ‥

⏰:10/01/24 18:40 📱:D905i 🆔:ZJpO7xz6


#21 []
 
「‥あ‥貴方のお名前は?」

話を切り替えるので
‥精一杯なほど

この人は話がうまいというか
川が流れていくように
するする進んで
いつの間にか自分もその流れに‥

「名前?‥何故言わなきゃいけないのですか?」

何故って‥この人

⏰:10/01/24 18:41 📱:D905i 🆔:ZJpO7xz6


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