浮 き 世 の 諸 事 情 。
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#155 [笹]
女は女の味方である。
そうは言っても
壱助の無関心さには
女じゃなくてもこう言うだろうと
伊代は思うのだ
「それでぇ‥"猫ちゃん"は
何ともなかったのかい?」
腕を組んで
まるでお説教をしてるようだ
:10/01/29 15:22 :D905i :XWctwuXA
#156 [笹]
「何とも、無かったんじゃあ‥」
『たった一週間で
貴方を知った気になってた‥』
‥どうした、もんかねぇ
:10/01/29 15:23 :D905i :XWctwuXA
#157 [笹]
「‥ないですか、ねぇ」
壱助は団子に口を付けず
そのまま皿に置いた
「連れて歩くなら、
もっとしっかりしなよぉ!!」
べしんっと一発
壱助の肩にお見舞い
:10/01/29 15:24 :D905i :XWctwuXA
#158 [笹]
「しかし‥少々」
『‥抱いて、ください』
―‥酒でも飲んだ、か
―‥空気に飲まれた、か
それとも‥
:10/01/29 15:24 :D905i :XWctwuXA
#159 [笹]
「飲まれちまったようで、」
―‥正気、か
あの時の目は虚ろではなかった
だとしたら、 やはり
:10/01/29 15:25 :D905i :XWctwuXA
#160 [笹]
「"酒でも飲ませて襲った"
なんて言わないだろうねぇ?」
‥否定はできません、ぜ
「まさか‥そうなのかい?」
驚くように伊代は口をはっと塞ぐ
:10/01/29 15:26 :D905i :XWctwuXA
#161 [笹]
「いえ、いえ
せめて‥人並みでないと、ね」
その言葉に
ぽかんとだらしなく口を開けた
"人並み?"と目で訴えられて
:10/01/29 15:27 :D905i :XWctwuXA
#162 [笹]
「中の‥下では、何とも」
壱助はそう言い残し
団子をそのままにして
去っていった
:10/01/29 15:27 :D905i :XWctwuXA
#163 [笹]
:
:
:
さて、どうしたもんか
「‥ニャァ」
珍しく思い耽って宿に戻る
入り口手前で
何故か躊躇していると
一匹の猫が足元にすり寄ってきた
:10/01/29 15:28 :D905i :XWctwuXA
#164 [笹]
"獣はあまり好かないんで、ね"と
少し冷たい視線を向けると
寂しそうにニャァと鳴いた
「‥"猫"はどうして、こうも」
その場にしゃがみこみ
喉元を撫でてやる
:10/01/29 15:29 :D905i :XWctwuXA
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