浮 き 世 の 諸 事 情 。
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#198 []




何をするでもない
壱助さんはいつもこう。

正座してお茶を入れて啜って
少し間を置いてまた啜って‥
飲み終えたら
‥―立ち膝で窓際に座る


ぼうっと空ばかり眺めて
何が面白いのだろう。

⏰:10/01/30 19:50 📱:D905i 🆔:weUwJGLs


#199 []
 
立ち膝で座ってる時の
少しはだけた着物から見える
白い肌が何とも‥。

あー‥羨ましさを越えて憎らしい



‥ねぇ壱助さん
あたしが居ること忘れてる?
存在消されてる?

⏰:10/01/30 19:51 📱:D905i 🆔:weUwJGLs


#200 []
 
そういえば、壱助さんは何で‥





あたしを助けてくれたの?

⏰:10/01/30 19:52 📱:D905i 🆔:weUwJGLs


#201 []
 
しかも、それから
ずっと面倒見てくれてる。
扱いは‥まぁ考えないとして


お金だってないのに‥。



―‥ただの人助け?
あたしに対する同情かしら

⏰:10/01/30 19:52 📱:D905i 🆔:weUwJGLs


#202 []
 
「さて、」

壱助さんが珍しく
自分から口を開いた

そして立ち上がる。


また‥花街?
だけど、まだ午前中よ?

⏰:10/01/30 19:53 📱:D905i 🆔:weUwJGLs


#203 []
 
「‥行きます、か」

すっと腰を上げて
帯をきつく引っ張り整える


「何処‥行くんですか?」

不安そうに見つめると
ひんやりとした手が
あたしの腕をしっかり捕まえた

⏰:10/01/30 19:54 📱:D905i 🆔:weUwJGLs


#204 []
 
「なっ‥何処に?!」

「その内わかります、よ」




あたしと壱助さんの温度差は
一ヶ月経っても縮まらない

⏰:10/01/30 19:55 📱:D905i 🆔:weUwJGLs


#205 []



「壱助さぁんっ」

こちらの呼びかけに
一切振り返りもせずに
ただ腕を引いて街を歩く

そんな中でも
町娘の黄色い声が聞こえる

"あら、色男ーっ"
"見とれちゃうわぁー"

⏰:10/01/30 19:55 📱:D905i 🆔:weUwJGLs


#206 []
 
自然と眉間にしわが寄った

だけど当の本人は
ぴくりともしない
普段から持て余されてる色男は
もう馴れているのだろう



‥憎たらしい。

⏰:10/01/30 19:56 📱:D905i 🆔:weUwJGLs


#207 []




「あらぁああ!!壱助さんっ
紹介しに?」

うわ‥綺麗な人‥。

団子屋から出てきたその人は
壱助さんを見るやいなや
顔に花を咲かせた

⏰:10/01/30 19:57 📱:D905i 🆔:weUwJGLs


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