浮 き 世 の 諸 事 情 。
最新 最初 全
#201 [笹]
しかも、それから
ずっと面倒見てくれてる。
扱いは‥まぁ考えないとして
お金だってないのに‥。
―‥ただの人助け?
あたしに対する同情かしら
:10/01/30 19:52 :D905i :weUwJGLs
#202 [笹]
「さて、」
壱助さんが珍しく
自分から口を開いた
そして立ち上がる。
また‥花街?
だけど、まだ午前中よ?
:10/01/30 19:53 :D905i :weUwJGLs
#203 [笹]
「‥行きます、か」
すっと腰を上げて
帯をきつく引っ張り整える
「何処‥行くんですか?」
不安そうに見つめると
ひんやりとした手が
あたしの腕をしっかり捕まえた
:10/01/30 19:54 :D905i :weUwJGLs
#204 [笹]
「なっ‥何処に?!」
「その内わかります、よ」
あたしと壱助さんの温度差は
一ヶ月経っても縮まらない
:10/01/30 19:55 :D905i :weUwJGLs
#205 [笹]
:
:
「壱助さぁんっ」
こちらの呼びかけに
一切振り返りもせずに
ただ腕を引いて街を歩く
そんな中でも
町娘の黄色い声が聞こえる
"あら、色男ーっ"
"見とれちゃうわぁー"
:10/01/30 19:55 :D905i :weUwJGLs
#206 [笹]
自然と眉間にしわが寄った
だけど当の本人は
ぴくりともしない
普段から持て余されてる色男は
もう馴れているのだろう
‥憎たらしい。
:10/01/30 19:56 :D905i :weUwJGLs
#207 [笹]
:
:
:
「あらぁああ!!壱助さんっ
紹介しに?」
うわ‥綺麗な人‥。
団子屋から出てきたその人は
壱助さんを見るやいなや
顔に花を咲かせた
:10/01/30 19:57 :D905i :weUwJGLs
#208 [笹]
「今日はちょいと、別件でして」
「あら‥そうなのかい
ちょいと時間があるならさぁ
紹介しておくれよぉっ!」
その人と壱助さんが話す姿は
何故かしっくりきて
‥お似合いだった
:10/01/30 19:58 :D905i :weUwJGLs
#209 [笹]
"では‥"と言うと
壱助さんはあたしに
横目で合図をする
「あ‥香夜です!!はじめまして」
ぺこりとぎこちなくお辞儀をした
:10/01/30 19:58 :D905i :weUwJGLs
#210 [笹]
「香夜ちゃん?
可愛いじゃないかぁーっ
やっぱり壱助さん、
お目が高いよぉーあんた!!」
ぽんっとあたしの肩を叩いく
その美しい手が
初めてとは思えないくらい
優しくて暖かかった
:10/01/30 19:59 :D905i :weUwJGLs
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194