浮 き 世 の 諸 事 情 。
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#271 [笹]
今日はついてないや‥
溜め息を付き
ぺこぺこ頭を下げて
慌てて荷物を拾う
あーあ、誰か助けてくれな‥
「大丈夫ですかい?」
「ふえ?」
:10/02/01 17:11 :D905i :CnOOZU0s
#272 [笹]
目の前には
荷物拾いを手伝ってくれてる
男気溢れる人。
って言うか
壱助さんばっかり見てたら
どんな人も
男らしく見えるんだけど‥
「あぁっ‥すみません
ありがとうございます」
:10/02/01 17:12 :D905i :CnOOZU0s
#273 [笹]
男の人はこうでなくちゃ!!
なぁんて壱助さんを思い浮かべて
思ってしまう不束物です
「これ、貴女の財布ですか?」
「あぁああ!!!あったぁぁ!!!」
確かに壱助さんから預かった財布
いやー助かったぁ
死ななくて済みそうです‥はは
:10/02/01 17:13 :D905i :CnOOZU0s
#274 [笹]
「ふはは、元気な方だ」
そんな事言われちゃって
しかも目尻下げて笑われて
不覚にも、どきどき
ちゃっちゃと会計済ませて
"お茶でもおごらせて下さい"
なんて言おうもんなら
"お茶は是非と言いたいですが
おごりでは‥"
なんて遠慮するもので
:10/02/01 17:13 :D905i :CnOOZU0s
#275 [笹]
:
:
:
「本当に面白い方だ」
本当によく笑う人だなぁ
壱助さんぴくりともしないもんな
んー‥人ってこうあるべきよね
:10/02/01 17:14 :D905i :CnOOZU0s
#276 [笹]
「よかったらこの後
お時間‥いただけませんか?」
その人は祥吉さんと言って
この街の大工さんらしい。
「あぁ‥はい!!」
まぁ少しくらいならって
思ったわけですよ
:10/02/01 17:15 :D905i :CnOOZU0s
#277 [笹]
:
:
「‥いい人だったんだもん」
確かにいい人だった
壱助さんばかりといるから余計
「ほぉう‥
知らない叔父さんには
付いて行くなと‥
教わらなかったんですかい?」
縛られたあたしを
舐めるように眺めながら言った
:10/02/01 17:16 :D905i :CnOOZU0s
#278 [笹]
「そんな‥子供じゃないです」
いつまでも子供扱いして‥
もういい加減嫌なのだ
帯を解こうと必死にもがく
だけどもがけばもがく程
痛くなるくらいに締め付ける
「では‥大人です、か?」
:10/02/01 17:16 :D905i :CnOOZU0s
#279 [笹]
壱助さんは立ち上がり
着物を畳に擦り付け
こちらににじり寄ってきた
「そ‥そうですよ!!」
もちろん壱助さんは
あたしなんかを大人だなんて
思ってもなくて‥
「男を‥知らないくせに?」
:10/02/01 17:17 :D905i :CnOOZU0s
#280 [笹]
冷たい手が頬を這う
あの時の壱助さんが蘇る
あの冷え切った心の‥
「前に‥言ったはず、ですが」
首筋を伝い胸元を緩めて
「や‥」
「男はこういう物‥だと」
舌を這わせて
:10/02/01 17:18 :D905i :CnOOZU0s
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