浮 き 世 の 諸 事 情 。
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#328 []
 
思わずにやけてしまうほど
あの一瞬は
あたしの脳内を満たして
甘ったるい時間をくれた


「"消毒です、よ"なぁんて‥
そんな消毒がありますかぁ?」

人形のように固まった頬に
語りかける

もちろん返事はない

⏰:10/02/02 22:58 📱:D905i 🆔:0yxagqRA


#329 []
 
なんとなく
あの簡素な返事が恋しくなる
無関心そうな声も
あるとないとじゃ大違いだ


「‥壱助さん?
拾ってくれて、ありがとお」

面と向かって
言えた試しがないから‥
こんな時に言ってみるのは
ずるいかな、

⏰:10/02/02 22:59 📱:D905i 🆔:0yxagqRA


#330 []
 

こんなに誰かの隣が
居心地いいなんて‥
知らなかったなぁ



‥生きてて良かった。

⏰:10/02/02 22:59 📱:D905i 🆔:0yxagqRA


#331 []



「風邪‥引きます、よ」

目を開けると
目の前で小さく丸まる猫一匹

羽織物をかけてやると
微かに声を立てた


『‥拾ってくれて、ありがとお』

‥珍しく素直になるもんで、
起きているとも気付かずに
‥本当に鈍いです、ね

⏰:10/02/02 23:00 📱:D905i 🆔:0yxagqRA


#332 []
 
寝ている時だけは大人しい
子供同然じゃあ、ないですか


目を細めて前髪をそっと撫でた

するすると指の隙間を抜ける
細くて艶のある具合が
何とも垢抜けていて
子供だと言えないほどに美しい

⏰:10/02/02 23:01 📱:D905i 🆔:0yxagqRA


#333 []
 
「ちょいと‥
無防備すぎやしやせん、か」

裾の辺りが少しはだけて
女らしい脚が見える


小さく開いた手に指を添えれば
赤ん坊のように
ぎゅっと握りしめられた

⏰:10/02/02 23:02 📱:D905i 🆔:0yxagqRA


#334 []
 


「本当に‥放っておけやしない」



呆れるように溜め息をつき
緩く笑った

⏰:10/02/02 23:02 📱:D905i 🆔:0yxagqRA


#335 []




あぁ‥寝ちゃった。


壱助さんが起きたら
"寝顔見ちゃったぁーっ"って
からかってやりたかったのに

まぁそんなの
‥からかいの内に
入らないんだろうけど

⏰:10/02/02 23:03 📱:D905i 🆔:0yxagqRA


#336 []
 
「‥んん」

乱暴に目をこすると
辺りがぼやけて見えた

その時の顔と言ったら
相当酷かったに違いない

「あ‥壱助さん、起きてる」

あたしが買ってきた
新しいお茶の缶が開けられていた

⏰:10/02/02 23:03 📱:D905i 🆔:0yxagqRA


#337 []
 
いつものように
正座してお茶を啜る姿を見て
夢でないと確信する


「あぁ、やっと」

顔をちらりとも向けず
そう言った

自分にかけてあった
壱助さん香りがする羽織物
‥何だかいい目覚め

⏰:10/02/02 23:04 📱:D905i 🆔:0yxagqRA


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