浮 き 世 の 諸 事 情 。
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#412 []
 
額にあてていた濡れた手拭いを
ピンと張って‥戦闘態勢ですね


「いや、そのぉ‥」

「お仕置きがそんなに
‥お好きです、か」

「ひぃっ!!」

「自虐的です、ね」

「‥ッうぅ!!!」

⏰:10/02/05 22:29 📱:D905i 🆔:mdMMDFsU


#413 []
 
壱助さんの右手が
あたしの首をぐっと掴む
細い指が食い込むのが分かる


「く‥るひぃ」

「風邪を引いてます故‥
少々手に力が入りませんで」

鬼‥鬼鬼鬼!!


「もっと苦しんだ顔が
見たいもの、ですが‥ねぇ」

死ぬ‥窒息死‥馬鹿力‥

⏰:10/02/05 22:29 📱:D905i 🆔:mdMMDFsU


#414 []
 
にやりと微笑む壱助さん
優しい笑顔なのだ
いや優しすぎる笑顔なのだ

笑顔が怖いと思うのは
壱助さんくらいだよ


「い‥ひふへ」


ぱっと手が離されると
肺が破裂しそうなほど息を吸い
酸素が脳に一気に入って
体が浮きそうになった

⏰:10/02/05 22:30 📱:D905i 🆔:mdMMDFsU


#415 []
 
「‥んぐっはぁ」

「何を‥してたんですかい?」


手拭いをこっちに差し出し
"早く濡らして絞れ"と言うように
顔に押し付ける


もう治ったんじゃないですか?
壱助さん不死身そうだし

「それが‥」

⏰:10/02/05 22:31 📱:D905i 🆔:mdMMDFsU


#416 []



冷たい水に手を浸ける
壱助さんの手みたい‥

ぎゅっと絞りながら事情を話すと
乱暴に手拭いを受け取った


「その茂七とやらは‥何者で?」

少し気だるそうに
帯を緩めて白い肌が顔を出す
いつになっても慣れない
この美しさ

⏰:10/02/05 22:31 📱:D905i 🆔:mdMMDFsU


#417 []
 
「すごくいい人そうでしたよ!
金物屋さんをやってるそうで‥」


「ほぉう‥」


明らかに話し聞いてないし‥
興味ないなら聞かなきゃいいのに

ずずっと茶を啜るのは
いつもと変わらず元気な気がする

⏰:10/02/05 22:32 📱:D905i 🆔:mdMMDFsU


#418 []
 
「私は香夜さんの
‥"親代わり"です、ぜ?」

親代わり‥うん
まぁそうなのかもしれない

自分で言うのもあれだけど
"飼い主"同然である


「まぁ‥そうですねぇ」

⏰:10/02/05 22:33 📱:D905i 🆔:mdMMDFsU


#419 []
 
心配してくれてるのかな?

それとも‥"焼き餅"かなぁー
なぁーんて‥

壱助さんは
あたしみたいな子供に
妬くような人じゃないけど

⏰:10/02/05 22:33 📱:D905i 🆔:mdMMDFsU


#420 []
 

「そやつに会う‥
義務が、あります‥ねぇ」


カタンと湯飲みが音を立てる


あの口角だけ上げた笑みは
この世で一番恐ろしいのだ

⏰:10/02/05 22:35 📱:D905i 🆔:mdMMDFsU


#421 [笹]
第十二章 【現れて/前編】

*。*。*。*。*。*
珍しく二部に分けました ゚ω゚

リクにありました
ライバル・鬼畜壱助さんを
盛り込んでみましたw

んーうまく書けない
後編がんばります !!
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/4676/

⏰:10/02/05 22:40 📱:D905i 🆔:mdMMDFsU


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