浮 き 世 の 諸 事 情 。
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#569 []



背を向けて眠りにつく

香夜さんが悩んでいる事は
正直言えば下らない
無駄な心配でしかない

しかし貴女にとっては
大問題なのでしょう


‥本当に鈍い人だ
だから放って置けないと言うのに

⏰:10/02/14 01:39 📱:D905i 🆔:AHFqEp8k


#570 []
 
後ろの気配が息を潜めて
ゆっくりと布団から抜け出した

小さく鼻を啜り
着物がはらりと脱げる音

帯をきっちりしめて


‥音が止まる

⏰:10/02/14 01:40 📱:D905i 🆔:AHFqEp8k


#571 []
 
闇に包まれて
何も見えないはずなのに

何故でしょう、ね
貴女の泣き顔が目に浮かぶ‥


"行くな"と声をかける事も
抱き寄せる事も
肝心な時に限ってできずに
体が動かなくなる

⏰:10/02/14 01:40 📱:D905i 🆔:AHFqEp8k


#572 []
 
私は、
何に躊躇っているのでしょう、ね



―‥ 足音が消えた

⏰:10/02/14 01:40 📱:D905i 🆔:AHFqEp8k


#573 []



一睡もできずに
唯ぼうっと
月明かりが照らす畳の網目を
雑に何度も目で追った

重い体を起こし
消えた隣の温もりに
そっと手を添える


「‥馬鹿です、ね」

⏰:10/02/14 01:41 📱:D905i 🆔:AHFqEp8k


#574 []
 
枕元に置き手紙

『最後の挨拶くらい
しっかりしたかったのですが
壱助さんの顔を見たら
辛くなると思ったので‥

どうか、お許し下さい。
本当にお世話になりました』


綺麗に整った文字が
一カ所滲んでいた

⏰:10/02/14 01:41 📱:D905i 🆔:AHFqEp8k


#575 []
 
「もうだいぶ
連れ添ったと言うのに‥
淡泊な別れです、ね‥香夜さん」



目を細めて
ぼやけた文字を撫でた

⏰:10/02/14 01:42 📱:D905i 🆔:AHFqEp8k


#576 []
 

本当に意地っ張りな人だ



最後の最後まで
香夜さん‥

貴女は貴女でした、ね

_

⏰:10/02/14 01:43 📱:D905i 🆔:AHFqEp8k


#577 [笹]
第十五章 【温もり、消えて】

*。*。*。*。*。*
バレンタインなのに
えぇえーっな展開w

香夜ちゃんどーしたのっ?
ねぇどーしたのっ?!
壱助さん止めなさいよっ
抱きしめちゃいなさいよっ
あんたいつから
奥手になったのよw

不安定な、お2人様です
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/4676/

⏰:10/02/14 01:46 📱:D905i 🆔:AHFqEp8k


#578 []
 
自分で腹を括ったって

後悔は
情が籠もれば籠もるほど
溢れかえってくるもので

何度泣いても泣き足りない

でも、泣くことしか
あたしにはできないのだから‥

"声涙、倶に下る"

⏰:10/02/14 22:37 📱:D905i 🆔:AHFqEp8k


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