浮き世の諸事情｡

第二十章【抱き寄せて】

＊｡＊｡＊｡＊｡＊
甘めです(´ﾟωﾟ｀)

壱助さんって
意外と寂しがり屋ｗ？
香夜ちゃんに
構ってほしいんだと思う←
香夜ちゃんを抱きしめたくて
たまらないんだと思う←

壱助さんの意外性を
表現したかったですｗ
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/4676/

　
少しの人情
少しの気の迷い

たった其れだけでも
"月夜に釜を抜かれる"事がある

いつ何時も
油断しては成らぬと言うのに‥

ねぇ､香夜さん‥

：
：

誘拐されました｡

自分でも
よくまだ理解できてません

とりあえず
暗いっ!怖いっ!!

壱助さぁぁあんっ!!

：
：

ついさっきのこと｡

壱助さんのお茶を買うため
いつも通り街に出ました

｢あーあ‥
本当に毎回毎回
なくなるのが早くなる
もう一週間で飲み切って‥
ありえない､あの人｣

ぶつぶつ言いながら
大量に買った
お茶の袋を抱えて帰る途中

　
目の前にうずくまった女の人

｢大丈夫ですか？｣

声をかけて顔を覗き込めば
それはそれは美しい方で

｢少々‥立ち眩みがして｣

頭を抑えて眉間に皺を寄せていた

　
あまりに辛そうで
放っておけるわけもなく
‥普通は放っておかないか

｢あの‥立てますか？
此処じゃ危ないので何処か‥｣

誰だって油断するでしょう
誰だって心配するでしょう

　
肩を貸して立たせてあげた瞬間

｢‥？!｣

腹部に走った激痛
よく覚えてないけど
多分殴られたんだと思います

：
：

そこから全く記憶がなく
気付いたら真っ暗闇で

しかも
手足縛られ‥口塞がれ

‥此処どこなのよぉーっ!!

って叫びたくても叫べない
‥辛いです

　
｢お律様､
あの男がもうそろそろ此方へ‥｣

微かに男の低い声が
向こう側から聞こえた

｢そうかい‥
相当此の娘気に入ってるのかい｣

次に聞こえたのは女の‥
ん‥？

　
―‥もしかして
『少々‥立ち眩みが』

‥あぁあああ!!
さっきの女の人の声だ

｢‥憎たらしい娘だねぇ｣

チッと舌打ちが聞こえた
さっきの雰囲気とは大違い