君に告げる
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#49 [すー]
タオルをとって、豊川薫と名乗った子をちゃんと見ると、ここぞとばかりに話し始めた。
「すごく心配なんです、何も考えられないくらい。でも、どうして……三橋先輩は平気だと言うんですか?私は桜田先輩を…春姫をずっと見てきました、だから!」
握り拳を作りながら話す豊川をみていると、腹立たしい気持ちとともに呆れた気持ちが出てきた。
「愛の告白なら本人の前でしてくれない?」
「そんなんじゃありま…」
「豊川が春姫を大切に思ってることは分かったから……じゃあね」
:10/02/01 16:09
:F706i
:JQdT5zys
#50 [すー]
そう言ってその場を立ち去るが、背中をじっと見られているのが分かった。
「死んじゃったら愛の告白もできない……か」
ポソリといった言葉は豊川に聞こえることなく廊下に消えていった。
:10/02/01 16:14
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#51 [すー]
『桜田先輩、何を書いてるんですか?』
『手紙かな?』
『手紙かな?って…ラブレターですか?』
『そうとも言うけど……そうとも言えない手紙』
『でも先輩から貰えるなんて…その人は幸せですね!』
:10/02/01 19:12
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#52 [すー]
幸せですね、そう言って春姫の表情をみた時、言ってはならないことに触れてしまったのだろうかと豊川は思った。
『……どう思われてもいいの、ただ知ってくれればそれでいい』
嬉しそうに悲しそうに言ったその言葉が、まだ豊川の頭に残っていた。
「三橋先輩……」
豊川はそんな春姫との会話を思い出しながら三橋が静かに歩いていくのを見ていた。
:10/02/01 19:21
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#53 [すー]
………―――
あの子は春姫の何なんだろう。
ただの後輩なんだろうけど。
ずっと見てきたって……入学してまだ半年しか経ってないのに。よく言うよ。
私の方が……
私の方が?
認めたくない。
けど、豊川よりも私の方が春姫を見てる。
:10/02/01 19:38
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#54 [すー]
笑ってる春姫
静かに泣く春姫
不機嫌な春姫
豊川よりも…いやこの学校の誰よりも春姫のことをずっと見てきた。
私にしか見せない顔。
あぁ…ダメだ。
どうして彼女を許せないのだろう。
:10/02/01 19:43
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#55 [すー]
『違うの!瑠衣!話を聞いてっ』
『許されようなんて思ってない!』
『お願い最後まで話を聞いて』
『瑠衣!』
:10/02/01 19:47
:F706i
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#56 [すー]
あの時後ろから耳にした春姫の声が今更になって私を引きとめている。
春姫はきっと可愛らしい顔をぐしゃぐしゃにして叫んでいたのだろう。
次の日から下駄箱には桜の花びらの手紙が入っていた。
次の日もその次の日も。手紙は途切れることなく下駄箱に入って読まれることを待っていた。
:10/02/01 19:54
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#57 [すー]
「嫌になるな」
思わず口に出てしまう。いや、出していないと負けてしまいそうだ。
時計をみると6時になりそうだった。
二度寝をしたらまた春姫が夢に出てきそうで怖くなる。
外は晴れているし、久しぶりに散歩でもしよう。そう考えると体が楽になった気がした。
:10/02/01 20:13
:F706i
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#58 [すー]
:10/02/01 23:13
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