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#21 [コウ]

Title:献身 (2)

『……はぁ』

君が仲間にモテるのは分かってる。君が素敵な人だから皆、君に集まるんでしょう。そんなの誰より分かってる。だから大切にして欲しい。仲間を、あなたの時間を。

(でも今日は、)





(付き合って一年なのに、な)

別に私の為に削ってなんて願わない。そんな事言ったら、きっと彼は離れて行ってしまうから。

⏰:10/02/02 18:08 📱:SH02A 🆔:☆☆☆


#22 [コウ]

Title:献身 (3)

だからただ少し、一緒にいてくれて、私のつまらない話に耳を傾け相槌を打ち、笑ってくれるだけで、充分だから。

私を見ていて下さい。そばに置いて下さい。たまにこっそり笑顔を向けて、私の心を潤して下さい。

今はそれ以上、何も望まないから。

本当は大好きだから構って欲しくて仕方がないけれど、君の足枷なんかにはなりたくないのよ。

⏰:10/02/02 18:09 📱:SH02A 🆔:☆☆☆


#23 [コウ]

Title:献身 (終)

だから、ね。せめて静かにひっそりと、君のそばにいたい。

いつか分からないけど、君が私を必要としてくれた時に、すぐに対応出来る様に。

きっと嘆く事もあるし、淋しくて泣くだろうし、癇癪をおこすかもしれない。けど、全ては君のために。





献身
(御身貴方に尽くします)
(例え心が枯れようと)



-end-

⏰:10/02/02 18:12 📱:SH02A 🆔:☆☆☆


#24 [コウ]
Title:look at (1)

初めにはっきり申し上げましょうか。あたくし、美しくなんてございません。言ってしまえば“不細工”という部類にございます。

擦れ違う人には後ろ指を差され、学校での友人もおりません。

あたくし、不細工なんでございます。

「あんた、綺麗な人だなぁ」

「はい?」



⏰:10/02/03 17:15 📱:SH02A 🆔:☆☆☆


#25 [コウ]
Title:look at (2)

今日もいつもと変わらず、学校で独りの一日を過ごし、帰り際に教室の花瓶の水を変えてきたところのこと。急に後ろから、聞き覚えのない男性の声が聞こえてまいりました。

「おぉ、やはりそうだ。後ろ姿が美しい人はすべてに置いて美しいようだ」

ちらりとあたくしの手元をに視線をやり、それからその方はジロジロと無遠慮にあたくしを眺めます。全く記憶にないその方はとても美しい男性で、まだ見慣れない西洋の洋服(確か“すーつ”と言ったかしら)を身に纏っておられました。



⏰:10/02/03 17:19 📱:SH02A 🆔:☆☆☆


#26 [コウ]
Title:look at (3)

どうやら新任の先生らしく、まだとても若々しい方でいらっしゃいます。失礼ながら同じ形の服をお召しになっている先生方よりも違和感が無く、寧ろ彼のすらりと伸びた背丈にはとても良く似合っていました。

「……おかしな方ですこと」

「おや、何故ですか」

あたくしは優雅に微笑むその彼から目を反らし、今さらながら着物の袖で顔を隠しました。だってあまりにも、彼が美しいから。羨ましいほど、純粋に澄んだ黒い瞳が醜いあたくしを映していると思うと、ひどく情けなくなってしまったのですもの。

⏰:10/02/03 17:22 📱:SH02A 🆔:☆☆☆


#27 [コウ]
Title:look at (4)

「何故お顔を隠されるのです。折角の美貌を出し惜しみする気ですか」

「おかしいわ。こんなあたくしを、その……き、きれい、だなんて」

自分で口にして更に心が沈みます。どうして自分で自分を貶めなければならないのでしょう。総てはこの異質で不細工な顔に問題があるのですが。

「何を言います。綺麗な人に綺麗と言って、何が悪い」

まるで舞台の役者様のように。彼は綺麗な顔をしかめて、大袈裟にそうおっしゃいました。

⏰:10/02/03 17:24 📱:SH02A 🆔:☆☆☆


#28 [コウ]
Title:look at (5)

「あたくしには、わかりません。どこを見て、きれい、だなんておっしゃっているのやら」

「綺麗だから綺麗と言ったんだ」

ああどうしましょう。からかわれているのかしら、全く話しが通じません。あたくしはどうしたものかと首を捻りました。

「では逆にお尋ねします。何故そこまでご自分を美しくないと、そうおっしゃるのです?」

なんて失礼な方でしょう。年頃の娘にそんなことをわざわざ尋ねるなんて。

⏰:10/02/03 17:25 📱:SH02A 🆔:☆☆☆


#29 [コウ]
Title:look at (6)

「ご覧になればわかりますでしょう?この髪も、肌も、目も、総て美しくない原因です」

あたくしはとても悲しくなってまいりました。目の奥がとても熱くなり、気付けば小さな泪が頬を伝っておりました。

「どうして泣いているのです」

「悲しいからに決まってます」

「どうして悲しいのですか」

少し慌てたようにそう尋ねるその人を、あたくしは睨んで差し上げました。

「あなたのような方にはわかりません。不細工な娘の心中など」

⏰:10/02/03 17:27 📱:SH02A 🆔:☆☆☆


#30 [コウ]
Title:look at (7)

あたくしがそう言って鼻を啜り上げると、彼はきょとんとした顔で目を瞬きし、一瞬の後に大きく声を上げて笑い出しました。なんて方でしょう。あたくしの悲しみは沸々とした怒りに変わり始めました。

「何がそんなにおかしいのですか!」

たまり兼ねてあたくしがついに声を荒げると、彼はふと真剣な顔であたくしとの距離を縮められました。

「おかしくてたまりません。あなたはご自分をご覧になったことはないのですか」

⏰:10/02/03 17:30 📱:SH02A 🆔:☆☆☆


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