僕と君【BL】
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#476 [郁。]
すべてを伝え終わるのにどれだけの時間が掛かったのだろう。
話し終えると遥希は“ありがとう“それだけ言って俺を優しく抱き締めた。


ちゃんと伝わったのかな‥。
一日泣きすぎて疲れたのか安心したのか瞼がゆっくりと重くなっていった。

⏰:11/10/13 12:33 📱:F03B 🆔:vwHphlOI


#477 [郁。]
――――――――――‥‥
―――――――‥‥‥

目を覚ますとベッドに寝かされていた。
遥希の姿は見当たらないが、遥希の鞄はそのままだった。
時計に目をやると、あまり時間は経っていないようで午後7時を針がさしていた。

重い腰をあげて階段を降りるとリビングから賑やかな笑い声が聞こえてきた。

⏰:11/10/13 12:35 📱:F03B 🆔:vwHphlOI


#478 [郁。]
リビングのドアを開けると、母さん、姉ちゃん、遥希の視線が俺に集まる。
父さんは残業だろうか、姿は見当たらなかった。
母さんと姉ちゃんが遥希くんがいるのに寝るなんてー、と冗談混じりに笑っていた。
遥希にご飯をよそいながら母さんが俺に言った。

「ご飯食べるでしょ?それと、急にお天気崩れちゃってねー父さん今日は帰ってこれないみたい、遥希くんも危ないから泊まってもらいなさいね。」

⏰:11/10/13 12:38 📱:F03B 🆔:vwHphlOI


#479 [郁。]
短く返事を返して遥希の隣に腰掛ける。
夕飯の時間はいつもより賑やかだった。
食べ終えて母さんが片付けを始めた頃に思い切って声をかけた。

「‥母さん、話がある。」

食器を洗いながら声だけをこちらに向ける。

「なあに。」

遥希と姉ちゃんは俺の隣でお茶を片手に黙っていた。

⏰:11/10/13 12:42 📱:F03B 🆔:vwHphlOI


#480 [郁。]
「‥っ、俺‥‥保育士になろうと思う‥。」

母さんは就職を希望していた。
だから結構勇気を振り絞った。
しかし。

「‥だめよ。」

思わず遥希が口を出しそうになる。
それを横目で大丈夫と訴えてから、母さんにどうしてと聞き返す。

⏰:11/10/14 07:05 📱:F03B 🆔:0maLPDVc


#481 [郁。]
「‥じゃあ‥‥母さんのこと、ままって呼んで‥。」

は?思わず口から本音が零れた。

「だって‥!歩ってば、最近遥希くんばっかりで‥‥、たまには母さんも構ってよ‥。」

遥希が思わず噴き出した。
その隣で姉ちゃんが口を開いた。

⏰:11/10/14 07:07 📱:F03B 🆔:0maLPDVc


#482 [郁。]
「母さんずるいっ!じゃあ私も加奈美ちゃんって呼んでよ!」

「ふ、二人して何言って‥。」

馬鹿親子っぷりに溜め息がひとつ。
でも、まあ――‥‥

「‥っま‥ま、加奈美‥‥ちゃ、ん‥お願いします‥‥。」

‥俺今真っ赤なんだろうな。

⏰:11/10/14 07:11 📱:F03B 🆔:0maLPDVc


#483 [郁。]
リビングに笑いが溢れた。
それから少しして母さんは呟くように言った。

「好きにしたらいいの、もう親にどうこう言われる歳じゃないんだし。それで後悔するもしないも、歩次第なんだからね。」

「‥うん、‥あ、俺風呂入るわ‥っ!」

最近俺涙腺が弱いのか、どうも感情的になってしまう。
目頭が熱くなるのを堪えて、それが精一杯の一言だった。

⏰:11/10/14 07:16 📱:F03B 🆔:0maLPDVc


#484 [郁。]
溜め息を落として脱衣所で制服を脱ぎ散らかす。
上半身が裸体になったところで鏡の中の自分に目をやると、目が少し腫れていた。
うーと思いつつ瞼をぱちぱちさせると脱衣所のドアがゆっくりと開いた。

「‥歩。」

「えっ、わっちょ、はる‥っん!」

声を上げそうになって遥希に口を手で塞がれた。
遥希はあいた手で脱衣所のドアに鍵を掛けると俺を解放した。

⏰:11/10/14 07:20 📱:F03B 🆔:0maLPDVc


#485 [郁。]
小声でなにと尋ねると遥希は俺をきつく抱き締めて、耳元で一言。


「―――‥‥抱きたい。」


耳まで真っ赤になりながら、その誘いに頷くしかなかった。


――――――――――‥‥
―――――――‥‥‥‥

⏰:11/10/14 07:22 📱:F03B 🆔:0maLPDVc


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