記憶を売る本屋さん
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#1 [我輩は匿名である]
初めて小説書きます。

たまに文章おかしいかもですが、頑張ります(*^^*)

荒らしはお断りです!

⏰:10/03/22 13:41 📱:PC 🆔:W0uoRcww


#2 [我輩は匿名である]
ある街に、1つの都市伝説が伝えられている。

『道を歩いていると、身体の2倍ぐらいの大きさのリュックを背負って、

 まるで仙人のような顎ひげを伸ばし、サングラスを掛けた

 色黒の老人が、1冊の本を手渡してくる。

 言葉巧みに、半ば強引に。

 本を渡されるのは極少数だが、本を読むと最後。

 突然家を飛び出して捜索願を出される者もいれば、

 最悪の場合、自ら生を投げ出す者もいる。』

 それゆえ、「本をもらった人は殺される」と噂されている…。

⏰:10/03/22 13:48 📱:PC 🆔:W0uoRcww


#3 [我輩は匿名である]
「最近あの話聞かないな」

下駄箱で靴を履き替えながら、ふと、秋月直人は言った。

「何だよ、突然」

友人の月城薫は、きょとんとして言葉を返す。

「だって、俺達が高校受験に励むぐらいから、1回も聞いてねぇだろ」

「まぁ、言っても半年ぐらいだけどな」

薫は大した事なさそうに笑って、上靴を下駄箱に放り込んだ。

⏰:10/03/22 13:53 📱:PC 🆔:W0uoRcww


#4 [我輩は匿名である]
確か最後に聞いた話は、19歳の女性が行方不明になり、

1週間後に電車にはねられて亡くなった。

彼女の自室から、タイトルのない、黒い四六版サイズの本が発見さ

れたという話だった。

「いいじゃん、その方が平和で」

「まぁそうだけどよ」

「それに」

薫は身体ごと直人に向ける。

「死なない人だっているんだろ?」

その一言に、直人はぽかんとする。

そんな話、聞いた事がない。

たまたま、今まで耳にしなかっただけかもしれないが。

⏰:10/03/22 14:04 📱:PC 🆔:W0uoRcww


#5 [我輩は匿名である]
出だし面白い!
期待してます!

⏰:10/03/22 14:10 📱:P01A 🆔:☆☆☆


#6 [我輩は匿名である]
「え、そんな奴いんの!?」

「俺はそういう話聞いたけど?読んだ人ほとんどが狂うのは本当みたいだけど」

「へぇ〜!じゃあ俺も読んでみてぇ!!」

直人はやっと歩き出しながら、ちょっと興奮したように両手を握りしめる。

薫は笑って何か言おうとしたが、急に真顔で「あ!」と声をあげた。

「教室に弁当箱忘れた」

「何だよもう…。取って来い!」

直人はビシッと階段を指さすが、薫は浮かない顔。

「…何だよ。ついて来いってか?やだね、めんどくせぇ」

「ちっ」

悔しそうに舌打ちして、薫はまた靴を履き替え始めた。

「俺その辺で待ってるからな」

「んー…」

ため息をついている薫を尻目に、直人は校舎の外に出る。

⏰:10/03/22 14:12 📱:PC 🆔:W0uoRcww


#7 [我輩は匿名である]
>>5さん

ありがとうございますっ(>∀<)!!

長くなりそうな気がしますが、のんびり読んでいただけたら嬉しいです♪

⏰:10/03/22 14:14 📱:PC 🆔:W0uoRcww


#8 [我輩は匿名である]
この間入学式を迎えたばかりで、今でも校舎や、学校からの景色をみるだけでワクワクする。

好奇心旺盛な直人は、未だに物珍しそうにあたりをきょろきょろする。

しかし、その場で1周した瞬間、ぴたっと動きを止めた。

かろうじて校門が視界に入る角度で。

心臓がバクバクと大きく鼓動し始める。

「(…今…校門に…)」

周囲には直人以外誰もいない。そう思っていた。

校門を見るまでは。

「(…まさか…な…)」

恐る恐る、ゆっくりと、本当にゆっくりと、校門に目を向ける。

校門周辺には、誰もいなかった。

「気のせいか」と、全身の力が抜け、直人は大きく息をついた。

「気のせいじゃないよぅ〜?」

背後でしゃがれた声がした。

⏰:10/03/22 14:24 📱:PC 🆔:W0uoRcww


#9 [我輩は匿名である]
顔からサーッと血の気が引いた。自分でそれがわかるほどに。

下駄箱を見ても、まだ薫が戻ってくる気配はない。

足が、全身が小刻みに震えだす。

「なぁ、君、本は好きかぃ?」

声が尋ねてくる。

「…い…いや…きっ、嫌い…」

さっき、「じゃあ俺も読んでみたい!」と言った事を後悔した。

だから『あの老人』が来たんだ、と。

噂は飽きるほど聞いていても、対処法なんて1度も聞いた事がない。

「嫌い」としか言えなかった。

しかし、声は諦めてくれない。

「そんな事言わずにさぁ。君の為の本があるんだよぉ、1冊。

 1回読んでみなさいな、ねぇ?」

話の途中に、誰かが後ろから直人の肩に手を置いた。

⏰:10/03/22 14:31 📱:PC 🆔:W0uoRcww


#10 [我輩は匿名である]
しわしわの、日焼けしたように赤黒い手。

服の袖元は擦り切れたり、破れたりしていて、不潔なイメージしか出てこない。

「お…俺の為の本…?」

呼吸が小さく、多くなっているのに今気付いた。

「そうそう」

肩に置かれていた手が離れる。

背後から聞こえるごそごそという音に、直人はじっと耳を傾ける。

時間がものすごく長く感じられる。本以外のものが出てきたらどうしよう、等と考えてしまうほどに。

「ほれ」

直人の身体の右側から、ひゅっと何かが覗き込んだ。

それは、1冊の本だった。

⏰:10/03/22 14:38 📱:PC 🆔:W0uoRcww


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