記憶を売る本屋さん
最新 最初 全 
#327 [我輩は匿名である]
「そこで何してるの?」
「えっ、いや…」
「お見舞いに来たんですけど…」
「そうそう、でも薫寝てるし」
「香月さんもどっか行ってるし…」
2人は慌てて弁解する。
「あぁ、お友達?あんまり怪しかったから、何かと思って」
看護師はきょとんとしている。
「あんたがもたもたしてるからよ」
「俺のせいかよ!」
2人は小声で言い合う。
:10/04/06 16:25
:N08A3
:Q2X/nrjY
#328 [我輩は匿名である]
「香月さんなら、今検査に行ってるわよ」
看護師も同じように、こそっと2人に耳打ちする。
「そうなんですか」
「ところでこの2人、やっぱ恋人同士なの?」
看護師が目を輝かせて聞いてきた。
女はみんなこうなのかと、直人は呆れ返る。
「さぁ…どうなのよ、そこんとこ」
「また俺!?ま、まぁ友達未満恋人以上…?」
「逆でしょ、それ」
今度は女子が呆れる。
:10/04/06 16:26
:N08A3
:Q2X/nrjY
#329 [我輩は匿名である]
「えー絶対彼氏だと思ってたのに」
「何で?」
「だってさっき…」
看護師が何かを言おうとした時、薫が大きな咳払いをした。
「(起きてる…)」
直人と女子がぎょっとする。
「大丈夫?痰絡んでるから吸引した方がいい?」
「大丈夫です」
看護師の問いに、薫は低い声ではっきりと返事をした。
:10/04/06 16:26
:N08A3
:Q2X/nrjY
#330 [我輩は匿名である]
「そう?また何かあったらすぐ言って下さいね」
看護師はそう言って、逃げるように部屋を出ていった。
2人は「どうしよう」と顔を見合わせる。
「…そんな所に突っ立ってないで、入れよ」
薫が少しイラッとしたように言った。
2人は説教される気で、「はい…」と中に入る。
薫の視線が痛い。
「い、いつから起きてたの?」
「『香月さん、いないよ』で目が覚めた」
「お前のせいじゃねーかよ」
:10/04/06 18:33
:N08A3
:Q2X/nrjY
#331 [我輩は匿名である]
「何でそうなるのよー」
「…黙れ。ここ病院だぞ」
「はい…」
少し大きな声がまた言い合う2人に、薫が静かに言い捨てる。
「…怪我、やばそうだな」
「いや、そうでもないよ。じっとしてればほとんど痛くないから」
「そっか、良かったね」
女子がホッとしたようににっこり笑う。
薫はじーっと女子を見つめる。
:10/04/06 18:33
:N08A3
:Q2X/nrjY
#332 [我輩は匿名である]
「…昨日から思ってたんだけどさ」
薫が口を開く。
「うん」
「…あんた、誰?」
薫が言って、直人も思い出したように「そうだよ!」と声を上げる。
「お前誰?何で俺のケータイ持ってたの!?ストーカー!?」
「直人、うるさい」
「ストーカーなわけないでしょ!『落としてたから』って言ったじゃん!」
女子は小声で直人に言い返す。
:10/04/06 18:34
:N08A3
:Q2X/nrjY
#333 [我輩は匿名である]
「私、香月さんの隣のクラスの安斎奏子」
「あんざいかなこ?」
「そうよ、何か文句ある?」
「いや、ないけど」
直人と奏子のやり取りを見て、薫は小さく笑った。
2人はきょとんとする。
「…何だよ」
「いや、何かお似合いだなぁーと思って」
「誰がこんな奴と!」
直人と奏子はそろって互いを指差す。
:10/04/06 18:34
:N08A3
:Q2X/nrjY
#334 [我輩は匿名である]
息がピッタリな2人に、薫は声を上げて笑う。
「あー、いたたたた…」
「大丈夫?」
「笑かすな…肋骨に響く…」
薫は左胸をさすりながら呼吸を整える。
「ねぇねぇ、やっぱ香月さんの彼氏さんなの?」
奏子は懲りずに薫の尋ねる。
直人は呆れながら奏子を見下ろす。
:10/04/06 18:38
:N08A3
:Q2X/nrjY
#335 [我輩は匿名である]
「彼氏…まぁ彼氏だろうなぁ」
薫は曖昧な返事をする。
奏子も「何それ?」と首をかしげる。
「何かしっくりこないなぁと思って」
「それ以上の関係そうだもんな、お前ら」
「それ以上!?」
奏子は愕然とする。
同時に、薫は直人を睨み上げる。
:10/04/06 18:39
:N08A3
:Q2X/nrjY
#336 [我輩は匿名である]
「えっ、えっ、まさか…」
「言っとくけど、俺まだキスとか手出したりとかしてないからな」
「『まだ』!?」
女子は「真面目そうに見えるのに…」と、哀れみの視線を薫に送る。
「もう帰れ!俺は疲れてるんだ!」
薫は2人を怒鳴り付ける。
:10/04/06 18:40
:N08A3
:Q2X/nrjY
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194