記憶を売る本屋さん
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#388 [我輩は匿名である]
「私、ずっとあそこで待ってたのに!」
晶は「見損なった」という目で要を見る。
今度は逆に、要と直人がその言葉を疑った。
「待ってた?だって、2時になっても来なかったじゃないか!」
「あの日は、小さい子のお世話してたらちょっと遅れて…。
でも、遅れたって言っても2、3分だけよ!
私、走って行ったのに…」
「だ…だって、あの日は来れないって…」
「いい加減な事ばっかり言わないでよ!!
いつ私がそんな事言った!?」
:10/04/07 22:56
:N08A3
:yPxyjGr2
#389 [我輩は匿名である]
「…え…?」
2人ともわけがわからない。
しかし、少し考えて、直人は理解した。
「…あいつ…俺達をはめたって事か…?」
美代が「伝言だ」と要のところに来た、あの日。
理由がない事しか気にしていなかった要と直人。
それが、美代が勝手に作り出した嘘だったとしたら…。
「…あの人は、そんなんじゃないよ」
要は先に、あの女性の話をするつもりのようだ。
:10/04/07 22:57
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#390 [我輩は匿名である]
「あの人は、俺に道を聞いてきたんだ。姫崎公園に行きたいって。
説明するだけにしようかと思ってたけど、ややこしいし…。
晶ちゃんも来なかったから、案内した方が早いと思ったんだ」
「…道案内だけであんなに楽しそうに喋れる?」
晶は全く信じてくれない。
「…さっきから思ってたんだけど…」
さすがに要も腹が立ってきたのか、不機嫌そうに言い返す。
「晶ちゃん、何で俺達が一緒に歩いてたの知ってるの?」
要が女性を案内した道は、待ち合わせ場所から角を曲がらないと見えない。
要はそれがひっかかっていたらしい。
:10/04/07 22:57
:N08A3
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#391 [我輩は匿名である]
晶はなぜか、うつむいて黙り込む。
「………後をつけてきてたの?」
そう聞いても、晶はまだ返事をしない。
否定しないという事は、そうなのだろう。
「…もう意味わかんねぇよ…」
直人はモヤモヤして仕方がない。
晶も要も、ただ黙り込む。
「…もう信じないよ、…何言われても」
晶は言った。
:10/04/07 22:58
:N08A3
:yPxyjGr2
#392 [我輩は匿名である]
「晶ちゃん…!」
「やっと信じられる人を見つけたのに…その人にまで裏切られたら、
何も信じられなくなるに決まってるじゃない!
大っ嫌いよ!あんたなんか!!二度と来ないで!!」
晶は叫ぶようにそう言って、逃げるように走りだす。
要も反射的にそれを追う。
:10/04/07 22:58
:N08A3
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#393 [我輩は匿名である]
「…要…何で気付かねぇんだよ…!」
素直な要は、美代が疑わしいという考えには、まだ行き着いていないのだろう。
美代が勝手に言いに来たという事を話せれば、晶も話を聞くかもしれないのに。
「こいつが…俺だったら…!」
直人は悔しくて仕方がなかった。
ここにいるのが自分なら、晶に全て話せるのに。
:10/04/07 22:58
:N08A3
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#394 [我輩は匿名である]
あと少しで追いつく。
ちょうど、目の前にある信号は、赤。
ラッキー。直人は思った。
しかし、晶の走る速さは緩まない。
あとほんの4〜5m。
「信号ぐらい守れよ…あのバカ女…!」
直人はそう願ったが、晶には信号など見ている余裕はなかった。
:10/04/07 22:59
:N08A3
:yPxyjGr2
#395 [我輩は匿名である]
晶が飛び出すと同時に、大きなクラクションの音が鳴り響く。
そのまま走り抜けてくれれば良いのに…。
晶は直人の願いをことごとく無視し、車線のど真ん中でびっくりして足を止めてしまった。
あれでは「はねて下さい」と言っているようなものだ。
飛び込むように、要は思いっきり地面を蹴る。
:10/04/07 22:59
:N08A3
:yPxyjGr2
#396 [我輩は匿名である]
「まさか…」
そう、そのまさかだった。
要が両手で思いっきり、晶を突き飛ばした。
晶はその勢いで、向こうの歩道近くまで弾き飛ばされる。
要はそれを見て、少し笑う。
視界の端には、急ブレーキをかけつつも突っ込んでくるトラックが見える。
もうだめだ。2人がそう感じた直後、言い表わせないような大きな衝突音が、辺りに響き渡った。
:10/04/07 23:00
:N08A3
:yPxyjGr2
#397 [ま]
うおー(´・ω・`)
気になる終わり方(´・ω・`)!
:10/04/08 00:14
:P04A
:D8BvOrpE
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