記憶を売る本屋さん
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#578 [我輩は匿名である]
「うん」
飛鳥はホッとしたように少し笑った。
「じゃあね!」
奏子と響子は、飛鳥と直人に手を振って、教室を出て行った。
「…第一歩って感じ?」
直人はニッと笑って飛鳥を見る。
しかし、飛鳥はまるで埴輪のように呆然とする。
「なんか…びっくりした…」
「嵐みたいな奴だからな、あいつ」
「…でもなんか…面白かったかも…」
:10/04/14 21:46
:N08A3
:OramDDpE
#579 [我輩は匿名である]
「言っとくけど、楽しいばっかりじゃないからな?
喧嘩とかする時もあるんだからな?」
「…そうだね、忘れてた」
飛鳥が意識を全部戻してきたところで、ちょうどチャイムが鳴った。
「じゃ、まぁ何かあったら言ってこいよ」
直人はそう言って、自分の席についた。
:10/04/14 21:47
:N08A3
:OramDDpE
#580 [我輩は匿名である]
1時間目が終わるチャイムが鳴り、奏子が教科書を返しにやって来た。
「神崎さん、だっけ。ありがとう」
奏子は笑って、飛鳥に教科書を手渡す。
「…ねぇ、…安斎さん」
飛鳥は思い切って、自分から話し掛ける。
「ん?」
「…昼ご飯、誰と食べてる?」
「お昼ご飯?響子と食べてるよ。一緒に食べる?」
奏子は、飛鳥が頼むより先に昼食に誘った。
:10/04/15 11:04
:N08A3
:oE0S7Qqw
#581 [我輩は匿名である]
「えっ…いいの?」
「いいよ?おいでおいで」
「…うん…!」
飛鳥は大きく頷く。
直人は気付かれないように、その様子を見ながらホッとしていた。
:10/04/15 11:04
:N08A3
:oE0S7Qqw
#582 [我輩は匿名である]
:10/04/15 19:13
:F03B
:92JHW.eU
#583 [我輩は匿名である]
次の月曜日。
直人は登校して来てすぐに、目を丸くして足を止める。
下駄箱で、ジャージ姿の薫が、響子に付き添われて靴を履いていたのだ。
「薫!?」
「ん?よぉ」
「よぉ。じゃねーよ!来れるようになったんなら言えよ!!」
「びっくりさせてやろうと思って」
「いらねぇよ!!」
直人はテンションがおかしくなって、朝から大声を上げる。
:10/04/15 20:23
:N08A3
:oE0S7Qqw
#584 [我輩は匿名である]
「一応登校は許可されたからさ。まだこっちの腕使えないけど」
薫は左腕を見ながら直人に言う。
「折れた骨があんまりズレてないらしいし、だいぶ痛みも引いたからさ。
もちろん体育とかは出来ないけど、休みすぎるとダブるし」
「そっかぁ…。ま、マシになって良かったな!俺も何かホッとしたわ!」
直人は満面の笑みを見せる。
:10/04/16 09:13
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:67c2oJas
#585 [我輩は匿名である]
「おはよー」
3人が下駄箱で立ち止まっていると、奏子と飛鳥も登校してきた。
「おう。珍しいな、一緒に来るなんて」
「…ちょうどそこで会ったからさ」
飛鳥はそう言いながら校門を指差す。
「あー、それでか」
「あっ、月城くんだっけ?あんた学校来れるようになったんだね」
「あぁ、まぁ…」
薫はすぐに誰だったか思い出せず、少しぽかんとする。
:10/04/16 09:14
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:67c2oJas
#586 [我輩は匿名である]
「…奏子、日直って言ってなかったっけ」
「へ?あぁっ、そうそう!じゃあまたお昼休みね」
奏子はそう言って、さっさと靴を履きかえて走っていった。
4人はボーッと、奏子の走っていく背中を見る。
「忙しい子だねぇ」
4人の背後で、老人のしゃがれた声がした。
:10/04/16 09:14
:N08A3
:67c2oJas
#587 [我輩は匿名である]
直人と飛鳥は素早く、薫と響子はゆっくりと振り向く。
そこには、直人達に本を渡した、あの老人が立っていた。
「…おっさん…」
「死ななかったんだねぇ、君」
驚いて立ち尽くす直人をよそに、老人はニヤッと笑って飛鳥に言った。
「わしはてっきり、後ろの彼に殺されでもすると思ってたがのぉ」
老人は小汚い手で薫を指差す。
飛鳥も「は…?」と薫に目をやる。
「…何だ、俺が誰か知らなかったのか」
薫は不思議そうに答える。
:10/04/16 13:25
:N08A3
:67c2oJas
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