記憶を売る本屋さん
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#559 [我輩は匿名である]
しかし次の日、飛鳥は学校に来ていなかった。

右手のひらに包帯を巻いてきた直人は不思議に思い、担任の所に行ってみる。

「なぁ先生。神崎は?」

「あぁ、神崎は体調不良らしいぞ。でも今日はちゃんと自分で電話してきたな。

昨日までは、…なんかわかんないけど。

水無月、お前神崎と仲良いのか?」

「は?あ、まぁ…」

直人は頷く。

⏰:10/04/14 11:30 📱:N08A3 🆔:OramDDpE


#560 [我輩は匿名である]
「ほー。じゃあ大丈夫だな」

「何が?」

「いやぁ、やっぱ友達いないと楽しくないだろ?

それでちょっと不登校気味になったのかなぁと思ってたんだけどな」

担任は明るく笑う。

直人は「その通りだったんだけどな」と思いながら笑い返した。

⏰:10/04/14 11:31 📱:N08A3 🆔:OramDDpE


#561 [我輩は匿名である]
その放課後、直人は薫の家に行った。

「どうだった?」

部屋に入るなり、薫は直人に尋ねる。

「うん、大丈夫。多分立ち直ったと思う」

「その手はどうしたんだ?」
薫は直人の左手を見る。

「ああ…これは…あいつを止めるのに、ちょっとな」

「ふうん…、大丈夫なのか?」

「大丈夫大丈夫。オカンが大げさに巻いてるだけ」

直人は平気そうにパタパタと手を振ってみせる。

⏰:10/04/14 11:31 📱:N08A3 🆔:OramDDpE


#562 [我輩は匿名である]
「…あいつも、もう2度とあんな事しないと思うし、一件落着だな」

疲れたようにため息を吐く直人を見ながら、薫は小さく笑う。

「あーぁ、俺も暇だし、学校行きてぇなぁー」

「来れば?」

「無理だろ。歩くだけでも痛いのに」

「そんなに痛いのか?」

「痛いに決まってるだろ。これ取れるのに最低でも2ヶ月ぐらいかかるんだぞ?」

「そんなかかんの!?」

⏰:10/04/14 11:33 📱:N08A3 🆔:OramDDpE


#563 [我輩は匿名である]
「らしいぞ。今痛み止め飲んでるからましだけど、切れたらかなり痛いからな」

「えー…」

「まぁ明日また病院行くから、その時にどう言われるかだな。

痛みが引いて、腕上げなくていいなら学校行けるだろうけど」

「そうなのか…」

⏰:10/04/14 11:34 📱:N08A3 🆔:OramDDpE


#564 [我輩は匿名である]
直人はそこまで重症だとは思っていなかったため、ぽかんとする。

「ま、ゆっくり休めよな。俺もまた来てやるからよ」

直人は「よっこらしょ」と立ち上がる。

「あぁ。また何かあったら言って来い」

薫は空いている右手を上げる。

直人も「じゃあな」と手を振り、薫の家を出た。

「(2ヶ月か…大変だなぁ、あいつも…)」

直人は少しつまらなそうに家まで歩く。

少し違うが、今までの平凡な日常が戻ってきている気がした。

⏰:10/04/14 11:34 📱:N08A3 🆔:OramDDpE


#565 [我輩は匿名である]
…のだが。

次の日、直人を含むクラスメイト全員が、ただ目を丸くしていた。

その視線の先には、茶色い頭で、スカートの丈もきちんと戻した飛鳥の姿。

「…お前…どしたの?その髪の毛」

直人に聞かれて、飛鳥はだいぶ恥ずかしそうに髪を触る。

「染めたんだよ、見たらわかるだろ」

「じゃなくて!金は?無かったんじゃなかったのかよ?」

「親にもらった」

「はぁ…?」

直人はただきょとんとする。

⏰:10/04/14 21:41 📱:N08A3 🆔:OramDDpE


#566 [我輩は匿名である]
「だって、弟だけ小遣いもらって、私には無かったんだよ?

どー考えたって不公平だろ。だから、昨日もらったの、今までの分」

飛鳥は当然の事のように言いながら、自分の席に座る。

「…いくらもらったんだよ?」

「5万」

「一気に!?」

「だから、今までの分だっつっただろ」

飛鳥は言いながら、まだ髪を気にしている。

⏰:10/04/14 21:41 📱:N08A3 🆔:OramDDpE


#567 [我輩は匿名である]
「………変、かな?」

「…いや、今の方が絶対良いと思うけど。ヤンキーみたいだったし」

「ヤンキーって言うな!」

「どー見てもヤンキーだろ!」

「っさいなぁ!」

2人は大きな声で言い合う。

「…ま、いいんじゃねーの?今は普通に見えるし」

「…じゃあ、いい」

2人は目立っているのに気付いたのか、急に大人しくなった。

⏰:10/04/14 21:42 📱:N08A3 🆔:OramDDpE


#568 [我輩は匿名である]
「…そういえば、あんたの相棒は?休み?」

「はぁ?何をいまさら…」

直人はそう言いかけてやめる。

薫達が怪我をした時は、飛鳥は本の内容でそれどころではなかったのだ。

「…あー、ちょっといろいろあってな。ほぼ絶対安静って感じ」

「…何かよくわかんないけど、大変だったって事だね」

飛鳥は言いながらため息を吐く。

⏰:10/04/14 21:42 📱:N08A3 🆔:OramDDpE


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