記憶を売る本屋さん
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#575 [我輩は匿名である]
「まぁな…。あいつ、ちょうど友達探しするって言ってたし」
「そうなの?…あぁ、そっか、“前”の理由がアレだったもんね」
おそらく、薫から聞いたのだろう。
響子は晶の自殺の理由を知っているようだった。
「まぁ、そーゆー事だな。安斎なら、そっからいろいろ繋がりそうな気もするし」
「奏子ちゃん、意外と私といる時が多いよ」
「へ、そうなのか?」
「うん。他の子とも仲は良いけど、浅く広く。
まぁ世渡り上手タイプだから、あの子にとっては勉強になるんじゃないかな?」
:10/04/14 21:45
:N08A3
:OramDDpE
#576 [我輩は匿名である]
「はーん、なるほどね。…つか、お前達何しに来たの?」
「あーっ、そうそう!」
直人の声が聞こえたのか、奏子がいきなり振り向いて返事をした。
彼女のペースに追い付けず、飛鳥はただぽかーんとする。
「今日ライティングある?教科書貸してほしくて」
奏子はぱちんと手を合わせる。
直人は一瞬考えて、とっさに「あ、俺も忘れた」と嘘をついた。
「えー」
奏子は「何それー」と肩を落とす。
:10/04/14 21:45
:N08A3
:OramDDpE
#577 [我輩は匿名である]
それと同時に、直人が飛鳥に目で合図を送る。
飛鳥は最初は「は?」と首をかしげていたが、「あぁ!」と声を上げた。
「わ、私持ってるよ!」
飛鳥の声に、響子と奏子が振り向く。
「本当っ?」
「うん…」
飛鳥はちょっと焦りながら、机の中をあさる。
「………あ、はい」
「ありがとー!1時間目終わったら、すぐ返しに来るからね!」
:10/04/14 21:46
:N08A3
:OramDDpE
#578 [我輩は匿名である]
「うん」
飛鳥はホッとしたように少し笑った。
「じゃあね!」
奏子と響子は、飛鳥と直人に手を振って、教室を出て行った。
「…第一歩って感じ?」
直人はニッと笑って飛鳥を見る。
しかし、飛鳥はまるで埴輪のように呆然とする。
「なんか…びっくりした…」
「嵐みたいな奴だからな、あいつ」
「…でもなんか…面白かったかも…」
:10/04/14 21:46
:N08A3
:OramDDpE
#579 [我輩は匿名である]
「言っとくけど、楽しいばっかりじゃないからな?
喧嘩とかする時もあるんだからな?」
「…そうだね、忘れてた」
飛鳥が意識を全部戻してきたところで、ちょうどチャイムが鳴った。
「じゃ、まぁ何かあったら言ってこいよ」
直人はそう言って、自分の席についた。
:10/04/14 21:47
:N08A3
:OramDDpE
#580 [我輩は匿名である]
1時間目が終わるチャイムが鳴り、奏子が教科書を返しにやって来た。
「神崎さん、だっけ。ありがとう」
奏子は笑って、飛鳥に教科書を手渡す。
「…ねぇ、…安斎さん」
飛鳥は思い切って、自分から話し掛ける。
「ん?」
「…昼ご飯、誰と食べてる?」
「お昼ご飯?響子と食べてるよ。一緒に食べる?」
奏子は、飛鳥が頼むより先に昼食に誘った。
:10/04/15 11:04
:N08A3
:oE0S7Qqw
#581 [我輩は匿名である]
「えっ…いいの?」
「いいよ?おいでおいで」
「…うん…!」
飛鳥は大きく頷く。
直人は気付かれないように、その様子を見ながらホッとしていた。
:10/04/15 11:04
:N08A3
:oE0S7Qqw
#582 [我輩は匿名である]
:10/04/15 19:13
:F03B
:92JHW.eU
#583 [我輩は匿名である]
次の月曜日。
直人は登校して来てすぐに、目を丸くして足を止める。
下駄箱で、ジャージ姿の薫が、響子に付き添われて靴を履いていたのだ。
「薫!?」
「ん?よぉ」
「よぉ。じゃねーよ!来れるようになったんなら言えよ!!」
「びっくりさせてやろうと思って」
「いらねぇよ!!」
直人はテンションがおかしくなって、朝から大声を上げる。
:10/04/15 20:23
:N08A3
:oE0S7Qqw
#584 [我輩は匿名である]
「一応登校は許可されたからさ。まだこっちの腕使えないけど」
薫は左腕を見ながら直人に言う。
「折れた骨があんまりズレてないらしいし、だいぶ痛みも引いたからさ。
もちろん体育とかは出来ないけど、休みすぎるとダブるし」
「そっかぁ…。ま、マシになって良かったな!俺も何かホッとしたわ!」
直人は満面の笑みを見せる。
:10/04/16 09:13
:N08A3
:67c2oJas
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