浮 き 世 の 諸 事 情 。
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#171 [笹]
「見殺しにした‥からです。
罪償いです、よ
私なりの‥償い。」
つり上がった唇
綺麗に弧を描いて
切ないため息がひとつ
「まぁ‥そんなのは
只の言い訳にしか
‥過ぎないのもしれません、ね」
:10/05/17 13:34
:D905i
:u/aJ89Bs
#172 [笹]
ばちりと目があった
いつもの鋭さはどこか柔らかくて
まるで自分に呆れるかのように
軽く鼻であしらった
「義務じゃあない‥
私の意思です、よ」
「意思?」
:10/05/17 13:35
:D905i
:u/aJ89Bs
#173 [笹]
「まぁ、まぁ
こんな重い話は‥
性に合わないでしょう」
正座から足を崩し
胡座をかいて
少しだけはだけた着物
息苦しかった空間が
あっという間に解けた
:10/05/17 13:35
:D905i
:u/aJ89Bs
#174 [笹]
「香夜さん‥ちょいと手を‥」
「手?」
「此方に‥、」
浮かんだ笑みは怪しくて
何か企んでるに違いない
この手を差し出したら
食いちぎられるかもしれない‥
失礼かもしれないけど
それくらい不気味な笑みで
:10/05/17 13:36
:D905i
:u/aJ89Bs
#175 [笹]
躊躇いながら右手を見つめれば
ぴくりと微かに飛び跳ねた
出し惜しみすれば
早くしろよと鋭い視線
「はい‥手」
「‥遅い」
:10/05/17 13:37
:D905i
:u/aJ89Bs
#176 [笹]
「すみませ‥ぎゃああっ!!」
やっぱり食いちぎられるのかと
疑ってしまうほど‥
勢い良く手を捕られ
引きちぎれるほど強く引かれた
「ななな‥なになにな‥」
「もう少し‥
色っぽい声出せませんかい?」
:10/05/17 13:37
:D905i
:u/aJ89Bs
#177 [笹]
「余計なお世話‥あぁです」
目の前に映るは純白の肌
すっと潔く伸びた鎖骨
見上げればもうすぐそこに
‥艶容な唇に甘い吐息
「‥あ、の」
「何、か」
:10/05/17 13:38
:D905i
:u/aJ89Bs
#178 [笹]
「近い‥気が」
少しでも動いたら
触れてしまいそうで
思考が停止してしまわぬよう
忙しなく働く鼓動
乱れた重低音が漏れないように
そっと中心に意識を寄せた
:10/05/17 13:38
:D905i
:u/aJ89Bs
#179 [笹]
「何か不都合でも、お有りで?」
「え‥あぁ」
「‥香夜さん」
ごくり息を飲む
魚のように泳ぐ目を
覚悟を決めてきつく閉じる
:10/05/17 13:39
:D905i
:u/aJ89Bs
#180 [笹]
「ん‥」
唇に軽く触れたのは
冷たく美しい指先だった
緩く唇の輪郭をなぞる
気が散漫する
長い睫が柔らかく揺れた
:10/05/17 13:39
:D905i
:u/aJ89Bs
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