浮 き 世 の 諸 事 情 。
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#1 []
「浮き世」とは
辛く儚い世の中または俗世間。

‥他にも意味がありますが、
説明するほどの物でも、

ないでしょう、ね

前スレ
bbs1.ryne.jp/r.php/novel-f/11263/
馬鹿でorder拒否にしてしまい
書けなくなってしまったので
立て直しました(´・ω・`)

⏰:10/03/28 23:39 📱:D905i 🆔:YbCY9nv6


#2 []



盆に滴り落ちた茶に
拭うように触れた

温いその液体は
じわり体に染み込んで

「幼、なじみ」

自らに言い聞かせるように
呟いた

⏰:10/03/28 23:40 📱:D905i 🆔:YbCY9nv6


#3 []
 
貴女を独占したい
結局は‥それが為

離したくはなかった
貴女が何処かへ
‥行ってしまいそうで、ね

倫次とやらに会った時の
あの嬉しそうな表情
めったに見れたもんじゃあない

⏰:10/03/28 23:40 📱:D905i 🆔:YbCY9nv6


#4 []
 
「‥やれ、やれ」


月を隠す歪な薄い雲
現れては流れて消えて

夜桜の白い花びらが
儚く散った

⏰:10/03/28 23:41 📱:D905i 🆔:YbCY9nv6


#5 []
 

放っておけない‥と言いますか

貴女が私を
捕らえて離さない、と

言うことですか‥ねぇ

⏰:10/03/28 23:41 📱:D905i 🆔:YbCY9nv6


#6 []



少し冷えた空気に
体が小さく震えた

うっすら息が白く染まる

「‥香夜」

羽織を着た倫次が
振り返り微笑した

あぁ‥羽織、忘れた

⏰:10/03/28 23:42 📱:D905i 🆔:YbCY9nv6


#7 []
 
「ごめん、遅れて」

「いや‥俺もさっき終わったから」

倫次に促され少し先を行く


砂利の上を歩けば
響く独特の音
なんだか懐かしくもあった

⏰:10/03/28 23:42 📱:D905i 🆔:YbCY9nv6


#8 []
 
「倫次‥ずっと働いてるの?」

「働いてる、って言うか
手伝ってるだけだけどね」

照れくさそうに笑った
目尻の皺が変わらない
たくさん笑ってる証拠かな

「‥香夜は?」

躊躇うように問ったその声が
あたしの奥をくすぐる

⏰:10/03/28 23:43 📱:D905i 🆔:YbCY9nv6


#9 []
 
あたしは‥いろいろあった


「あたし?あたしはー‥
うーん、元気だったよ?」

もどかしくてたまらないよ
いろんな事がありすぎて
どこから話たらいいか‥

必死の作り笑い
顔の筋肉がつりそうだ

⏰:10/03/28 23:43 📱:D905i 🆔:YbCY9nv6


#10 []
 
変わってしまっただろうか
倫次から見てあたしは
‥変わっちゃった?

「変わらないな」

「‥え?」

「相変わらず‥作り笑いが下手」

見破られた真実
倫次だけが気づいてしまうから
そのたび恥ずかしくなる

⏰:10/03/28 23:43 📱:D905i 🆔:YbCY9nv6


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