浮 き 世 の 諸 事 情 。
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#196 []
 
「物足りない‥と」

先ほどまで触れあっていた
艶容な唇がつり上がる

「我慢ならない‥か」


自分の手が
壱助さんの首に回ってることに
はっと気づく

⏰:10/05/27 21:25 📱:D905i 🆔:LasqqonI


#197 []
 
離そうとしたときには
‥もう手遅れで


「欲しがり‥です、ね」

「ちが‥」


違うこともない。図星です

⏰:10/05/27 21:26 📱:D905i 🆔:LasqqonI


#198 []
 
壱助さんはいい香りがする
お花みたいな匂い
金木犀に近い甘い匂い

ふわり香って
再び視界がぼやける


「ああ‥あの!!」

「何、か」

⏰:10/05/27 21:27 📱:D905i 🆔:LasqqonI


#199 []
 
そんな接吻に
脳内を洗脳されてる場合じゃない

はっきりさせなきゃいけない
今が‥そのとき


魚のように泳ぐ目を
ぴたりと彼に向けて


「あの‥
壱助さんは‥何なんですか?」

⏰:10/05/27 21:27 📱:D905i 🆔:LasqqonI


#200 []
 
「何、と申しますと?」


のどが乾く
ぴりぴりとした感覚が
のどの奥を突き抜ける

その感覚が声を押し付けて
中身のない弱々しい音となって
口から漏れた

⏰:10/05/27 21:28 📱:D905i 🆔:LasqqonI


#201 []
 
「あたしと壱助さんの‥
関係って‥何なんでしょう?」


どんな答えが返ってきても
怖じ気付いてはいけない

呼吸をやめた
取り込んだ空気を
体いっぱいに溜めたまま
その返事を待つ

⏰:10/05/27 21:28 📱:D905i 🆔:LasqqonI


#202 []
 
少しの間だったはず
それなのに長く長く感じて
周りの音が止まった


「主従関係‥」


そう呟いた声は部屋中に響く
ぼやっとした灰色が中を漂って

⏰:10/05/27 21:29 📱:D905i 🆔:LasqqonI


#203 []
 
だけど何故か納得してて
体がそれを拒否しなかった


"あぁ"と声を漏らし
一度だけ頷いた

⏰:10/05/27 21:29 📱:D905i 🆔:LasqqonI


#204 []
 



「と、歯止めをかけてたんですが」


奇跡と言うものは

この世にあるのだろうか

⏰:10/05/27 21:30 📱:D905i 🆔:LasqqonI


#205 []
 
「それじゃあどうも‥」


あるとしたら、それは‥



「物足りないもんで、ね」


今この時を言うのだろうか

⏰:10/05/27 21:30 📱:D905i 🆔:LasqqonI


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