浮 き 世 の 諸 事 情 。
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#242 [笹]
だけど、他の女の人にも
そういう目で見られてるって
考えたら‥どうしょもなく‥
ものすごい美人な人が
壱助さんに惚れ込んだら
こんな滑稽なあたしには
当然勝ち目がないのだから。
ヤキモチは自信のなさの表れね
:10/07/13 23:18
:D905i
:FnqGJxKs
#243 [笹]
気づけば、もう日が暮れていた
照らす夕日が
何となく虚しくさせた。
胸の奥がぎゅっとする。
取られたくなんかないんだ
どっかに行っちゃいやなんだ
だけど‥素直に言えない
:10/07/13 23:19
:D905i
:FnqGJxKs
#244 [笹]
後ろに在るはずの横になった背中
ちらりと盗み見れば
いつの間にかいつものように
胡座をかいて外を眺めてた
嫌なんだ。
この背中が離れていくのが‥
素っ気なくたって
あたしには貴方が必要、壱助さん
:10/07/13 23:19
:D905i
:FnqGJxKs
#245 [笹]
「壱す‥」
語りかけた背中の隣には
例の物であろう浴衣が
少し乱れて置かれていた。
「‥取りに?」
「流石に此では‥
夏が越せないもんで、ね」
そう言って背中越しに
胸元をぱたぱたさせていた
:10/07/13 23:20
:D905i
:FnqGJxKs
#246 [笹]
「壱助さん‥?」
「事実を述べたまで、なのですが
何と‥強引な‥」
何かをあざ笑うかのように
くすっと息を抜きながら
"いや、いや"と頭を掻く
嫌な予感がした。
まさか"喰らわれた"のでは‥?
:10/07/13 23:20
:D905i
:FnqGJxKs
#247 [笹]
もう居ても立ってもいられずに
膝を擦って彼との距離を縮めた。
夕日の逆光に照らされた横顔は
絵になりそうな程美しく
影に染まったその姿は
すぐさまあたしを虜にした。
:10/07/13 23:20
:D905i
:FnqGJxKs
#248 [笹]
「なぁに‥
喰われちゃいませんぜ?」
余程不安げな顔をしていたのか
此方を覗き込んで微笑んだ。
「‥あ、」
:10/07/13 23:21
:D905i
:FnqGJxKs
#249 [笹]
その瞬間、目に飛び込んで来たは
彼の頬に綺麗な紅葉。
不謹慎だと叱られてもいいや。
可笑しくて、嬉しくて、可愛くて
「浴衣に紅葉じゃあ‥
季節外れじゃないですか?」
思わず吹き出してしまった。
夕日の橙がそれを柔らかく
包み込んでいたのが幸いだろう
:10/07/13 23:22
:D905i
:FnqGJxKs
#250 [笹]
「綺麗な紅葉ーっ!
今年は二人で紅葉狩りにでも‥」
さっきまでの不安もヤキモチも
どこかにやってしまうほど
それは鮮やかだったから。
「馬鹿にして、いるんですかい?」
目を細めて睨みをきかせたって
今はちっとも怖くない
:10/07/13 23:22
:D905i
:FnqGJxKs
#251 [笹]
ねぇ、それって‥
「‥恋人が居るって?」
そう言ってくれたと思うと
思わず頬が緩んでしまうの
「いえ‥妻がいると、ね」
「‥ばーか。良くできました。」
そっと紅葉に手をやれば
まだじんじんと熱を帯びていた
:10/07/13 23:22
:D905i
:FnqGJxKs
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