浮 き 世 の 諸 事 情 。
最新 最初 🆕
#280 []
 
「ん‥」

一度顔を離したかと思えば
今度は唇に吸い付いた

蜂蜜のねっとりした感触が
何故かあたしを高揚させる
体全体が熱くなって
どうしようもなく愛おしくなる


「ふ‥、」

息をつく隙を与えないほど
長い、甘い口づけ

頭がぼうっとする

⏰:11/01/26 13:29 📱:D905i 🆔:MmQRKSWw


#281 []
 
自然と舌が侵入してきて
初めてなくせに
すんなりと受け入れてしまう

歯並びを確認するように
丁寧にゆっくり伸びてきて
上顎を優しく撫でられる


脳内まで犯されて、
思考が止まりそう‥
崩した足の先から
じわじわと快楽が込み上げる

⏰:11/01/26 13:30 📱:D905i 🆔:MmQRKSWw


#282 []
 
羞恥に目を潤ませてみても
柔らかい唇を何度も重ねられ
少し斜めに傾いた
壱助さんの首筋が艶容で‥


やっと唇が離れた頃には
あたしはすでに彼の下
見下げる視線が柔らかい

つり上がった口元が
意地悪そうな笑みを作る
まるであたしをからかうように

⏰:11/01/26 13:31 📱:D905i 🆔:MmQRKSWw


#283 []
 
「壱助さんって‥
甘いもの‥苦手なんじゃ?」


あっという間に
黄金に濡らされたはずの唇は
彼に染まって

もどかしい余韻を残したまま

「其れと、此とでは‥訳が違う」

「はちみつ、
‥わざわざ買ってくれたの?」

⏰:11/01/26 13:32 📱:D905i 🆔:MmQRKSWw


#284 []
 
まだ整わない呼吸をよそに
目を細めて含み笑い

「食後の甘味として‥
今後、如何なものかなと‥ね」

「毎回、こうするんですか?」


優しく髪を撫でられる
これも神様が決めたこと?

⏰:11/01/26 13:32 📱:D905i 🆔:MmQRKSWw


#285 []
 
「気に食わない、と」

「いいえ、
‥保湿は大事でしょう?
大人の女性にとっては」


時折あたしは素直じゃない
それは壱助さんも同じよね?

「まぁ、ね
今宵、十九になったのですから‥
後は老いて行く一方、ですよ」

「まだまだ若いですぅ!」

⏰:11/01/26 13:33 📱:D905i 🆔:MmQRKSWw


#286 []
 
毒を吐く前にさらりと言ったけど


「壱助さん‥もしかして
今日があたしの‥」

「なぁに‥
それくらいの日付くらい
誰でも覚えられるもんです、ぜ」

本当は泣きたいくらい嬉しいよ
誰かに誕生日を
祝ってもらうのは約10年ぶりだ

⏰:11/01/26 13:34 📱:D905i 🆔:MmQRKSWw


#287 []
 
これを祝ってもらったと
言うかどうかは別として


「‥ありがと、壱助さん」

大人ぶってみても
やっぱり頬が緩んでしまうの

「では、記念に"これ"‥
全身に塗りたくりましょう、か」

今度は手を丸々突っ込んだ
透き通った黄金が輝く
その奥で、いつもの怪しい笑み

⏰:11/01/26 13:34 📱:D905i 🆔:MmQRKSWw


#288 []
 
「記念って‥何記念?!
ちょ‥壱助さんっ‥本気?!」


「大人記念、ですよ」


_

⏰:11/01/26 13:35 📱:D905i 🆔:MmQRKSWw


#289 []
 
ねぇ、神様

何でも全部が既に決まってて
時々あたしは悲しくなります。
悔しくもなります。


だけど
この世に生を受けたことを
悲しいことだとは思いません


愛する喜びも、愛される喜びも
あたしは教えられたからです

⏰:11/01/26 13:35 📱:D905i 🆔:MmQRKSWw


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194