記憶を売る本屋 2
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#25 [我輩は匿名である]
「…誰?」

鬱陶しそうに奏子が尋ねる。

「てんにゅ…」

「君だね!?君が響子ちゃんだね!?」

良介はそう言って、目を輝かせながら飛鳥の手を握る。

「はぁ?何だよ、あんた」

「えっ?僕の事覚えてないの!?」

「…香月響子は私です…」

響子がしぶしぶ手を挙げる。

⏰:10/04/20 10:10 📱:N08A3 🆔:DuuM/8z6


#26 [我輩は匿名である]
良介は「へ?」と響子を見る。

「………えっ?君が響子ちゃん?」

「うん…」

「……さっきから『響子ちゃん、響子ちゃん』と馴れ馴れしい…」

歓声を上げる良介に、薫が顔をしかめる。

「ねっ!僕の事覚えてる!?君の隣の隣に住んでた良介だよ!

あーっ、やっと会えた!元気だった!?身長縮んだね!?」

良介は今度は響子の両手を握りなおす。

⏰:10/04/20 10:11 📱:N08A3 🆔:DuuM/8z6


#27 [我輩は匿名である]
「(…なんだこのテンション…うぜぇ…)」

「(…縮んだって…)」

「(イケメン…♪)」

3人がそれぞれ思っていると、薫が不機嫌そうに良介の手を振り払った。

「いきなり入ってきて何なんだ?馴れ馴れしく手なんか握りやがって…」

「…何って、僕響子ちゃんのフィアンセだよ?」

良介は当然のように言い放つ。

その一言に、直人達だけでなく、教室中が静まり返った。

⏰:10/04/20 10:12 📱:N08A3 🆔:DuuM/8z6


#28 [我輩は匿名である]
「…お前…ふざけてるのか…?」

薫は哀れみを込めた目で良介を見る。

「ふざけてないよ。約束したもん、響子ちゃんと」

「は!?」

響子がすぐさま「違う違う」と手を振る。

薫と響子が付き合っている事を知っているクラスメイト達が、良介を見て笑っている。

「違わないよ!幼稚園の時に『大人になったら結婚しようね』って言ったら、

響子ちゃんも『うん♪』って言ってくれたじゃないか!」

「お前…これ以上いい加減な事言ったらぶっ飛ばすぞ…!」

薫の怒りが頂点に達しかけている。

⏰:10/04/20 10:12 📱:N08A3 🆔:DuuM/8z6


#29 [我輩は匿名である]
が、良介は動じずに首を傾げる。

「っていうか、君誰?」

「俺は!香月響子の彼氏だ!!」

薫は思わず声を荒げる。

クラスメイト達が喜んで声を上げ、薫に拍手を送る。

が、薫は今それどころじゃない。

良介の胸倉を掴み、睨み付ける。

「これ以上響子に手ぇ出したら…殺す…!」

本気で殴り殺しそうな薫に、直人達もおろおろする。

⏰:10/04/20 10:13 📱:N08A3 🆔:DuuM/8z6


#30 [我輩は匿名である]
…が。

「ワーォ!ジャパニーズボーイこわーい☆」

良介はへらっと笑って言った。

薫の顔が引きつる。

「…地獄に落ちろぉぉぉぉーーー!!!!」

「わあぁぁぁっ!薫!!落ち着けー!!」

良介に殴りかかる薫を、直人や周りにいた男子が慌てて止める。

その間に、響子は奏子と飛鳥の後ろに避難する。

薫が押さえられているのを良い事に、良介は笑いながら、「響子ちゃん!また後でねー」と出ていった。

⏰:10/04/20 10:13 📱:N08A3 🆔:DuuM/8z6


#31 [我輩は匿名である]
「…何だったんだ…?」

飛鳥と奏子は呆れ返る。

「…許さん……絶対後で殺す…!」

薫は息を荒くしてドアの方を睨む。

直人は、「また何かややこしい事になりそうだ」とため息をついた。

⏰:10/04/20 10:14 📱:N08A3 🆔:DuuM/8z6


#32 [我輩は匿名である]
帰り道。

薫はまたもや顔を引きつらせる。

目の前には、満面の笑みを浮かべた良介の姿。

「……お前…ケンカ売りに来たのか…?」

「まさか♪」

「つーか、お前誰?」

薫の代わりに直人が尋ねる。

横には呆れている飛鳥と、ちょっと楽しんでいる奏子。

響子は薫の後ろに身を隠している。

⏰:10/04/20 21:30 📱:N08A3 🆔:DuuM/8z6


#33 [我輩は匿名である]
「僕かい?僕は桐生良介。響子ちゃんのフィ」

「響子の婚約者は俺だ」

良介が言い切る前に、薫が言い張る。

「なぁ、お前何か、勘違いしてねぇか?」

「そんな事はないよ!愛する幼なじみの顔を、僕が忘れるはずがない!」

「幼なじみって、5歳までじゃない!」

薫の後ろから、響子が顔を出して言い返す。

「えっ?やっぱり幼なじみなの?」

奏子がぽかんとして尋ねる。

⏰:10/04/20 21:31 📱:N08A3 🆔:DuuM/8z6


#34 [我輩は匿名である]
「お、幼なじみだったのは覚えてるよ!?

でも、私は結婚の約束なんかしてないし、私の婚約者はこの月城薫ただ1人よ!」

響子が言うと、良介は「オーマイガッ!」と頭を抱えた。

「(効いた…)」

直人、奏子、飛鳥は呆然とそれを見つめる。

「(…何なんだ、こいつのテンション…)」

薫は「はぁ…」とため息をつく。

しかしその直後、薫の鼻先に、良介の人差し指が伸びてきた。

⏰:10/04/20 21:31 📱:N08A3 🆔:DuuM/8z6


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