記憶を売る本屋 2
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#491 [我輩は匿名である]
来た。直人達は顔をしかめて目を合わせる。

薫は鬱陶しそうに振り向く。

案の定、そこには仁王立ちした良介がいた。

「…何だよ」

「僕が響子ちゃんを諦めるわけないだろう!?

受けれなかったんだよ!テスト!」

「何で?」

直人と飛鳥は首をかしげる。

⏰:10/10/27 19:10 📱:N08A3 🆔:EbC01sZ6


#492 [ま]
はう(´・ω・`)余計続きが気になる(´・ω・`)

⏰:10/10/31 00:38 📱:P04A 🆔:H9axVRIU


#493 [我輩は匿名である]
「風邪引いて追試になったからさ!」

良介は華麗に理由を言う。

が、薫はすでにげんなりしたように良介を視界から外している。

一応追試は出来るものの、その点数は順位には反映されない。

「おいっ!僕から目を逸らすな!」

良介は声を荒げて、薫の身体を自分の方に向ける。

「相変わらず鬱陶しいね、この子」

彼の暴走ぶりに、要が呆れている。

「次こそは!お前から響子ちゃんを奪い返す!!」

⏰:10/10/31 08:42 📱:N08A3 🆔:eAY8INGU


#494 [我輩は匿名である]
良介はビシッと薫を指差す。

「……なぁ、いい加減やめないか?」

薫はため息を吐きながら言う。

「何?」

「お前、本当に響子の事が好きなのか?」

「当たり前だろ!」

「だったら…」

「そんなに勝つ自信が無いか?」

⏰:10/10/31 08:42 📱:N08A3 🆔:eAY8INGU


#495 [我輩は匿名である]
良介はまるで見下すような目で薫を見る。

「そういう事じゃない」

「同じ事だろ?響子ちゃんと離れたくないなら、僕に勝てば良いだけの話だ。

1回僕に負けたからか?そりゃあれだけ自信満々に乗ってきたのに…」

「いい加減にしろよ」

薫は口調を強め、良介を睨む。

「ちょっと喋らせておけば調子に乗りやがって…。

“俺”とキョウコの事を何も知らない“ただの幼なじみ”が意気がってんじゃねぇぞ…!」

⏰:10/10/31 08:42 📱:N08A3 🆔:eAY8INGU


#496 [我輩は匿名である]
薫の話に、良介は眉をひそめる。

「(何だ…?こいつと響子ちゃんの間に、何かあるのか…?)」

前世の事について全く何も知らない良介は、薫のその言葉が気になった。

「……こわっ」

「完璧にキレてるな…」

隣で2人の様子を見ている直人達は、ちょっとハラハラしている。

響子も、いつもと違って、かなり不安そうな顔で薫を見つめている。

⏰:10/10/31 08:43 📱:N08A3 🆔:eAY8INGU


#497 [我輩は匿名である]
「…『何も知らないくせに』っていうんなら」

良介は真剣な顔で薫を見る。

「響子ちゃんと何があったか、僕に全部話してくれよ」

「言っても信じねぇよ。お前に言ったって、嘲笑われて終わるだけだ」

「そんな事わからないだろ!?」

珍しく、良介が本気で声を荒げる。

それを、薫は黙ってじっと見ている。

「…じゃあお前」

少し考えた後、薫は落ち着いた声で口を開く。

⏰:10/10/31 08:43 📱:N08A3 🆔:eAY8INGU


#498 [我輩は匿名である]
「生まれてくる前から俺と響子が知り合いだったって言ったら、信じるか?」

そう言われて、良介は理解できないという顔で首をかしげる。

「そんな事あるわけ…」

良介はそこまで言って、ハッとある事を思い出した。

「……もしかして、前に言ってた…」

「…ここでするような話じゃない」

やっと話を理解しはじめた良介に、薫は背を向ける。

「本当に知りたくなったら聞きに来い。

…軽い気持ちで来たら張り倒す」

薫は見向きもしないまま言い放って、教室に入っていった。

⏰:10/10/31 08:44 📱:N08A3 🆔:eAY8INGU


#499 [我輩は匿名である]
「……とうとう言わないといけなくなっちゃったな」

飛鳥がボソッと直人に言う。

直人も呆れたように「あぁ…」と返事して、ふと響子に目をやる。

響子は思い悩んだ表情でうつむいている。

そして、彼女も無言のまま教室へ去っていった。

「(どうしたんだろ?響子…)」

飛鳥は気にしながら、響子の背中を見つめる。

良介もその場を離れ、直人と飛鳥は顔を見合わせる。

⏰:10/10/31 08:44 📱:N08A3 🆔:eAY8INGU


#500 [我輩は匿名である]
「………あ、俺自分の順位見てねぇわ」

直人はちょっととぼけるように言って、また紙を見直す。

しかし、自分の順位を見つける前に目を止めた。

『7位:神崎 飛鳥(8組) 451点』

「………………なぁ」

「何?」

「…………これ、お前?」

直人は飛鳥の名前を指差して、目を丸くする。

「…あたししかいないじゃん」

飛鳥はかなり恥ずかしそうに答える。

⏰:10/10/31 08:45 📱:N08A3 🆔:eAY8INGU


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