記憶を売る本屋 2
最新 最初 🆕
#65 [我輩は匿名である]
「おい月島!」

その声に、クラスメイトの手が止まる。

見ると、自信有りげな顔をした良介が立っていた。

「(来たーーーっ!!)」

薫以外の4人が縮こまる。

「お前、名前すらないじゃないか」

「お前のすぐ下にあるだろ」

「What's?」

良介は成績表とにらめっこする。

「ん?お前、月島じゃなくて月城(つきじょう)だったのか」

⏰:10/04/22 18:36 📱:N08A3 🆔:07aOrgP2


#66 [我輩は匿名である]
「惜しいな、月城(つきしろ)だ」

何故か反対に、薫が良介を見下した言い方をして威張る。

「おっ、惜しいのはお前の方だろ!

まさかお前、負けるのがわかってたから響子ちゃんを渡さないように…!?」

「さぁな?でも…」

薫はフッと笑う。

「次は負けねぇからな…」

良介の目の前で、薫は宣言する。

⏰:10/04/22 18:37 📱:N08A3 🆔:07aOrgP2


#67 [我輩は匿名である]
「のぞくところだ!」

「あぁー惜しいな、のぞ“む”だな」

「だっ、黙れ!覚えてろよ!次こそは響子ちゃんを返してもらうからな!」

良介はキッと睨み返して、自分の教室に戻っていった。

「…何でテストの順位で響子の婚約者を決めなきゃいけないんだ…」

さっきまで威勢が良かったのに、薫は急に暗くなって壁にもたれかかる。

「…薫…」

⏰:10/04/22 18:37 📱:N08A3 🆔:07aOrgP2


#68 [我輩は匿名である]
「…いや、やっぱりおかしいだろ」

薫はもたれるのを止め、しゃきっと立つ。

そして、響子の方を向いた。

「やっぱ、断ってくる」

「へ?」

「だって、おかしいだろ?お前だって、他人の点数で彼氏決められるなんて…」

そう言われて、響子も「…うーん…」と頭を悩ませる。

「ちょっと、あいつに言って来る。響子はここにいろ」

そう言って、薫は良介の後を追った。

⏰:10/04/22 18:37 📱:N08A3 🆔:07aOrgP2


#69 [我輩は匿名である]
「おい、桐生」

薫に呼び止められ、良介は足を止めて振り向く。

「…俺、やっぱり勝負降りる」

薫はきっぱりと言い張った。

その言葉に、良介はフッと、余裕の笑みをこぼす。

「僕に勝てないから?」

薫は心底イラッとしたが、冷静に「そうじゃない」と言い返す。

⏰:10/04/22 18:38 📱:N08A3 🆔:07aOrgP2


#70 [我輩は匿名である]
「同じ事じゃないか。僕に負けて、響子ちゃんを取られるのが怖いんだろう?

そうだよねぇ。あんだけ自信満々で話に乗ったのに、負けたんだからね」

「…お前…!」

「知ってる?響子ちゃんの好きな男のタイプ。

格好よくて、優しくて、頭が良い男だって。

君、そんな事知らないだろ?」

良介はまるで、薫を見下すような言い方で笑う。

「…そんなもん、ガキの時の話だろ」

薫は良介を睨みながら言い返す。

⏰:10/04/22 18:38 📱:N08A3 🆔:07aOrgP2


#71 [我輩は匿名である]
しかし、良介の表情は変わらない。

「残念だけど、今君に何言われても、負け犬の遠吠えにしか聞こえないよ?

悪いけど、君に勝ち目は無いと思うけどな。まぁ、頑張ってみれば?」

良介は笑って、教室に入っていった。

廊下に残った薫は1人、黙ってうつむいて、両手を握り締めていた。

⏰:10/04/22 18:39 📱:N08A3 🆔:07aOrgP2


#72 [我輩は匿名である]
「そう言えば神崎、お前2桁だったじゃん」

教室に入って、直人は飛鳥に言った。

「ん?あぁ、見てたんだ」

「俺も2点足らずでお前に負けたんだ…。薫の気持ちがよくわかる…」

席についてすぐ、直人は頭を抱えてため息をつく。

「何よ、そっちか…」

「…おっと、そういう話じゃねぇな」

単純な直人は、飛鳥の方を向いて笑いかける。

⏰:10/04/23 18:58 📱:N08A3 🆔:KdcsC5Iw


#73 [我輩は匿名である]
「やるじゃん!そろそろ親もちょっとはお前の事見直すんじゃね?」

「…まだまだ」

飛鳥は苦笑する。

「弟の1番良かった順位は、9位らしい。だから、私は8位以上を目指すって決めてんだ」

「マジで?でもこれから、1位2位はあのアメリカンと薫が占めるだろうから…

3位〜8位…6人しか枠がないぞ?」

「…まぁ、何とかなるっしょ。ダメそうなら月城に勉強でも教えてもらうわ」

「あぁ、それがいいな」

2人は話ながら笑い合う。

⏰:10/04/23 18:58 📱:N08A3 🆔:KdcsC5Iw


#74 [我輩は匿名である]
「……水無月さぁ」

飛鳥は何気なく話を変える。

「あん?」

「…もし私が…」

そこまで言って、飛鳥はハッと言うのをやめた。

「…えっ?何だよ?」

「…ごめん、やっぱ何にもない。忘れて」

「はっ??」

ぽかんとしている直人を見ずに、飛鳥は自分の席に戻った。

⏰:10/04/23 18:58 📱:N08A3 🆔:KdcsC5Iw


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194