もぅえぇわ!
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#361 [だーいし]
『作ったって、そんなことの為に塾を辞めたの?』

『放課後練習をしたいからね。塾を辞めても勉強は出来る。』
キヨシはずっと下を向きながら答える。

『私が言ってるのはもっと重要な事です!!あなた漫才って何か知ってるの?あんなギャーギャー言って、笑われて、あんなの人間の底辺がやることなのよ!!』

今田が母親の顔を見た。

⏰:12/01/17 17:25 📱:S003 🆔:m/J5Jhcc


#362 [だーいし]
『すぐに辞めなさい!いい?』
キヨシは立ち上がり

『絶対に辞めない!』

と言い放った。

『あなたね、そんな事したら鈴木家の血が汚れる事になるのよ!考えただけで虫酸が走る!』
『そこまででいいですか?』

3人が今田の方を見る。

⏰:12/01/17 17:29 📱:S003 🆔:m/J5Jhcc


#363 [だーいし]
『「漫才」っていうのはお母様が考えていらっしゃる何十倍もすばらしいものです。「笑われる」のではなく、自分の話術だけで人を「笑わす・楽しませる」ものなんです。これ以上漫才をバカにしないで下さい。』

今田は下を向きながら言った。
『何?先生、昔やってたとか?』

『えぇ。』

母親は笑いだした。

『元漫才師が教師になるなんて、世も末ね!!口が上手いから不正でもしたんじゃないかしら。』

⏰:12/01/17 17:35 📱:S003 🆔:m/J5Jhcc


#364 [だーいし]
今田はももの上で握りこぶしを作り言い返そうとした。

『お前、よしなさい。人の職業をバカにするんじゃない。』

正十郎が母親に言う。

『キヨシ、お前その漫才をしてどうしたいんだ。「漫才師」になるのか。』

正十郎の思わぬ反応にキヨシは戸惑った。

『よし、なら質問を変えよう。お前は「東大」に進学するのか。』

『…………、東大には行く。まだ正直、自分でも将来何になりたいのか分からない。だけど今、一つだけ言えるのは「漫才」がしたいって事。』

⏰:12/01/17 17:41 📱:S003 🆔:m/J5Jhcc


#365 [だーいし]
正十郎は黙り込んだ。

『いいだろう。お前の好きなようにやりなさい。』

『えっ?』

『あ、あなた、キヨシに漫才なんかをやってもいいっていうの?』

『あぁ。だが東大には行ってもらう。もし東大に落ちたら、その時は親子の縁を切る。』

たまらず今田は

『お父様、何もそこまでは…』
『君には関係のない事だ。これが鈴木家に生まれた「宿命」なのだ。』

⏰:12/01/17 17:46 📱:S003 🆔:m/J5Jhcc


#366 [だーいし]
『わかったか、キヨシ。』

キヨシは黙り込んだ。

『わかったか!!!!』

正十郎は怒鳴った。

『分かりました。』

『よし。時間だ。これで失礼するよ。先生、ありがとうございました。』

正十郎は立ち上がり玄関の方へ向かった。

『先ほどは生意気な事を言ってしまいすいませんでした。それではお先に失礼します。』

今田は駆け足で正十郎より先に出ていった。

⏰:12/01/17 17:51 📱:S003 🆔:m/J5Jhcc


#367 [だーいし]
『フッフ、まだこの世にはあのような教師がいるんだな。』

母親は窓から見える門を閉める今田を睨み付けた。
正十郎は靴べらを使い靴を履いている。

『あなた、本当にあれでいいんですか?』

『初めてかもしれない…キヨシのあんな真っ直ぐな目を見たのは…。まぁ約束を果たしてくれればいいさ。』

正十郎はそう言うと家をあとにした。
母親は腑に落ちない顔をしている。

⏰:12/01/17 17:57 📱:S003 🆔:m/J5Jhcc


#368 [だーいし]
『お待ちしておりました。』

正十郎のドライバーが車の扉を開ける。
腕時計を見る。
時刻は20時5分前。

『間に合うか。』

『そうですね、なんとか。』


正十郎は流れる景色を見ながら呟いた。

『キヨシ、今の内に味わっておけ。「絶望」と「挫折」を。そして強くなれ。』

⏰:12/01/17 18:14 📱:S003 🆔:m/J5Jhcc


#369 [だーいし]
キヨシは部屋に戻るやいなや、何度も何度もガッツポーズをした。
「これで漫才が出来る。」
今はそう思っていた。


今田は帰り道にある河川敷に腰をかけていた。
どこを見るわけでもなく遠くを見ていた。


『たけちゃん……やっぱり僕は………』


その時、季節外れの突風が吹き、青々しい葉っぱが今田の手の甲に張り付いた。


『たけちゃん……』

今田はある決意を胸に、おもむろに立ち上がった。

⏰:12/01/18 10:23 📱:S003 🆔:NHL4oj6Y


#370 [だーいし]
『やったぁぁぁぁ!!これで心置き無く漫才が出来んねんな!?』

『うん!』

バンザイをしながら喜ぶヒロシとマヤに笑顔でお辞儀をするキヨシ。

『あとは、本当に顧問だけだ。』

キヨシの発言に一気に現実に戻されるヒロシとマヤ。

ガラララ…

部室の扉が開く。

⏰:12/01/18 11:43 📱:S003 🆔:NHL4oj6Y


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