もぅえぇわ!
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#430 [だーいし]
『海の家とっくんです。漫才やります。』

『…………。』

キヨシは砂浜でパラソルを立ててる女性客に声をかけたが無視された。


『海に来てるのに、漫才なんて。』


そう言われて気がした。

⏰:12/01/27 14:37 📱:S003 🆔:7M7SLvP.


#431 [だーいし]
それでもめげずに2人はチラシを配ろうとする。


キヨシはまだ全然チラシを配れていなかった。
パラソルの下で一人、麦わら帽子を被った女性に声をかけた。

『海の家とっくんです。漫才やります。』


『ヨ…シキ?』


キヨシはハッとした。自分の事を『ヨシキ』と呼ぶのはあの人しかいなかった。


『アキちゃん…。』

⏰:12/01/27 14:41 📱:S003 🆔:7M7SLvP.


#432 [だーいし]
一瞬時間が止まった気がした。お互い何も言わず見合っていた。


『ヨシキ、久しぶり!で、何?漫才がどうかした?』

『ああぁ、いやっなんでもないんだ。それじゃ。』

キヨシはその場をあとにしようとするがアキに止められる。
そしてキヨシが持っていたチラシを半ば強引に取った。

⏰:12/01/27 17:29 📱:S003 🆔:7M7SLvP.


#433 [だーいし]
『これって……、ヨシキ、漫才やってんの?』

『………あぁ。』

アキの表情がどんどんと曇っていく。



『こんな事するために帝都西に行ったの?』



キヨシは何も言えなかった。

⏰:12/01/27 17:36 📱:S003 🆔:7M7SLvP.


#434 [だーいし]
『こんなとこおったんや!はよ、行くぞ!時間や時間!』

ヒロシは息を切らしながらキヨシとアキの所に。

『あら可愛い子〜♪言うてる場合か!お前もナンパしてる場合か!』


ヒロシはキヨシの腕を引っ張り、海の家とっくんに向かった。引っ張られている時も、キヨシはアキの方を見ていた。お互い寂しそうな顔で。

⏰:12/01/27 17:42 📱:S003 🆔:7M7SLvP.


#435 [だーいし]
第1回目公演まであと10分。ヒロシは店の奥から、テーブルの方を見た。


『2……4…5、5人?普段と変わらんや〜ん。』


チラシを配った効果は全く出ず肩を落とす。

『客少ないけど頑張ろ!キヨシ!』

『…………』

『キヨシー。キヨシ!!』

『……ああぁ、ゴメン。』

⏰:12/01/28 16:39 📱:S003 🆔:dHQcGotE


#436 [だーいし]
『何ボーとしてんねん。もう時間や。準備ええか?』

『う、うん。』

出囃子が流れ、2人は勢いよくステージに飛び出した。


『『はーい!どーもー!小林鈴木でーす!』』


まばらな拍手が起こる。
マヤと徳井も固唾を飲んで2人を見守る。

⏰:12/01/28 16:44 📱:S003 🆔:dHQcGotE


#437 [だーいし]
『いや〜夏やな!』

『夏ですね〜』

『やっぱ夏は暑いな〜!』

『まぁ、夏ですからね。』

『夏って……やぱ暑いな〜。』
『ままぁ、ねっ、夏ですから。』

『あつ〜〜、やぱ夏は』

『何回言うんだよ!僕たちまだ「夏」しか言ってないよ!』

⏰:12/02/03 19:12 📱:S003 🆔:sili3k36


#438 [だーいし]
始めこそシーンとしていた店内だったが漫才が進行するにつれ、わずかではあるが笑いが起き始めていた。


『せやな!スイカ割りは塩で割った方がかける手間省けるもんな!』

『言ってないよ!そんなこと!まるで…』



キヨシはツッコミに詰まった。ヒロシは目を見開き、キヨシの方を見る。


キヨシの目線の先には、アキがいた。

⏰:12/02/03 19:17 📱:S003 🆔:sili3k36


#439 [だーいし]
『おまっ、緊張でセリフ忘れてるやんけ!もぅえぇわ!』


ヒロシはなんとかその場を誤魔化し、舞台からはけた。
客もハプニングの一つと捉え、笑っていた。
舞台裏。


『練習では上手くいったけど、やっぱ客前にしたら緊張癖出たな、キヨシ。』

『…………』

『まぁ、オレのアドリブがバッシーン決まったからよかったけど。』

『ご、ごめん。』

⏰:12/02/03 19:21 📱:S003 🆔:sili3k36


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