*- エロチュウ -*
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#451 [亜夢]
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「龍紀……あたしねっ…」
電話が鳴ってる。 寝ぼけながらも龍紀は電話をとった。 相手はお客さんだろう……
結婚とか子供とかそんな話をしてるみたい。
「俺いまなんかガキいらねえよ。」
邪魔なだけだろ?と龍紀は言った。
「大体新店あけてすぐに結婚とか洒落になんないじゃん…」
龍紀のことば…だよね?
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:10/08/15 04:42
:F02B
:uWCWZ30.
#452 [亜夢]
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電話が終わった頃にはあたしの心は折れかけてた。
さっきのは龍紀じゃない…【響皐月】のことばなんだから信じるな、と。
「あ、あのさ……」
あたしは龍紀の服の裾を持ちながら言う。
正直怖い…
「あたし妊娠してるみたい……」
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:10/08/15 04:44
:F02B
:uWCWZ30.
#453 [亜夢]
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さっきの響皐月の言葉を無視してあたしは言った。 喜んでくれるとか無理っていわれるとか、そんな難しいこと考えてなかった。
ただ事実を伝えたくて……
「まじで…?」
龍紀の顔が一瞬曇ったのをすぐあたしは悟った。
嬉しくないんだ…………
「ほんとに妊娠してるのか?」
あたしは深くうなずく。
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:10/08/31 17:38
:F02B
:hMRyFu0g
#454 [亜夢]
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病院でもらった写真。 赤ちゃんの形がみえるもの。 あたしの、あたしたちの大事な結晶が目にみえてそこにある。
「これ……」
あたしはそれを突き出して彼にみせる。
「病院いってきたんだ………」
目をごしごし擦って重そうな体を起こすと手にもってしっかりと見た。
「まじだ………」
龍紀はマジ?とかしか口にしてくれなかったからあたしの心臓は張り裂けそうだった。
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:10/08/31 18:10
:F02B
:hMRyFu0g
#455 [亜夢]
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「で、どうする?」
龍紀は真剣なまなざしであたしを見た。
産むとか産まないとかの決断をあたしに求めてるってこと?
「…あたしは……」
「俺はなっ……男なら夢紀(ゆうき)にして女なら亜紀(あき)がいいなあ………」
ううん…といいながら眉間にしわを寄せて考えてる龍紀。
へ?
なまえのはなし?
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:10/08/31 18:14
:F02B
:hMRyFu0g
#456 [亜夢]
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「産んでいいの?……」
あたしは目に涙をためながら言った。
「ばっ……なに泣いてんだよっ…」
龍紀は大きな体であたしをすっぽり胸元におさめた。
「当たり前じゃん。 俺はもっと早くてもよかったけどなっ。」
にこにこしながら龍紀があたしにちゅっとキスをする。
あたしはこのキスで龍紀の魔法にかかった。
あたしは龍紀がすき。。。
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:10/08/31 18:35
:F02B
:hMRyFu0g
#457 [亜夢]
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時間は経った----
あたしはすぐに水商売をあがって龍紀の専業主婦状態になった。
毎日意外と暇ながらも楽しくて仕方なかった。
少し変なのは夕方におきて掃除や洗濯をしてご飯をつくると夜に出勤する彼を見送ってあたしは朝の営業終了の時間まで待った。
大きなおなかを撫でながら、いろんな音楽や英語のテープを子供に聞かせた。 あたしは太らないように気をつかいながらもやはりふっくらとしてきた。
そんなあたしを龍紀は可愛いっていうけど………
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:10/09/06 01:20
:F02B
:WXVz9/yo
#458 [亜夢]
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実は、まだあたしたちは籍を入れてない。
龍紀がうちの父親に認められなかったからだ…
案外何も言われないと思いながらも、龍紀は黒髪にしてビシッとしたスーツを身にまとうと、正座であたしをくださいと頭を下げた。
お母さんは喜んで泣いてくれたけど、お父さんは龍紀の仕事のことで納得ができなかった。
ホストというものにやっぱり偏見を抱いてた。
あたしだって最初はそうだったもの……
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:10/09/06 01:23
:F02B
:WXVz9/yo
#459 [亜夢]
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龍紀と出会ったのはあのバーでのことだ。
トイレでイチャつくナンバー1の有名ホスト【響皐月】こそが龍紀だ。
渋いお酒を飲みながら、ごつい指輪をした細い指でカラカラと氷をまわすのが悪い癖だ。
あたしのことを「あむむ」とよんでは絡んでくる色男。
…彼のキスから魔法にかかった、あの夜のこと…
あたしの初恋。
あたしの初めてのひと。
全部が全部、龍紀と初めてだ。
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:10/09/17 05:24
:F02B
:r0dloFRo
#460 [亜夢]
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今は店を任されてる管理職になって下の子達を育てあげてきた。
あたしが水商売をあがった後を期に、響皐月は掲示板でたたかれて…ここ最近まで大変だった。
けど、先月でランキングにはいることからの引退…完全に下の子達にプレイさせる、バックアップの存在になった。
所詮ホストなのかもしれない。
だけど龍紀はホストを踏み台にして重大な役についた。
それは普通の昼の仕事をしてる人間でも飛躍しかねること…
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:10/09/17 05:28
:F02B
:r0dloFRo
#461 [亜夢]
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「お願いします…娘さんを僕にください。」
これで何度目だろう…龍紀があたしの父親に頭をさげに家に押し掛けたのは…
お母さんは「あなた、もう許してあげて」とそっと父の腕を手を添えるけど、かたくなに腕を組みつづけるお父さんは、そっぽを向いたままだ。
あたしは今まで黙って龍紀とお父さんをみてきたけれど、思わず
「…お父さん…龍紀はあたしを大事にしてくれてるよ? 不自由のない生活をさせてくれるし、あたし達こんなにまじめに付き合ってる。 お父さんはあたしの子供の顔さえみてくれないの?」
といってしまった。
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:10/09/17 05:32
:F02B
:r0dloFRo
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