その日が来る前に、
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#233 [愛華]
びっくりした。
まさか那佑があんな風に
叫ぶなんて……思わなかった。
「隆則のそーゆーとこ嫌!!
もう、いーんだよ!!
どーせ隆則が退院したら
サヨナラなんだから……
だから病室もいかない。
もう会わない!!」
「……なに言ってんだよ」
那佑……それが…本音なのか?
:10/07/03 20:12
:840SH
:TRqKXb0g
#234 [愛華]
「お前みてぇなバカ
退院しても忘れねぇっつったろ?
なんでまた『どーせ』なんて
言うんだよ!!」
通り過ぎる看護師や患者が
こちらを見る。
でも気にせず大声で叫ぶ。
那佑の言葉……信じたくない。
:10/07/03 20:15
:840SH
:TRqKXb0g
#235 [愛華]
「退院したって……
会いにくるだろ……」
「無理なんだよ…
隆則とあたしが関わる事には
『理由』がないもの」
理由…?理由って………何?
「それって必要?」
「…少なくとも、あたしにはね」
:10/07/03 20:21
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:TRqKXb0g
#236 [愛華]
「…もう、あたしにかまわないで
…………………迷惑だから。」
「………」
何も……言えない。那佑の目が
あまりにも悲しすぎたから。
「それが隆則の為にもなるから
………ごめんね……」
那佑がそうつぶやいたことは
俺はおろか
那佑自身にも聞こえたのかどうか
わからないほど、
小さくか細い声だった。
:10/07/03 20:33
:840SH
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#237 [愛華]
俺はその場に立ち尽くした。
那佑が去った後も、ずっと。
……やっと那佑の本音を聞けたと
思っていた。
やっと那佑の心に、少しだけ
近づけたと………
でも、それは勘違いだったのか?
「……マジばかみてぇ、俺」
気がつくと出る声。
:10/07/03 20:39
:840SH
:TRqKXb0g
#238 [愛華]
「赤石さん、病院で大声
だしちゃだめですよ?」
「……すんません」
看護師がここぞとばかりに
話し掛けてくる。
………うざい。
「那佑ちゃんと修羅場??
あんな仲よかったのに…
なんかあったの??」
………うざいってば。
「…あたしでよかったら話……」
「うぜぇよ、話し掛けんな」
もう………いーや。
:10/07/03 20:48
:840SH
:TRqKXb0g
#239 [愛華]
俺は那佑を理解しているつもり
でいた。
でも、それは違った。
単なる思い上がりだった。
……ただ、それだけの事だ。
ただそれだけの……
「ねぇタカどしたの?
なんか元気なくないー?」
「……なんでもねぇよ」
そーだ。今日は梓が来ていた。
ぼーっとしすぎて忘れてた。
:10/07/03 21:06
:840SH
:TRqKXb0g
#240 [愛華]
俺はイライラをまぎらわせようと
タバコを吸った。
「……タカなんかあったでしょ
やっぱり」
「…たいしたことじゃねぇよ」
「それでもいいよ…言って?」
:10/07/03 21:10
:840SH
:TRqKXb0g
#241 [愛華]
俺は梓に事の事情を話した。
ぐちのような物だったんだ。
行き場のない気持ちを
誰にでもいいから
吐き出したかった。
「……那佑ちゃんが……
そう言ったの?」
「まぁな。…でもしょうがねぇよ
こんなキンパの男……
信用できる訳ねーしさ」
:10/07/03 21:46
:840SH
:TRqKXb0g
#242 [愛華]
「…そっか……那佑ちゃんが…」
「……どした?」
「なんでもない!
…っていうかさ、あたしタカが
好きだって言ったよね?
そのあたしに那佑ちゃんの話
ってひどくない?」
あ…そうだったんだ。
っつーか、あれマジだったのか。
……自分のことで精一杯だった。
:10/07/03 21:56
:840SH
:TRqKXb0g
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