その日が来る前に、
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#557 [愛華]
梓はにっこり微笑んだ。

「あたしは、隆則が幸せなら、
那佑が幸せならそれでいい。
どちらか一個なんて嫌です。
どっちとも幸せになってほしい。
想ってるだけでいいんですよ」

誨には理解できなかった。

だって傷つくじゃん、そんなの。
現に今、悲しそうな顔
してんじゃんか。


自分の中の、何かが
壊されたような。
でも心地好い痛み。

⏰:10/08/31 20:09 📱:840SH 🆔:GnwUTjmo


#558 [愛華]
「……つらくないの?」

「さっきから聞いてばっか」

梓はふっと笑った。

「たまに辛いかな?ぐらい。
二人の笑ったとこみると、
安心するし。

あたしはそれで充分。
充分すぎるくらいですよ?」

「君はしあわせに……」

なりたいと、思わないの?

でも言葉が出てこなかった。

⏰:10/08/31 20:38 📱:840SH 🆔:GnwUTjmo


#559 [愛華]
誨の中に一瞬だけ、ひとつの
想いがめぐっていった。

「ん?なんですか?」

「あ、いや……」

なんだ?今の…?

いつのまにか梓の家に着いていた

「電車のほうが早かったのにー」

そういって笑った彼女。
女神みたいな。
なんか、そーゆー系の。
すっごい綺麗な笑顔だった。

⏰:10/08/31 20:42 📱:840SH 🆔:GnwUTjmo


#560 [愛華]
「送ってくれて、ありがと。
一応いっときますね?一応」

「なんかムカつくなー」

「……」

ん?急に黙った。

「……大丈夫ですからね!
あたし、タカをとる気なんか
砂粒ほどもないですから!!」

「……うん、わかったってば。
てか、寒いから部屋はいんな」

「はい。……さよならっ」

⏰:10/08/31 20:47 📱:840SH 🆔:GnwUTjmo


#561 [愛華]
カチャン


家の中から
「さっぶかった〜」
などと、梓の声が聞こえ、
たまらず誨は吹き出す。


……オッサンかよ。



あの時、頭にめぐったひとつの
一瞬の、想い。

⏰:10/08/31 20:49 📱:840SH 🆔:GnwUTjmo


#562 [愛華]
誰だって幸せになりたいと思う。
そんなの当たり前。
でも、そんな想いが叶わない時
だってある。

なら……
俺が 君を しあわせに。


「……ばかみてぇ、俺」

傷つくの、わかってるし。
もう傷つくのはうんざりだ。

痛みから逃げて、逃げすぎて。
とうの昔に、恋の仕方なんて
忘れちまった。

⏰:10/08/31 20:53 📱:840SH 🆔:GnwUTjmo


#563 [愛華]
ってゆーか
これは恋じゃないだろ。

なんつーか
同情?みたいな?

うん。傷ついてんのに
痛みに我慢しちゃってさ。

なんか、かわいそーだなって。
俺には絶対無理だもん。


それだけ。
ただ、それだけ。


雪が降ってきた。

世間は恋人達のクリスマス。

⏰:10/08/31 20:57 📱:840SH 🆔:GnwUTjmo


#564 [愛華]




………やっと買えた。
ほんとに疲れた。
人生でベスト3に入るくらい。
あーそれは大袈裟かなぁ。

しかし、人にプレゼント買うの
って、こんな大変なんだな。
サンタさんは大変だろーに。
あ、でもサンタさんは
プレゼント届けるだけか。
ん?プレゼント買う専門の
サンタさんがいるのか?
したら、ラッピング専門の
サンタさんと、
トナカイの世話するサンタさん…

⏰:10/08/31 21:15 📱:840SH 🆔:GnwUTjmo


#565 [愛華]
「なにブツブツ言ってんの、
隆則!!おーい!!」

「あ……誨?なんでここに?」

「ちゃんと買えたのか心配でさ…
ってかお前、なんか痩せた?」

「気のせいだろー…」

「そっか?ならいーけど。
お、ちゃんと買えたんだな」

淡いピンクの小さい箱。
最後は直感で選んだ。

⏰:10/08/31 21:19 📱:840SH 🆔:GnwUTjmo


#566 [愛華]
「超つかれた……精神的に」

「うん、見ればわかるわ。
まぁよかった。んじゃ帰るか」


そういえば……


「梓、ちゃんと送ってくれた?」

「んぁ?あーうん」

「変なことしてねーよな?」

⏰:10/08/31 22:58 📱:840SH 🆔:GnwUTjmo


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